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「あげる」は敬語か
「“あげる”は敬語であるから、“犬に餌をあげる”は誤り。“やる”が正しい」などと、よく聞きます。 そこで質問です。 (1) 敬語であるのに、目上の人に「あげる」を使う用例は見たことがありません。目上の人に「あげる」のは正しいのでしょうか。 (2) 私はつい「甥にお年玉をあげ」たくなってしまうのですが、これも間違いなのでしょうか。よく聞く用例だと思いますが。
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「あげる」はもともと謙譲語のはずですが、今は謙譲の意が薄れ、たんなる丁寧語(美化語)として使われる例が増えています。 目上の人に対する謙譲語としては、「さしあげる」を使うべきでしょう。 目下の人に対しても「やる」はぞんざいな印象を与えるので、面と向かって言う場合は「あげる」でよいと思います。 身内に対する行為を人前で(第三者に)話す場合は、話の相手が敬語を使うべき存在なら身内に対する行為は「やる」ですが、そうでなければ「あげる」でもあまり問題はないかと思います。 このへんが相対敬語の難しいところです。 参考までに、文化庁国語課の「国語に関する世論調査」でも、「やる」より「あげる」を使う人が増加している傾向がわかります。 (注:括弧内は平成7年度調査結果→平成12年度調査結果) (1) 植木に水を やる (75.3%→68.9%) あげる (20.2%→24.1%) (2) うちの子におもちゃを買って やりたい (58.5%→46.8%) あげたい (35.8%→44.8%) (3) 相手チームにはもう1点も やれない (79.5%→77.6%) あげられない (16.1%→16.6%) 植木に水をあげたり、ペットに餌をあげたりする女性が増えているようですが、これは個人的にはかなり違和感を覚えます。
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- marugina
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ご存知かもしれませんが、敬語には3種類あります。 相手を高く見る(敬う)のが尊敬語 自分の立場を低くする(へりくだる)のが謙譲語 相手と自分の間に上下関係はないが、相手を尊重して丁寧に言うのが丁寧語です たとえば「食べる」なら、 尊敬語は「召し上がる」 謙譲語は「いただく」 です。 「私はご飯を食べる」では乱暴なので「私はご飯を食べます」と言い換えた場合、この「ます」が丁寧語です。 「あげる」は、もともとは「与える」「やる」の謙譲語だったのですが、現在では、丁寧語であるという考えが増えてきました。かつては自分を相手より下に置いた言い方として「あげる」を使っていたのが、対等だけれど丁寧な言い方となったため、それまで対等な立場で使っていた「やる」が、相手をおとしめた言い方であるように受け取られるようになったのでしょう。「子供に小遣いをやる」では、言い方が乱暴だ、品がない、と感じる人が増えてきたのだと思います。 (1)「あげる」が「やる」の謙譲語である以上、目上の人に「あげる」と言うことは間違いではないのですが、現状では「あげる」ではただの丁寧語であると受け取られる可能性が高いです。「あげる」は、尊敬の程度が軽くなってしまった言葉なのです。 「やる」の謙譲語にはもう一つ「さしあげる」があります。 たとえば目上の人に「この傘をやる」と言いたいときには、 「この傘を差し上げます」 と言えばいいでしょう。 ただ、そもそも目上の人に「やる、あげる」と言うことじたいが失礼である、という考えがあると思います。目上の人が帰るときに雨が降っていて、傘をあげたいと思ったなら、 「どうぞ、この傘をお使いください」 などと言うほうが自然でしょう。 (2)「甥にお年玉をあげる」のは、もともとの敬語表現としては誤り、ということになりますが、先ほど述べたように「あげる」が丁寧語であると受け取る人の間では間違いではない、とも言えます。 「相手を敬う」「自分がへりくだる」ということは相手にそれが伝わらなければ成り立たないことです。社会が「あげる」という言葉に謙譲の意味をくみ取らないようになってきているのであれば、いくら自分が「謙譲の意味を込めています」と思って使っても無意味です。相手に気持ちを正確に伝えることが大切なのですから、どんなときも文法の本の通りに言っていればいいというものではありません。 敬語は、つねに、相手と自分との間に「(身分などの)差がある」ということを意識して使う言葉です。現在は、学校や職場などではともかくとして、家庭内で父が一番偉く、次が長男…といった差をつけている、という人はあまりいないでしょう。「みんな平等だ」という風潮の中では、敬語はなかなか使いにくくなっていくのも自然のことだといえます。 