GDPというのは、その国の国力を一番分かりやすく反映していますよね。だからその国力に対してどの程度の負担が国にとって負担にならないかということなのだと思います。
日本はずっとGDPで1%程度となっていました。経済大国の頃に作られた目安です。当時は日本は「アメリカに代わって世界を経済的に支配するのではないか」と真剣に思われていた頃だったので、そのときに対GDP比でもっと軍事(防衛)予算をつぎ込むのは他国、それはアメリカも含めてなのですが、諸外国にとっては脅威だったのです。
特に当時の中国は経済的にも軍事的にも大きく立ち遅れていたので、日本が再びアジア1の軍事大国になるのは「また侵略されるのではないか?」という恐怖がリアルにあったと思います。
だけど日本もバブルが崩壊して徐々にではあるもののお金持ちではなくなりました。その中で諸外国の脅威より、阪神淡路大震災のような大災害や非正規雇用者の増加などで優先すべき問題が他にあったので防衛予算に国民の関心が移ることはなかったのです。
その一方で、中国は経済力をつけてきて、その中で中国は喫緊の課題だった「軍の近代化」というのを最優先で行ってきたのです。
これには1991年の湾岸戦争の影響が大きかったと思います。当時のイラク軍には中国製の兵器や装備が多数ありました。「質は低いけれどお安くて数が揃えられる」のでイラクのような国々に人気だったのです。ところが湾岸戦争が始まってみると、アメリカ軍のハイテク兵器の前に中国製の兵器は文字通りの鎧袖一触となってしまったのです。
これは中国にとって2つの意味で衝撃でした。ひとつは、これでは中国とアメリカとの間で軍事衝突が起きたときに全く対抗できないこと。もうひとつは、廉価で人気だった中国製兵器が「使えないんじゃあっても無意味」と全く売れなくなったことでした。
なので中国軍は文字通りになりふり構わずに軍の近代化に着手しました。とりわけ、自他ともに時代遅れを認める海軍の近代化を優先して進めたのです。
そんな中で中国が経済大国になると共に軍事的にも近代化を進めて中身が充実してきたことにより日本に対しても脅威になってきたので、日本も意識せざるを得なくなってきたというのが今の実情ですね。
今の防衛費の6割くらいは自衛官への給料や部隊や装備の維持費、また今までローンで買ってきた装備品のローンの支払い分などにあたるので、残り4割から新兵器の開発などの諸々の諸経費を出すとなると新規調達に回せるお金がほとんどないんですね。
岸田政権の政治的方針がどうであったとしても、また岸田首相でなかったとしても、あるタイミングで対GDP比1%以内は維持が難しかったと思います。
お礼
遅くなりましたが、ご回答ありがとうございました。 4割程度自由になる予算があることは、結構恵まれているのかもしれませんね。 行政なんて90%以上は使い道決まっていますから。