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インダクタの定格電流(三角波)とは?
- インダクタには底辺が0A 頂点が4A の三角波をスイッチング周期(50uS at 20KHz)で流すことを考えていますが、インダクタの自己温度上昇と磁気飽和の点から適切な定格電流を選ぶべきか疑問です。
- もし、インダクタの種類や用途が明記されていない場合、商用電源の整流後の平滑用として使用されるインダクタをスイッチング電源の出力平滑用に使用するとどのような問題が生じるのか気になります。
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銅線は、電流が流れることによって発熱しますが、 発熱の量は、電流の平均値に比例するのではなく、実効値に比例します。 三角波の場合、実効値はピーク値の1/√3です。 ピーク値が4Aであれば、実効値は2.3A程度の値です。 2Aの定格のコイルに2.3A流せば、温度上昇が過大になる可能性が あります。 取りいそぎ、実効値という考え方を回答します。 「設計条件」と「部品の仕様」から、使えるか否かの判断をしようとする お問い合わせと受け取りました。 残念ながら、部品屋さんが示す仕様は、代表的な特性を示すだけであって、 限界設計をしたい場合の判断には情報が不足すると思います。 量産品に採用するのであれば、サンプルを入手して、最も厳しい条件で動作 に耐えるか評価の上で採用をきめることが宜しいかと思います。 一品料理であれば、十分なマージンを確保しておくことが、設計検証のコスト を下げることに繋がると思います。 電源装置を設計する上で、最もコストがかかるのは、設計検証のための評価 試験とその結果を承けた仕様変更です。 磁気飽和については、その表現方法の標準化が不十分なので、部品仕様として 表現されていないことが一般的なように思います。 ご期待に反すると思いますが、サンプルを入手して、想定できる範囲で「いじ めて」所要の動作を保つことができるかを確認することが定石です。 使用温度、電圧・電流波形などが判っていれば、その情報を部品メーカーに 提示して、品質保証できるか否かを問い合わせるのも一つの方法です。 つれない回答をしましたが、部品供給側からみた場合、回路設計(セットメ ーカー)から十分な情報提供が得られないこともこの状況を作る原因と思い ます。 定常動作については、部品の仕様と回路の動作条件から、使用の可否を 判断することは大概において可能と思います。しかし、システム設計で最も 重要なのは、電源投入(イレギュラーな断続)や、負荷短絡で保護動作が開 始する状態、或いは電源にサージ電圧が重畳するような場合に、回路が壊れ るか/持ち堪えるかということと思います。 残念ながら、回路設計側が、このような状態において部品にどのような 状態にあって欲しいか(磁気飽和の程度)などを定量的に示すことが困難 なように思います。 要求仕様に対する部品仕様が明確な場合は、仕様の比較で採否の可能性が 判断可能ですが、どちらかが不十分な場合は、書面審査だけで決めることは できないので、実機テストが必要という結論です。 電子部品の単価は、設計コストに比べて安いことが一般的なので、現物で 評価することが一般的に行われているように思います。 産業用の機械設計と同列に考えると、理解しがたいことも多いと思いますが トータルコストでお考えになることをお勧め致します。 >Q2. >インダクタの種類または、用途の記載がない場合。 >「商用電源の整流後の平滑用」(100or120Hz)を >「スイッチング電源の出力平滑用」(20KHz) >に使用した場合どのような弊害があるでしょうか? 一般的な「インダクタ」は、有効なインダクタンスとして動作可能な周波数 帯域は、2桁程度の範囲です。コンデンサは、もう少し広い帯域に亘って キャパシタとして有効に働きます。 商用周波用のインダクタを、20kHzの平滑用に使おうとしても、表記されて いるインダクタンス(H)に期待される動作はしないでしょう。