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トリハロメタン ジクロロメタン
上水は塩素による作用でトリハロメタンが生成されるそうですが、ではなぜジクロロメタンやモノクロロメタンは生成しないのでしょうか? どなたか教えて下さい。
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相当古い質問ですが、目についたので、取りあえず回答しておきます。 トリハロメタンの生成する機構は、おそらく、ハロホルム反応です。 すなわち、R-C(=O)CH3あるいはR-CH(OH)CH3の部分構造を持つものが、塩素によって酸化されて、R-COOH + CHCl3になる反応です。 したがって、基本的に、ジクロロメタン等は生成しないと思います。 ハロホルム反応は高校の参考書などで出てくるヨードホルム反応の親戚みたいなものです。 なお、No.2で示されているような、C-C結合の切断は、有機化学的に見て、起こりそうにない反応です。 ・・・今頃書いても、誰か見てくれるかな?
1番です。 >リハロメタンはクロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムの4種類の化合物の総量であり の定義ならば.私が「トリハロメタン」の構造を間違えて覚えていたためであり.2番の型の回答を優先してください。
- kei533
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トリハロメタンはクロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムの4種類の化合物の総量であり、メタンが塩素化あるいは臭素化されて生ずるものではありません。植物起源のフミン酸やフルボ酸などのトリハロメタン生成の先駆物質(Precursors)(比較的分子量の大きい有機物)、あるいは排水などからのその他の有機物が塩素で分解された結果生成するものです。水中の先駆物質分子の水素が塩素と置換し、最終的に低分子塩素化物質になって本体部分から離れると予想されます(適当な文献があるはずですがネット上では見当たりませんでした)。たとえば、有機物にエチル基があったとすれば ・・・・・CH2CH3 + Cl2 → ・・・・・・CH2CH2Cl + HCl (1) ・・・・・CH2CH2Cl + Cl2 → ・・・・CH2CHCl2 + HCl (2) ・・・・・CH2CHCl2 + Cl2 → ・・・・CH2CCl3 + HCl (3) ・・・・・CH2CCl3 + H2O → ・・・・CH2OH + CHCl3 (4) のような反応が予想されます(私見です)。(1)~(3)は有機物質本体が塩素化されるだけですが、(4)で加水分解されクロロホルムになるのでしょう。それゆえジクロロメタンやモノクロロメタンは生成しにくいと考えられます。 このような分解反応が比較的多く起こり、クロロホルムの発がん性が確認されているので注目されているに過ぎません。添付の英語文献のTable 1に塩素消毒された水から検出された沢山の有機塩素化物が並んでいます。塩素化された先駆物質分子の何処で切断されるかで決まるわけです。 リハロメタン濃度が上昇する季節です http://www.yobouigaku-tokyo.or.jp/lb12_thm.htm Fam, S. and M.K. Stenstrom, “Precursors of Non-Volatile Chlorination Byproducts,” Journal of the Water Pollution Control Federation, Vol. 59, pp. 969-978, 1987. http://www.seas.ucla.edu/stenstro/referreed.html (文献一覧の26、右側の(Display)をクリックしてください) ORGANIC BY-PRODUCTS OF DRINKING WATER CHLORINATION http://www.gnest.org/Journal/Vol1_No3/Nikolaou.pdf Chlorination of Drinking Water (パワーポイント表示) http://coep.pharmacy.arizona.edu/events/teacher_events/2001/chlor_chc.ppt
たしか 単に確率と平衡の関係で「しないわけではないが分量が極端にすくない」 と記憶しています。
お礼
トリハロメタンがジクロロメタンに比べ生成しやすいということですね。ありがとうございました。
お礼
とても丁寧な説明、文献の紹介、大変参考になり勉強になりました。ありがとうございました。