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建物の耐震性について
今回の新潟の地震では、小千谷市の強震計で、最大加速度1500ガルを記録したそうです。 新耐震設計法で設計された建物が1500ガルの加速度を受けるとどうなるのでしょうか。 大臣認定を受ける超高層ビルや免震建物、ダンパ付建物などはどうなるのでしょうか。
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1500ガルというのは想定外の加速度レベルですが、最大加速度の大きさでは単純に被害想定はできません。 最大加速度の発生している時間、建物の固有周期と地震加速度の関係が大きくします。 実際の波形やその周波数特性を見ていないのではっきりとはしませんが、被害報告の状況から判断して、おそらくその最大値は「ひげ」といわれるもので、耐震性にはほとんど影響しないものだと思います(特殊な構造だけでなく一般的な建物に対しても)。 また、最近の地震計は精度がよくなり、今まで計測できなかった瞬間的な加速度値が計測できるようになったことにより、大きな値を示すことが多いので、昔の地震と比較して、今回の地震はきわめて大きかったとはいえないと私は思っています。 但し今回の地震では地盤災害が大きかったようです。たいていの建物は地震の振動には耐えると思いますが、地盤自体が壊れてしまっては、耐えることができませんので、運悪く地盤自体が壊れた場合はどんな建物でも壊れると思います。 なお、大臣認定を受けるものの場合、一般の建物よりも地盤の調査をよくしていますので、地盤の破壊に対してもある程度安全性は高くなっていると思います。
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#2です。 記録の分析結果が出ているホームページがありましたので、それを参考に補足します。 小千谷市の記録などを含めて今回の地震では短周期成分が卓越しており、建築物に影響する1~2秒前後の振動成分は兵庫県南部地震の方が大きく、特に兵庫県南部地震で最も大きかった1秒ちょっとの周期成分は兵庫県南部地震の半分程度でした。 短周期成分は通常距離とともに減衰しますので、直下型でかつ震源が浅かったため、このように短周期成分が多くあったものと思われます。 一般に短周期成分が多く含まれるほど最大加速度は大きくなりますが、エネルギー的には小さなものとなりますので、被害は小さくなる傾向にあります。 建物の被害については、短周期の成分はかなり大きかったことより、中低層の建物は倒壊はしなかったものの損傷は受けた可能性が高いと思います。 また、旧耐震設計で設計されたものの中には倒壊するようなものもあったことが想定できます。 なお、免震建物や超高層建物の固有周期はだいたい2秒程度ありますので、このあたりの応答値も半分程度しか出ていなかったので、超高層や免震建物が小千谷市にあっても阪神淡路大震災同様被害はほとんどなかったものと思われます。 但し今回の地震被害は、地盤の災害が大きかったようなので、地盤が壊れた場合はどんなものでも大きな被害を受けます。
- yuusui_tanbou
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今回の新潟の地震の被害状況については、後日、建築学会・土木学会より、専門的な見解が示されると思いますが、TV画面を見た限りでは、土砂崩壊の巻添えで倒壊している建物が多いようですし、巻添えで無くても古い(新耐震基準とは無縁)建物に限定されているようです。また、公民館・学校といった公共の建物(新しいものは新耐震基準に合致)に被害が無いようですから、逆に新耐震基準の有効性を裏付けているような気がしますが。 超高層ビルや免震建物、ダンパ付建物などは大規模な地震履歴をうけていませんが、動的解析・模型振動実験等も十分実施されており、まず問題はないと思われます。