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フランスの警察組織の構造を教えてください。
司法警察、自治体警察、国家警察、市警、憲兵隊、予審判事といった各組織の名称のみで、それそれの関係、規模、業務の内容等が全く解りません。「フランスの警察」を一から勉強を始めました状況です。 どうか宜しくご教授ください。
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フランスの警察機構は大きく分けて3っつの機構が並列しています。 内務省管轄の国家警察 国防省管轄の国家憲兵隊 市町村管轄の自治体警察 です。 このうち我々に馴染みがない国家憲兵隊(ジャンダルマー)から。 憲兵というのは兵隊の非行を摘発するものと考え勝ちですが、古くは脱走兵の摘発が主任務。ヨーロッパ大陸の類型では、そのかたわら一般治安維持もこなします。フランスも当然その流れをくんでおり、一般警察権を持っています。軍事組織なので国防省管轄ですが、一般警察権を振るうときは内務省の指揮を受けます。階級は軍隊と同じで、特殊部隊(GIGN:対テロ部隊)や空挺部隊もあり、海外での軍事作戦にも投入されます(近年ではソマリアに派遣実績があるらしい)。 また、大陸型憲兵は地方ごとに分駐することが多く、フランスの場合、県とその下の郡に駐在しています(1県=大隊。郡=中隊)。だから、「村にいる憲兵」というものが存在するわけです(同様の組織はフランスの旧植民地や、イタリア、オーストリアなどのヨーロッパの国家で多く見られます。イランでも”ジャンダルムリ”という名称であったはず)。 国家警察は内務省国家警察総局の下に置かれた組織で県庁所在地か、2万人以上の市か、都市化が進んだ市町村に置かれます。普通の捜査や公安問題などの治安維持に当たります。こちらも特殊部隊を持っているようです。 自治体警察は市町村に置かれ(置かなくてもよいらしい)逮捕権限が制限されるなど、どちらかというと補助的な役割を果たすようです。 交通安全などは自治体警察の領域らしいので、大雑把に言って捜査・公安関係=国家警察、交通など警察行政=自治体警察なのではないでしょうか。また、国家警察がないところでは国家憲兵隊がその任務を代替するようです。 有名どころでは「パリ警視庁」というのがありますが、パリは市単体で県と同格で(この辺は東京と事情が似ている)独自に「警視総監」ポストが置かれ、国家警察と自治体警察双方の領域を担任した上で、パリ消防まで仕切るという権限を持っています。これは多分歴史的な背景があるのでしょう。
お礼
有難うございました。非常に参考になりました。