アスベストというのはどういう性質のものかというと、「燃えない繊維」というものです。昔理科実験で「石綿金網」なんていうのがあってそれにビーカーを乗っけてアルコールランプで熱するなんていうのがありましたが、要するにどんなに炎を当てても自分が燃え上がることがないというものです。石綿なんていう以上、一種の細かい繊維が互いにまとわりついてカタマリになる性質がありました。
これが健康被害の話題になった理由は、この細かい繊維を切ったり砕いたりしたもっと細かい、目に見えない糸くずみたいなものが空気中に散逸したとき、その空気を吸うと、肺のなかでその繊維が刺さり、胚細胞を破壊することで生命に危険を及ぼすということです。当然そういう問題が起こると体は抵抗をしますが一部細胞が癌化して周辺に迷惑をかけるんです。
いつそういうことが起きるかと言うと、ビルの解体工事をしたとき、防炎のために壁とか天井に埋め込んであった石綿が細かくくずれ小さいものに裁断されてしまうということです。
もちろんアスベスト自体を作っている工場は常時そういうことがありえて、吸う空気中に大量の小さな石繊維が入っていたわけなので、工場従業員がたくさん発病したのです。
つまり、アスベストは、破砕しなければ健康被害は起きません。そのまま破棄をすればなんら事故にはなりません。したがって、絨毯が怪しいとおもうならそれをそのまま燃えないゴミで捨てればいいんです。(ただし普通絨毯に石綿を使うことはありえないと思いますが。絨毯自体が植物繊維で編み上げるものですから、そこに石繊維を入れる理由がないからです)
持って帰りたい荷物、の中に建材が無ければ疑うべきことはそれほどありません。
最後にいやらしいことを一つ言いますが、石綿でないアスベス擬似物という話題が、ある分野で存在します。これは製造する方法がすでに確立しているんですが、「アスベストをつくっているんじゃないか」という茶々が入るものです。要するに細かな繊維なんですが、これは水にも溶けず薬品でも分解しません。正体は単なる炭素なんですけど、一種の繊維状にしたことで、トランジスタの役割も果たせるし発光体としての役割も期待できLED役を果たせるかもしれないというものです。ご存知かもしれないけどナノチューブといいます。
ただし、これは、研究中に学会から「アスベストじゃないか」という突っ込みをずっと受けてきているものなので、健康被害を及ぼさないようないろいろな対策をたてて開発されていることだけはご報告しますので、全面的とは言いませんが相当安全に作られているということだけは申しておきます。
お礼
お礼が遅くなり申し訳ありません。 ありがとうございました。 安心しました。