話す相手が、目上と目下といった立場にはっきり差をつけるタイプの人であれば(年配の方には多いです)、「甥にお年玉をあげた」と言うよう例は避けたほうがいいでしょう。また、甥ごさんのご両親が質問者さんと似た考えの方ならば、「お年玉をやるよ」と言ったら「何でそんな恩着せがましい言い方を!」と思われることもあるかもしれません。相手をみて、ことばを選ぶ必要があると思います。 子供ではなく、ペットや非生物に対して「あげる」を使うのはおかしい、という意見はよく聞きます。「犬に餌をあげる」も「野菜をゆでてあげる」も、犬や野菜に尊敬の念を抱いているということではなく、話し手が聞き手に対してぞんざいにならないように配慮した結果ではないかと思います。「犬に餌をやる」では、自分が品のない人間に思われる、という気がするからではないでしょうか。「ゆでてあげる」の方は、テレビの料理番組などで、出演者が「ゆでます」だとどうもぞんざいな気がするために生まれた言葉ではないかと思っていますが、こちらは「ゆでてやる」と言う必要もないわけですから、「ゆでます」と言うのが正しいと思います。「やる」か「あげる」かの問題ではないでしょう。
- ysk26
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語の用法・表現に詳しい『明鏡国語辞典』からの引用です。 ▼「上げる」 ・本来は当該の人を高めて言うべきものとされるが、今はむしろ同等またはそれ以下の人に使い、さらに動植物、無生物にも使う傾向にある。 ・動作主が恩恵を与える立場にあるため、相手を一段下の者として扱うような感じとともに、恩着せがましさや押しつけがましさを伴うため、目上の人には使いにくいことが多い。 ▼「やる」 ・主体と話し手が一致する場合は、ぞんざいな言い方となることが多い。近年、その語感が嫌われ、丁寧語の「上げる」にとってかわられる傾向にある。 以上をふまえて、回答です。 (1) 辞書等には漱石や芥川の用例が出ていますが、最近では「部長、この資料あげます」なんて言ったらそれこそ失礼ととられる可能性が高いと思います。本来的には正しくても、現実的には正しくありません。みなさんおっしゃるように「さしあげる」がよいと思います。 (2) 間違いではありません。私の祖母などは犬にも「ごはんあげなくちゃ」などと言ってますが、べつにいいんじゃないでしょうか。ぞんざいなよりはていねいなほうが、なにごとにつけても好感がもてます。 No.3さんの挙げた資料のように、言葉の用法や語感ってどんどん変わっていくものですから、何が「正しい」「間違い」とはっきり言いきれるようなものではありません。もちろん、本来的な意味を知っていて、言葉の変化に意識的であるということはとても大切なことだと思いますが。
- nackey_y
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植木に水をあげたり、ペットに餌をあげたりする人って、たぶん「やる」という言葉を使うことがない、語彙の貧困な人だという気がします。 そんな人たちは論外で、本来「あげる」は人にだけ使うべき言葉だと思います。 高島俊男さんの著書からの受け売りになりますが、「やる」と「あげる」の使い分けは、人間関係の距離によるものだそうです。 「勉強をみてやる」といえば、自分の子どもか、よっぽど親しくしている人の子ども相手で、「勉強を見てあげる」といえば、あまり親しくはない人に頼まれて行う行為という意味になると書かれてました。 (1)目上の人には「さしあげる」が正しいでしょう。 (2)それほど頻繁には会わない甥御さんには、「あげる」ことが多いでしょうし、しょっちゅう顔を合わせる親しい甥御さんになら、お年玉を「やる」ことになるかな? でも若い女性ならあんまり「やる」を使う機会が多くないかも知れないですね。 甥御さんに「やる」のはおばさんになってからかな?
- myu-1
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「渡る世間は鬼ばかり」というドラマは、 日本語の勉強になります。 目上の人には「~してさしあげる」と言ってました。 それと、余談ですが、 紀宮様の結婚相手である黒田さんて、 とても綺麗な日本語を話されていますね。 いつ聞いても感心します。
- sunasearch
- ベストアンサー率35% (632/1788)
あげる (12)「与える」「やる」の丁寧な言い方。《上》 「この本、あなたに―・げます」「ほうびを―・げる」 http://jiten.www.infoseek.co.jp/Kokugo?qt=%A4%A2%A4%B2%A4%EB&sm=1&pg=result_k.html&sv=DC&col=KO 1.敬語といっても、丁寧語ですから、目上の人には、尊敬語や謙譲語を使うべきだと思います。 2.丁寧語を使うことはかまわないと思います。 犬に丁寧語を使うのは、おかしいですね。