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稲作で鶏糞を使いたいのですが・・
- 有機農法で田んぼ1枚分作ってみようと思います。品種はコシヒカリです。
- 鶏糞は尿酸が多い為、次第にアンモニア化して肥当たりするという話を聞きました。予め鶏糞を完全に熟す方法はないでしょうか?
- 稲作に鶏糞を使用する際は、穂肥も行うことをおすすめします。藁の熟成で窒素分が喰われるため、不足する可能性があります。乾燥状態の鶏糞を使用する場合は、動噴での散布が望ましいです。
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直接の回答では無いので申し訳ありませんが気になったもので・・・。 鶏糞を使うなら、熟成させるには出来あがるまでの期間が長く難易度も高めなのでご自分の手で熟成させるのよりも、まずは購入段階で既に完全熟成処理の済んでいる乾燥状態の物を購入なさる事をお勧めいたします。 自作するとなると、田圃一枚分に使用する量だと熟成させるには少なくて適する量には足りなそうに感じます。熟成は微生物という生き物を使って作る物なので好む環境を整える為には、ある程度の量が必要です。味噌とかお酒も大きな容器で作るほど微生物の好む環境が保て易く良い物が出来易いので、おそらく今回のケースでも必要以上の量を作らないとならないかと・・・。また出来上がった天然熟成肥料はしばらく保存すると効果が落ちますから出来るだけ出来上がりから数か月の間に使いきる事が必要。長期保管しておくと必要な養分の成分や植物の生育に関わる有用微生物が確実に減ってしまい化成肥料よりも劣化が早いのです。 田畑の規模の関係や他に野菜を栽培しているかによっては使いきれず大量に余らせてしまう事になり、保管するのは質が確実に落ちていくのなら無駄ですし捨てるにしても質が落ちたとはいえ一応はまだ肥料成分が残っている分、捨てた場所の雑草が異様に育ってしまうので除草作業が余計大変に。そのために捨て場所を探すのも結構大変に・・・。 鶏糞は熟成前から物凄く臭いものですが、天然肥料として他の原料をほとんど混ぜずの熟成中の臭みは結構強く、熟成すれば匂いが消えるものではありません。また、ご自身で熟成させるなら畜フンで作る肥料は熟成が終わるまでの期間が結構長めなので熟成場所周辺は暫くの間結構匂いますし風向きによっては風下に臭いが流れてしまい他の家などがあればかなりのご迷惑に・・・。かといって容器に入れての熟成は原料への新鮮な空気の出入りが少ないので嫌気菌の方が優勢になってしまい腐らせ易く熟成としては失敗し易いです。匂いも嫌気菌由来の匂いも合わさって余計に酷くなります。それを予防する為に定期的に容器内をよくかき混ぜる必要があり毎度かなり臭いので(ぬか漬けのぬか床を毎日丁寧に混ぜるのと理屈は同じですが鶏糞が原料だと匂いのキツさは糠どころではない)手入れが疎かになりがちでそれが熟成の失敗へ・・・。そして、熟成期間が終わっても、匂いが残るので果たして熟成が成功しているのか、それとも失敗して腐りかけたのかの判断が、経験が浅いと難しいと感じます・・・。私の場合材料が鶏糞ではありませんが、有用菌のEM菌を利用したバケツコンポストで作る堆肥とその副産物の液肥の場合、決して腐敗では無いのに結構ツンとした不快な臭いで本当に大丈夫なのか。腐っているのでは?と半信半疑でしたが、使ってみたところ立派な野菜が穫れたのでちゃんと熟成していての匂いだったようです。でもあまりに臭かったのでそれに凝りてバケツコンポストの方はやめ、屋外のコンポスト容器での堆肥化に変え匂いの軽減に土を多めに入れて「堆肥と土の間の様な物」を作ってました。栽培に土の質さえ合ってれば効果が緩やかな堆肥使用で肥料の使用は無しでも充分良い野菜が作れます。 納屋内で容器に入れて作っても密閉ができないので(容器に何個所か穴をあけた方が良い)建物の構造によっては周り迄結構匂います。