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偽札を賽銭箱に放り込んだ時の罪
検索はしましたが、もし似たような質問が既出なら申し訳ないです。 初詣の賽銭箱に、偽造した一万円札が大量に投げ込まれていたそうです。 そこで質問ですが、これは通貨を偽造した以外に、何かの罪に問われるものでしょうか。 何かを買って対価として払ったわけではないから、通貨として使おうとしたわけではないですよね。 神仏の鉄槌は下るんじゃないかと思いますが、もし犯人が捕まった場合、法律上はどういうことになるのか、教えて下さい。
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>何かを買って対価として払ったわけではないから、通貨として使おうとしたわけではないですよね 偽造通貨行使罪になります。「行使」とは、偽貨を真貨として、その用法にしたがって使用する場合を言います。対価を得て物を買う以外でも、寄付したりすることも用法にしたがって使用することになります。 通貨偽造罪、偽造通貨行使罪は、刑法上、牽連犯となり(刑54)、そのうち最も重い罪で処罰されますが、2罪とも法定刑は同じ。よって、無期または3年以上の懲役です。
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- a_little_for_you
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>偽札を作って家に置いていたのと、実際に使ったのとでは、量刑に違いはないのでしょうか? 作って置いていただけでは、偽造罪だけであり、行使罪にはなりません。質問の趣旨は、「最も重い刑より処断する」と言っても偽造も行使も同じ法定刑なので、意味があまりないのではないかということでしょう。しかし、「偽造して使用した場合には」大変、影響しますね。 >もらって(偽造には関与しないで)偽札と知りながら使った場合、これは牽連犯とは呼ばないのでしょうか? もらった場合は、偽造通貨収得罪ですが、その後使用すると行使罪です。2罪成立で、その関係が問題となりますが、その場合は、牽連犯と言っていいでしょうね。 牽連犯とは、は「犯罪の手段若しくは結果である」行為が他の罪名に触れるときを言いますが、判例によれば、犯罪の手段とは、ある犯罪の性質上その手段として普通に用いられる行為をいい、また犯罪の結果とは、ある犯罪から生ずる当然の結果を指す(最判昭24・7・12刑集3-8-1237)とされ、犯人が主観的にその一方を他方の手段または結果の関係において実行したということだけでは足りず、その数罪間に、罪質上、通例、手段結果の関係の存すべきものであることを要する(最判昭32・7・18刑集11-7-1861)とされています。 簡単に言えば、行為者の主観で罪の軽重を決めると処罰の不公平を生むからです。但し、その認定の限界、線引きは、とても難しいものがあります。判例の集積に待たねばならない部分です(逃げ)。 例ですが、 ・他人の住居に侵入して放火した場合は、住居侵入罪と放火罪との牽連犯(大判明43・2・28刑録16-349) ・他人の住居に侵入して人を殺した場合は、住居侵入罪と殺人罪との牽連犯(大判明43・6・17刑録16-1220) ・他人の住居に侵入して財物を窃取した場合は、住居侵入罪と窃盗罪との牽連犯(大判明45・5・23刑録18-658) ・他人の住居に侵入して強盗を行った場合は、住居侵入罪と強盗罪との牽連犯(最判昭23・12・24刑集2-14-1916) ・偽造の抵当権設定登記申請書を登記官吏に提出し、登記簿に不実の記載をさせた場合は、偽造私文書行使罪と公正証書原本不実記載罪との牽連犯(大判明42・11・25刑録15-1667) ・他人の印章・署名を使用して委任状を偽造し、その委任状を使って公正証書の原本に不実の記載をさせ、かつ、それを行使した場合は、私文書偽造罪と偽造私文書行使罪と公正証書原本不実記載罪と不実記載公正証書原本行使罪との牽連犯(大判明42・3・11刑録15-210) ・他人名義の文書を偽造して財物を詐取した場合は、私文書偽造罪と詐欺罪との牽連犯である(大判明42・1・22刑録15-27) ・公正証書原本不実記載罪およびその行使罪と詐欺罪とは、牽連犯(最決昭42・8・28刑集21-7-863) ・他人名義の文書を変造し、これを行使して横領を行った場合は、私文書変造罪と変造私文書行使罪と横領罪との牽連犯(大判明42・8・31刑録15-1097) ・財物詐取の目的で詐欺訴訟を提起した者が、その目的をとげるために偽証した場合は、偽証罪と詐欺罪との牽連犯(大判大2・1・24刑録19-39)
お礼