そればかりで なく、高周波成分によって磁心や巻線が発熱して、温度上昇が異常に高く なり寿命が短縮する可能性が大きいと思います。 >インダクタの種類または、用途の記載がない場合 きちんとした部品メーカーであれば、動作周波数に対するインダクタンスと 損失係数のような情報を提供しいる筈です。 このような情報が書いてない場合は、インダクタンスの値、磁心の材質、磁 路の構造、巻線の仕様などを総合して、どの程度の周波数帯に有効なインダ クタであるかを想定します。 このような情報に基づき採用可能性のある部品を絞り込むのが回路設計の仕 事です。 どのような通販サイトから購入することをお考えか判りませんが、 信頼できる情報を提供してくれるメーカーの部品を採用することが第一の 判断基準と思います。
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毎度JOです。 回答#2に一票! 過去に数十kWまでのスイッチング電源を設計した経験から一言 A1)磁気飽和から来る温度上昇が有りますから、ピーク電流で動作出来る物を選択すべきです A2)問題はこちらです >>「商用電源の整流後の平滑用」(100or120Hz)を「スイッチング電源の出力平滑用」(20KHz) 商用周波数用ではコアが鉄芯です、ノイズフィルタ等ではフェライトも有りますが、商用周波数の平滑用であれば鉄芯です 鉄芯であれば500Hz程度までしか使用出来ません、従って鉄芯コアを20kHzで使用すれば磁気飽和により発熱して「おしまい」です 又、フェライトコアを20kHzで使用すると、磁束密度が十分に取れず大きなコアになります 20kHzはこれらのコアにとって中途半端な周波数です、出来ればスイッチング周波数を40kHzや60kHzに上げてフェライトコアを使用する事をお勧めします なぜ20kHzか分かりませんが、最近のスイッチングデバイス「FETやダイオード」は大容量・高速の物が有りますから、設計時にスイッチング速度を上げる事は容易です どうしても20kHzとなると、コア材が特殊になりますが、鉄系の「スーパーE」や「パーマロイ」なら使用出来そうです 但し、フェライトに比べるとコストが上がり、あまりメリットがありません 回路電流が100A超えになると高速で使用出来るデバイスに制限が有り、コアの材質選択には苦労しますが、 4A程度であればスイッチング周波数を上げて、フェライトコアで決まりと言っても過言ではありません
お礼
回答ありがとうございます。 >ピーク電流で動作出来る物を選択すべきです この「ピーク電流」に疑問をもって質問した次第です。 ?パルス的な4Aのピーク電流 ?大きな直流重畳電流に小さな三角波が乗ったときの4Aピーク電流 どちらも4Aのインダクタを選択しなければならないのでしょうか? >なぜ20kHzか分かりませんが、 正確には電源としてのD/Dコンではないのです。
DDコンに使用されるインダクタは、ピーク電流で飽和しないような定格のものを使用する必要があります。 メーカーのカタログでは高周波用では現在は100kHzでの規格が主流です。 飽和電流は使用される機器の環境温度も考慮しなくてはなりません。 一般的には温度上昇と共に、飽和電流値は低下します。 飽和電流もフェライト系では飽和すると急激な低下となります。メタル系コアでは非常にゆっくりと飽和しますので、低格電流の決め方も異なっているようです。 使用されている磁心は周波数の影響はありますが、フェライト系で電源用であれば大概は200kHz程度までは問題なく使用できますが、メタル系では高周波になると磁心の損失が多くなる傾向にあるため、使用される磁心の確認が必要です。
お礼
回答ありがとうございます。 >DDコンに使用されるインダクタは、 >ピーク電流で飽和しないような定格のものを使用する必要があります。 ですから、質問例の場合は 「定格何Aのインダクタを選べばよいですか?」 と質問したのですが・・・。
お礼
回答ありがとうございます。 磁気飽和に関してはどうでしょうか? 回答ありがとうございます。 >実機テストが必要という結論です。 それは承知しておりますが、サンプルを選ぶ一助にと思い質問した 次第です。