もし屋外で熟成させるなら管理の関係で出来れば頻繁に通う田畑や、ご自宅近くに熟成場所を設けて行うのが望ましいのですが、その場の風下や周り少なくとも1キロメートルは人家の無い場所で。案外動物由来の処理物の匂いはちゃんと匂い対策できていないと作り手本人が思うよりもしっかりと遠くまで届いてしまいます。 天然肥料は原料を乾燥したままでは熟成は出来ません。一度水で鶏糞を適度に湿らせて、熟成に必要な有用微生物が棲みついているタネ(味噌で例えれば麹の様な、微生物の住処とエサを兼ねた大量の微生物が含まれるもの。例えば堆肥やボカシなど)を混ぜねば良質な肥料に熟成できません。熟成と言うのは原料と適切な量の水分と有用微生物の種類やその多さの組み合わせで出来るもので、有用微生物の好む湿り具合と原料が有用微生物のエサになりうるかが大事なのですが、有用微生物がエサとして好む植物繊維が、鶏糞の場合あまり多くは含まれていないので、天然肥料や堆肥作りなどの経験が浅い方だと鶏糞が原料では難易度が結構高めで失敗し易く質が悪い物が出来がち・・・。堆肥として稲わらを細かくしたものと混ぜて熟成させれば、エサが多い分品質が良い物が出来ますがこの場合だと鶏糞よりも稲わらの方の量が圧倒的に多くなるので肥料として撒くには向いておらず、春の田圃の土起こしの時などに漉き込むのに向きます。 また、熟成済みのまだ結構湿っている物を乾燥させる作業もかなり手間がかかり、やはり完全に乾燥させるまでは匂いますし、すぐに乾くわけでは無いので広げて干してからその時の天候などでは完全に乾くまでの数日間一度も濡らさないような管理が必要。できればたくさん含まれる微生物は生きたままで残したいので(自然乾燥させると休眠状態に入り、田畑に撒いた後水を得ると目覚め活動し殖え、植物の根が養分を吸収する為に働く)早く乾かそうと人工的な乾燥をすると微生物の死滅に繋がるので出来るだけ避けた方が良いです。動噴を使うなら出来るだけ塊が無い方が良いでしょうから、乾燥して固めの塊になっている物を適度な細かさに砕く手間もかかります。 これらの手間の多さと匂い対策や完成への難易度が高めな事から(質の悪い物を使用するとかえって悪影響の方が優位になり病害虫被害につながり易くなる)お米の様な失敗は出来るだけ避けたい作物に今回の様な初めての使用で使う面積も少ない場合に鶏糞肥料を自作するのはできれば避けた方が良いと感じます・・・。他の、土で栽培する野菜なら肥料由来の悪影響は土を足したり変えたり効果を替える目的で他の物を与えたりなど、どうにかリカバリーが出来やすいのと違い、田圃の場合はそのような対処が出来にくい(水が多すぎるので、リカバリーには水の存在が邪魔)のです。 まずは市販品を使ってみて本当に熟成されている鶏糞肥料を使って上手にお米が栽培が出来るかを確かめてから、熟成鶏糞肥料の自作を目指してみては・・・。その方が次の栽培期間まで充分に学べる期間が取れますし、その分成功率も上がってくれると思います。 ホームセンターなどだと前年の売れ残りなど質の落ちた物が売られています。熟成天然肥料は品質の良さが大切なので、出来れば農家が大量に買っていき商品の回転が速い農資材屋など、肥料に知識のある人が必ず居る店で(農家が相手の商売なので肥料知識も豊富で大抵の事は知っている)熟成鶏糞を買い、尿酸がしっかり分解されているのか、補肥目的の場合どの程度の量を使えば良いかなどをご確認の上購入なさると間違いありません。
お礼
ご丁寧なる回答を頂きありがとうございます。ゆっくり読ませていただき勉強させて頂きます。まずはお礼までを。
補足
丁寧なご説明をありがとうございます。私が考えていましたのは市販の「発酵鶏糞」が安く売っているので使いたいのです。いくら発酵とは言っても完全に発酵していないと稲に当たるかなと思ったので完全に発酵する方法をお尋ねした次第です。 でも、穂肥の時期ならば丈も大きくなっているし、水を貼っているので直接根っこには行かないのでそのまま振ってもいいかなと今は思っています。いかがでしょうか?