重ねてお答えいただき、まことにありがとうございます。お年玉をもらったような気分で嬉しいです。 量刑のことですが、3年~と無期では考えてみるとえらい違いですね。影響があるとおっしゃるのはそこらへんのことかなあと思いました。 牽連犯についても、私は根本的に違った解釈をしていたようですが、たくさんご丁寧に例示していただいて、よくわかりました。 初めて聞く罪名(私文書変造罪など)もあったりして、とても勉強になりました。 たくさんの方に読んでもらわないともったいないなあと思います。ありがとうございました。
- manda
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ご質問の本題とは関係ないのですが… これって、本当に賽銭箱なのでしょうか? 私がニュースで聞いたときは、おふだ・お守りの販売所や 食べ物の屋台などと言っていましたが。 ・釣り銭が目的 ・店側は忙しいのでいちいちチェックしない ・たくさんの客が来るので、どの客が使ったお札か 覚えていない という、うまい(などと褒めるわけにはいきませんが) 犯罪です。 「初詣・偽札」で検索すると、そういう話のほうが多く ヒットします。
お礼
お答えありがとうございます。 ニュースをちらっと聞いただけですが、賽銭の中に、、、と言っていたので「作ってはみたけれど、出来が悪くてすぐばれそうなので使う勇気がなかった犯人が投げ込んだものだ」と思い込んでいました。お恥ずかしい。妄想をたくましくしてしまいました。 もしや、お札などの売り上げのことも賽銭と呼ぶんでしょうか(広辞苑に、普通使われる意味とは別に「祈願成就のお礼として神仏に奉る賽物の銭」とあるので、お礼の先取りという意味で)。 おつり目的なら文句なく「行使」ですよね、ここではあくまでも「賽銭箱に投げ込んだ場合」ということで。これも立派な行使だそうですが。 余談ですが、昔読んだ小説の中に、馬券を買うのに使うという話がありました。もし実際にあったとしても、模倣犯をおそれて公表しないんじゃないかと思いましたが、どうでしょうね?
- Flak45
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URLの刑法条文によりますと、偽造通貨は偽造のほかに行使の場合処罰の対象となります。 賽銭として入れた場合にはその「行使」に当たるかどうかが微妙ですが。 尚、所持については処罰の対象にはならないようですが、偽造通貨を取得後、偽造であることを知っていて行使する目的で他人に交付したときは処罰対象です。 自分で偽造したり、偽造通貨を取得して偽造であることを知っていて賽銭として行使すると・・・たぶん有罪なのかなぁと思います。
お礼
お答えありがとうございます。 参考URLもさっと拝見しました、ご紹介いただいて恐縮です。条文は慣れないから眠くなって困ります。あとでゆっくり読んでみます。 「行使」にあたるそうですよ(笑)。お互い、いい勉強になりましたね!
- micchan32
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お寺側は、損害が出ていませんので通貨偽造以外の犯罪にはなりにくいでしょう。 通貨偽造は殺人に次ぐ重罪ですので、それだけで大変な事でしょうね。 罰当たりですね。
お礼
お答えありがとうございます。バチは当たると信じたいですね。 重罪だってこと知らないで、おもしろ半分に作ってる子供もいるようですが。 しかし迷宮入りするのかなあとか、みんな同じ犯人か、それとも散発しているのか、とか、興味深いです。
お礼
お答えいただいてありがとうございます。 いつもながら論旨明快で簡潔なお答えで、納得です。 法律の規定と、一般の感覚には(私だけかもしれませんが。汗)やはりそうとうの乖離があるかなあと、たいへん勉強になります。 ご好意に甘えてお聞きしたいのですが、牽連犯という言葉は恥ずかしながら初めて聞きました。素人にもわかるように教えていただけないでしょうか。また、ほかにどういうものがあるか、例示していただけないでしょうか。 偽札を作って家に置いていたのと、実際に使ったのとでは、量刑に違いはないのでしょうか? よろしくお願いします。
補足
ずぼらしようとして申し訳ありません。牽連犯のこと、調べました。 住居侵入と窃盗の例が辞書にはありました。ほかにも、、私の頭で一生懸命考えましたが、牽連犯とほかの重複した犯罪(たとえば、中に人がいると知ってて放火した場合で、眠ってなくて逃げ出す際に怪我ぐらいするだろうと予想される場合)の線引きがわかりません。 下にも書きましたが、作っただけで使わなかった場合。もらって(偽造には関与しないで)偽札と知りながら使った場合、これは牽連犯とは呼ばないのでしょうか? よかったら教えて下さい。