経団連が、従来就活ルールというのを作っていたのは、青田買いを抑止するためです。
青田というのはまだ房もつけていない苗を植えてすぐの状態のことで、稲なんて実ってないときにここを、と田んぼを買ってしまうことが青田買いなんですね。
その理由は、実りだしたら複数の会社で奪い合いになるから、その前に権利だけとっておきたいということです。つまりその人材の能力とかを見るわけでないということです。
ただし、うまく育てばうまいものに育つ期待があるものです。そのため、受験時にむつかしかった大学だといいものに成長する期待が大きいですから、そういう大学に目をつけるんです。
それを野放しにすると、学生が本来しなければならない勉強を放り出して就職だけ目に入ることになり、人材の質がどんどん悪くなる、それはよくない、というのが経団連の従来の考えかたで、すくなくとも花が咲く前に手を出すのをやめようや、と業界団体としてルールを作ったわけです。
それを廃止しようと言っているのは、経団連に加入していない企業はそれに従わないからで、特に外資が従わず平気でわしわし人材を食いつぶそうとするから、それに対抗しなければならないという発想からです。
もしこのまま経団連がルールを撤廃したら、青田買いだらけになります。大学に入学した当初から就職先を選びまくり、説明会なんかをはしごして授業に出ない学生が増えるでしょう。当然何も勉強せず、卒業さえできればいいので最低単位だけとにかく確保するということになります。青田で買うんですから成績証明書なんて要りませんから。
さすがにそれはいけないと経団連自体も言ってます。政府が統括的にやってほしい、つまり法律で規制し、外資であろうと従わざるを得ないという状況にしてほしいのです。
ときに何かの誤解だと思うんですが、東大法学部? なんのためにそんなものを率先して雇う必要があるんですか。企業であったら一橋大学だとか中央大学早稲田大学の類に青田買いをかけたほうが有用だとおもいますが。
特に私立系は、青田状態であるていどの社会慣れをしている可能性が高く、人材を見極めるのが易しい。
とはいえ、特定大学にこだわるところもあるかもしれませんが、それはそこの社長がそこの出身で、先輩だOBだということで支配できるからです。東大法学部出身で社長やっている人間はそれほどいませんし、たいしたカリスマではないです。
官僚はわかりません。こちらは学閥があるでしょうし、あいつは何年卒だとか何期だなんていう会話を平気でしますから、そういう会話をするなら限られた大学出身者じゃないと文化が統一しません。