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基板表面からの放熱 熱伝達率について
- 表面実装部品の放熱設計をしています.SMDタイプのパワー半導体からの熱を基板(FR4)への放熱のみで対応できるか検討中ですが,基板表面-外気間の熱抵抗の求め方が分からず,苦戦しております.
- 個体(FR4)-流体(空気)間の熱伝導率は,面積と熱伝達率から求められますが,熱伝達率が分からない状況です.自然空冷を想定しています.
- 質問者はSMDタイプのパワー半導体の熱を基板(FR4)への放熱のみで対応する方法について検討していますが,基板表面-外気間の熱抵抗の求め方が分からず困っています.自然空冷を想定しているため,個体(FR4)-流体(空気)間の熱伝導率が必要ですが情報が得られていません.
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質問者が選んだベストアンサー
熱の伝達は、(1)伝導、(2)放射、(3)対流に大別できますが、 熱伝達率は、主に(2)と(3)とに関連する指標であって、 常温付近で、対象物の放射率が1に近い物体では、 放射による熱伝達率が、7W/m^2K程度 対流による熱伝達率が、7W/m^2K程度であって 合計で10~14W/m^2K程度と仮定すれば、大きな間違いはないと思います。 放熱系の具体的な仕様を示して頂ければ、具体例として計算例をご回答することができると思います。
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- ohkawa3
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回答(1) 再々出 1インチ角の基板には、LED実装面と、非実装面(裏面)の合計2面の放熱面があります。 熱抵抗の計算結果が155 K/Wなのは、放熱に寄与するのが片面だけの場合です。 両面が空間に対して開放されていて、両面が放熱に寄与できれば、熱等価回路は、下図のように表すことができて、LEDのジャンクションからみた放熱系全体の熱抵抗は、79 K/W程度の計算結果になります。 熱伝達率を14 W/m^2Kと見積もれば、放熱系全体の熱抵抗は、56.5 K/W程度です。
お礼
部品面からの放熱を考えていませんでした.TO220のチャネル-外気間Rthが63K/W程度ですから,1インチ角の両面からの放熱と同程度になりますね.この数字なら納得です. 本当に助かりました.感謝申し上げます.
- ohkawa3
- ベストアンサー率59% (1509/2540)
回答(1)再出 基板の色は、放射による熱伝達率にほとんど影響を与えません。 その理由は、熱伝達を担う遠赤外放射の波長は10μm付近であって、人間が色を感じる可視放射(0.4~0.7μm)と波長域が異なり、熱伝達率に対して、見かけの色はほんのわずかしか影響を与えないからです。 樹脂でも、セラミックでも、一般的な絶縁材料の遠赤外領域の放射率は1に近い値です。これに対して、金属面は放射率が低いので、基盤面に金属(パターン)の占める割合が多い場合は考慮した方がいいかもしれません。とはいうものの、金属面(パターン)に樹脂(レジスト)が塗布してある場合は、放射率は樹脂が支配的なので、あまり心配する必要はありません。 参考URLに放射率の例を貼っておきます。
補足
放射率の違いについては,よく理解できました.ありがとうございます. 前回答にて示していただいた熱伝達率から1インチ角のFR4の基板表面-外気間熱抵抗を求めてみたところ,熱伝達率10W/m^2・kで熱抵抗が155℃/Wになりました.この数字は熱抵抗としてはかなり大きいでずが,妥当なのでしょうか? この熱抵抗だと,1W損失を出すだけで155℃+外気温以上になってしまうことになります.
FR4でも、皆同じではなく、各メーカーや種類によって、熱伝導率は変わります。 同じメーカーのFR4でも、放熱を考えたモデルと、通常モデルでは結構変わります。 なので、そう言うのを考慮して、基盤の型番を指定して作るのが普通です。 SMD片面なら、わざと両面基盤を使用して片側はベタのままにして銅箔を残し、その銅箔で熱伝導を良くしたり、裏側に、放熱用の柔らかいゴムのようなものを使用して、筐体などに放熱したりすることもあります。 熱を拡散して逃がせるのであれば、それ以上はアルミ基盤を使ったりと言う方法になっていきますね。
お礼
筐体放熱は考えていませんでした,ありがとうございます. 筐体との間に挟むシートは分厚いと熱抵抗が大きくなりそうなので, 基板-シート-アルミ-シート-筐体 のようにするとより放熱効果が高まりそうですね.
補足
回答ありがとうございます。 放射と対流の影響度が同じくらいだとすると、基板のレジスト色によって放射による熱伝達率が大きく変動しそうですが、その点はいかがでしょうか。 半導体パッケージはLFPAK、損失は1W、最大温度150℃、雰囲気温度25℃、放熱に関与する基板面積は1インチ角、 チャネル-ケース間熱抵抗Rth(ch-c)は0.55℃/W、FR4の熱抵抗Rth(表-裏)はサーマルビアも考慮して、約4℃/Wです。 残りは基板裏-外気間熱抵抗Rth(裏-a)が分かれば計算できる状況です。