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歯車の圧力角14.5°の歴史的背景とは?
- 歯車の圧力角は一般的には20°ですが、なぜ14.5°も存在するのでしょうか?その歴史的背景について調べてみました。
- 歴史的には、14.5°の圧力角が多用されていた時代があったようです。なぜこの角度が選ばれたのでしょうか?
- 14.5°の圧力角の背景には、ある国の規格が関係している可能性があります。その詳細について調査してみました。
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14.5°ですが sin14.5°≒1/4(0.25) であったことから計算が容易に行える 利点があり利用されていたとのことです。 29°台形ねじの方が 半角14.5°を最初に 採用していたかもしれません。
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小生は、回答(2)GREEN氏の説が正解なのもよく解りますが、 回答(3)鶴屋南木さんの説である、圧力角が小さい方が歯面の滑りが少なく、伝達ロスが 小さくできるので、小さな圧力角で発展したものと思います が、同年代でもあり同感です。 (加えて、歯数が多くなり滑らかな伝達になる要素を持っている。) ですが、その要素は他の伝達機構に座を奪われ、ニーズがなくなったので圧力角20°になった と思っています。(小生も、資料が無くなったので、投稿を控えていました) ですから、ヘリカルギヤには、まだそのアドバンテージが残っているので圧力角14.5°が 残っていると考えます。 ヘリカルギヤの特徴は、同じ大きさの平歯車に比べて強度が大きく、静かに回転/動力を 伝えますとなっているので、圧力角14.5°も未だに使われることがあります。
お礼
ご教授ありがとうございます。 鶴屋南木様や後の先様の仰るとおり、他の圧力角(15°や17.5°など)に対して、14.5°が最も普及していた理由は正にその点だと思います。また、鶴屋南木様の仰る、加工のしやすさも普及した理由の一つであることはとても納得できます。 また、ヘリカルギヤのお話、なるほど、と思いました。今後の仕事において、ヘリカルギヤで圧力角14.5°のギヤに出くわしたら、それなりの用途に使用されるものと思った方がよさそうですね。 ありがとうございました。
回答(2)GREEN氏の説が正解でしょうね。 今、手許に文献が無いのでちと不正確ですが、 最初に歯車の規格を制定したのは英国だったと記憶しています。 (間違いかも知れぬが・・。) 当時、歯の大きさはダイヤメトラルピッチ(DP)で規定し、 圧力角も14.5°だったと思います。 (CP=サーキュラーピッチ も併用したかも?) 歴史的には、圧力角は 15°や17.5°も使われました。 ピン歯車から発展し、手植え(手削りと言うべきか?)の歯車を経て 機械加工される時には、削り易い、やや立ち気味の歯の方が 都合が良かったと思われます。 加えて、圧力角が小さい方が歯面の滑りが少なく、 伝達ロスが小さくできるので、小さな圧力角で発展したものと思います。 しかし、後に、強度面で有利な、現在の20°に収束したものと考えます。 昔、ウン十年も前に、月刊誌「機械設計」で読んだ様な記憶。 (広告ページを切断して製本し、どこかに仕舞い込んである筈。) (直ぐに探せない時点で、無いに等しい!)
お礼
ご教授ありがとうございます。 GREEN様の回答から、他の圧力角も三角関数で確認してみたところ 17.5°が sin17.5°≒0.3 であり、同じ理由から使用されていたように推測できます。 現代に近づくにつれ、計算は機械がやってくれるので、強度面で有利で、かつ、圧力角そのものとしては、きりのいい数字の20°になったと予想できました。妄想ですが、その昔、日本に来航した黒船には圧力角14.5°のインボリュート歯車が使われていたのかもしれませんね。 ありがとうございました。
歴史的経緯についての記事ではありませんが、下記の説明の中に 「かみ合う歯車の歯の接触部において、二つの歯が押し合う力の方向を表す ものが圧力角である。JISではこの角度は20度であるが、従来は14.5度のもの も使われていた。圧力角を20度とすると、歯元が厚くなって強くなる利点が ある。」とあります。 歯元強度を向上する狙いがあったと推察します。また転位においても、工具 の移動量を抑えられる要素もあるようです。 URLの記載を追加します。 http://www2.denshi.numazu-ct.ac.jp/mirsdoc2/mirs0204/tech/num0007a/gia.html スプラインや一部特殊歯車を除き、基準圧力角は20°に統一されています。 旧規格の影響で14.5°もしくは強度を上げるために20°より大きな圧力角 を採用したものをたまに見受けます。 加工工具を考えれば、一定に統一するのが合理的です。JISのB系列の歯車関 連規格にこうした歴史的なな記述がないか調べてみましたが、見つかりませ んでした。20°歯車を当然のように使っていますが、この値に行き着いた理 由は知りたいものですね。以下の内容から、多くの研究データに基づいて到 達したものと推し量る程度です。 東工大クロニクル(転位歯車研究の記述をご覧下さい) http://www.titech.ac.jp/about/introduction/pdf_chronicle/348-j.pdf 歯車の基礎(圧力角の記事をご覧下さい) http://www.iwakimu.ac.jp/~sandelab/cg/saga-p.pdf
お礼
ご教授ありがとうございます。 仰るとおり、20°の方が強度的に有利であり一般的ですよね。 とすると、なおさら、未だに14.5°を使用する会社が存在するのは、 技術的理由以外に歴史的経緯なり背景などのしばりのようなものがあるのではないか、 14.5°が普及していたそもそもの理由が知りたくなった次第です。 ありがとうございました。 研究資料のご紹介ありがとうございます。特に東工大クロニクルの転位歯車研究の項は興味深い内容でした。18世紀中頃(日本は江戸時代!)にスイスで既にインボリュート歯車の研究が始まっていたこと、初めて知りました。ありがとうございました。
お礼
ご教授ありがとうございます。なるほど!目から鱗でした。 14.5°という角度の数字だけに目が行っていると、何故半端な角度?と頭を捻ってしまいますが、 三角関数にすれば、なるほど、です。 計算のしやすさ、これは大きな利点ですね。 関数電卓やPCが出現するずっと以前からインボリュート歯車は使われてきたようですから、 計算が容易であることは普及の理由として十分な説得力があります。 ご教授たいへんありがとうございました。