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熱力学 断熱変化 定圧変化についての質問
- 熱力学(高校範囲)における状態方程式pV=nRTの成立についての質問です。
- 問題文において、断熱変化と定圧変化についての疑問があります。
- [問1]の変化において、気体の状態方程式(ボイル・シャルル)の成立はありえないと思われるが、合っていますか?
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問1は、圧力一定のもとで断熱(Q = 0)の変化が起こるとどうなるか、という問です。 この場合、解答のとおり p不変、VとTが変化 という結果になります。 ※よく問題集に現れる断熱変化の問題は 「T一定、Q = 0の状況でpとVを変化させたとき」 というものですが、これと勘違いしているのかもしれません。 問2は、断熱かどうかとは関係なく、空気塊の一般的な状態変化(p,V,Tの相互関係)について問われている問題です。 問3は、大気層Bの鉛直方向のつり合いからΔpとΔzの関係を問う問題です。この問題も、問1や問2とは独立しています。 問4になってはじめてこれまでの問の結果をつなげます。問3で扱った大気層Bは「下面の圧力がp , 上面の圧力がp+Δp」という設定なので、大気層B自体の圧力は「pからp+Δpの間」と考えるのが自然です。ここでΔpを微小量として扱うことで 「大気層Bの中の空気塊の圧力はどこも一定でpである」 と近似します。これが問1の状態です。 そして、この大気層Bが図2のように上昇していく状況を考えます。ここで、上昇の際には空気塊全体(大気層B)の圧力も変化すると考えていきます。この際に用いるのが、問2と問3の結果をあわせた式です。 (問2と問3の結果をあわせてΔpを消去すると、ΔzとΔVの関係式が得られます。) さらに問1の結果をあわせる(ΔVを消去する)ことで、ΔzとΔTの関係式が得られます。これが問4の答です。 ※この問で得られる結果は、物理というよりも気象学の範囲でよく扱われます。気象予報士の試験にはこういった知識も必要となるでしょう
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- ハヤシ イトアキ(@1284647538999)
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理想気体において、状態方程式 pV = nRT は常に成立します。これは、理想気体が非常に単純なモデルであるため、熱力学的な議論でしばしば使用されるものです。ただし、実際の気体は理想気体ではなく、状態方程式はあくまでも近似式であり、実際の気体の挙動を完全に表現するものではありません。 [問1]について、断熱変化とは内部エネルギーの変化がない状態変化を指します。一方、定圧変化は圧力が一定である条件で行われる状態変化です。この問題では、断熱変化が起こると仮定されており、気体の状態方程式は不成立になるかもしれません。ただし、この問題では微小変化についての議論がされているため、微小変化の範囲内では状態方程式が成立すると仮定されています。 また、内部エネルギーの温度依存性については正しいです。内部エネルギーは気体分子の運動エネルギーに由来するため、温度が上昇すると分子の運動エネルギーも上昇し、内部エネルギーも上昇します。[問1]においては、温度の微小変化に対する内部エネルギーの変化を求めることができます。
- 上野 尚人(@uenotakato)
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>理想気体で状態方程式pV=nRTは常に成立という考えは合っていますでしょうか。 合っています。pV = nRT が成立する気体を理想気体とよびます。 問1(1) 熱力学第一法則より ΔU = Q - ΔW (ΔU : 内部エネルギーの変化量、Q : 外部から加えた熱量、ΔW : 気体が外部にした仕事) となり、断熱変化では Q = 0 なので ΔU = -ΔW …答 (2) ΔU = Cv n R ΔT ΔW = p ΔV これと (1) より Cv n R ΔT = - p ΔV ΔT = - (p ΔV) / (Cv n R) …答 ※ここまでの結果は、気塊が空中で高さを変えず断熱膨張(または断熱収縮)したときの話であり、問2で問われている「風で浮き上がって山に衝突した場合」とは異なります。 つまり、このΔTと問2のΔTは異なります。 問2 気体の変化前と変化後の状態方程式を立てて p V = n R T …① (p + Δp) (V + ΔV) = n R (T + ΔT) …② ②の左辺を展開し、問題文の指示に従って Δp ΔV の項を0と近似すると p V + p ΔV + V Δp = n R (T + ΔT) …③ ③から①を引いて p ΔV + V Δp = n R ΔT 両辺を pV で割って (ΔV / V) + (Δp / p) = (n R ΔT) / (p V) ここで①より p V = n R T なので (ΔV / V) + (Δp / p) = (n R ΔT) / (n R T) (ΔV / V) + (Δp / p) = (ΔT / T) よって ΔV / V = - (Δp / p) + (ΔT / T) …答 ※繰り返しになりますが、問1とは状況が違っているので同じ結果にはなりません。問1とは独立した問題として考えてよいです
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返信が遅くなってしまいすみません。。 詳しく丁寧に返答していただきありがとうございます!! 密閉容器(今回、「空気塊Aへの物質の出入りがないと仮定」と問題文に記載されているので密閉容器扱い?)においての断熱膨張(または断熱圧縮)では →体積変化(W), 温度変化, 圧力変化 で合っていますでしょうか。 断熱変化のPVグラフを見た時、圧力Pも体積Vも常に変化しています。(グラフはn(物質量)一定のグラフですよね...?) なので、[問1]を解いている際に『密閉容器で断熱変化なのに定圧変化!?』となりました。 [問1]では体積微小変化ΔVで、圧力pを一定として扱っているのでしょうか。問題文に誘導されるがまま、圧力pで(一定として)気体がする仕事W=pΔVとして解きましたが...(pとVが変わりながらの変化の時、本来はW=∫pdVの積分?) [問1]と[問2]が独立している問題だということは分かりました! ですが、[問4]の際には[問1]と[問2]で導出した解答を使いますよね。 それはよろしいのでしょうか。
補足
返答していただきありがとうございます。 各問題に対して詳しく説明していただきありがとうございます! 何度も質問してすみません。 説明を見て思ったのですが、 断熱変化で 「T一定、Q=0の状況でpとVを変化させたとき」 は可能なのでしょうか。 気体のする仕事をWとしたとき、 ΔU=ーW (Q=0) より温度Tは必ず変化しませんか。 不可能か可能かではなく、回答者様が[問1]でおっしゃった通り、その条件で変化が起こるとどうなるか、ということなのでしょうか。