現在を基準として前後2000年くらいなら、基本的な天文学の知識で何とかできそうです。
添付した写真は22年前の1999年に北極星付近を200ミリの望遠レンズ付きのフィルムの1眼レフで撮影したものですが、北極星の位置とは少しずれている天の北極の位置は地球の歳差運動によって毎年わずかですが移動します。(2000年から2150年までの移動だけ記入していますが、当然これ以前も以後も移動しています)
そこで天の北極の位置を厳密に観測できれば、逆に現在の年がわかることになります。長焦点の望遠レンズ付きのカメラで固定撮影をする簡便法(恒星の日周運動の中心が天の北極)でも±数年の精度でわかるのではないかと思います。
なお下の写真では右側に暗い小彗星「LINEAR彗星(1998M5)がたまたま写りこんでいます(というより北極星との2ショットをとる目的で撮影しました)が、このように「軌道が判明している天体」が写りこめば、北極の位置と合わせて、年だけでなく月日までわかる可能性があります。余談ですが15年ほど昔の某カメラ雑誌に、ギリシャの遺跡を背景にした美しい星空の写真が掲載されていました。細かな撮影月日は書かれていませんでしたが、たまたま地球に接近して明るくなっていたある周期彗星の少し離れた2つの核が写りこんでいましたので、天体写真(彗星)好きの読者には撮影年月日が分かったはずです。
なお現代から大きく離れると歳差運動によって、見える限界の星座が変わってくるため、星座の知識があり、観測地の緯度が分かれば(これは天の北極(または南極)の観測から可能)この点からも大まかな時代がわかります。例えば東京くらいの緯度でも約1500年以上昔には春の南空低くに南十字星(みなみじゅうじ座)が見えていた計算になりますので、遠く離れた過去に来てしまったことがわかるでしょう。
年単位で決定するには精密な観測が必要な歳差運動を利用する方法以外では、明るい惑星の位置を活用することもできます。この方法なら、ある程度の星座の知識と暦(または暦計算ができるソフト)さえあれば、肉眼で大丈夫です。
例えば今から100年後の22世紀の天文ファンが現在(2021年10月16日)にタイムスリップしたと仮定します。夜な夜な空を眺めれば、五大惑星の位置(水星は見づらいかもしれませんが)がわかります。そこで彼は持っているスマートフォンが進化したコンピューターを駆使し、五大惑星がこの位置で見えるのは前後2000年の間では2021年の10月頃だろうと判断できる可能性があります。
なおこれらは、タイムスリップした先の人間の助けを借りない方法です。行った先で人の力を借りられれば、暦が普及している時代なら、現地の暦で何年かということはすぐ教えてもらえるでしょう。むしろ地方の独自の暦と西暦との換算の方が面倒になりそうです。「○○王の治世◇◇年」と言われても…。
お礼
staratrasさんありがとうございます。この場を借りて他の回答者の方もありがとうございました。 宇宙誕生からは宇宙マイクロ波背景放射観測で、太陽系誕生からは放射年代測定で、数万年前後は自転軸歳差からくる恒星位置測定で、あるいは銀河系の恒星軌道運動観測でと色々ありそうなことがみなさんのおかげで分かりました。