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鉄線材の残留内部応力を熱処理で除去する方法
- 鉄線材の残留内部応力を熱処理で除去する方法を探しています。
- 使用材料はSAE1018のφ3.6の線材で、熱処理条件は460℃で20秒保持し、その後空冷20秒後に水冷します。
- 真っ直ぐな線材がスポット溶接するとよじれてしまうため、緩和するための適切な温度を教えてほしいです。
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温度460℃は良いでしょう。保持時間20sが全くいけません。線材の内部ははるかに低温です。さらに雰囲気を高温にしても内部は熱くなりません。 プロセスをいじるのが嫌ならば「通電加熱」をご検討ください。これならば直ちに材料内部まで昇温します。電極が問題かも。あるいは「塩浴」がいいでしょう。 実験で良い条件を探す方法の一つ:試料線材を何かの冶具でたわませます。これを所定の温度・時間加熱した後で冶具から解放します。線材の形状が「バックラッシュなしで保持されている」ならば残留応力ゼロと判断されます。 対策として通電加熱、塩浴のほかに「バーナー加熱」も安価でいいかもしれません。
仰せの条件は熱処理というよりも、溶融亜鉛めっきの条件と言うべきではないですか? これ、A3変態点以上、普通の焼入焼戻しするような温度まで上げるのは無理なのでは? 亜鉛の沸点は907℃なので浸食が激しいと思われる。 SAE を JIS に置換え、近い規格を探ると JIS G3505 軟鋼線材(SWRM17) → JIS G3547 亜鉛めっき鉄線 SWMGS SWMGH 線材に冷間加工を行った後、溶融亜鉛めっき又は電気亜鉛めっき → (H) 〃 〃 および焼なましを行った後、 〃 〃 → (S) なので、焼きなましと溶融亜鉛めっきは別工程に書かれている。それを一挙にやればコスト減が期待出来そうではあり、業界で常識化してるかどうか・・専門外なので不明。 スポット溶接は線材の横を付ける? なら、それによる歪が出そうに思うが? 焼きなましについて、権威本『鋼の熱処理』P47~ …相の変態に関係あるのは完全焼きなましと軟化焼きなまし。拡散焼きなまし、応力除去焼きなまし、再結晶焼きなましは無関係… つまり、焼入れ、焼戻しで組織がどう変わるかとか硬さがどうなるかとかの曲線では表せない。まだ直感的な融点に対し何割とかの方が近い。 温度-時間との関係についてのデータとして 750℃ → 4min 650℃ → 800min 550℃ → 10000min 材質は鋳鋼、応力が完全(?)に抜けるまでとしているから、即準用できるとは限らないが、温度でメッサ変わるし即効処理は無理ということが判るかと思います。 鋼なので焼入れ云々とゴッチャにしがちだが、残留応力を抜くという焼きなましはそれとは無関係と言うことです。 A3変態点の上下も気にする必要はないが、この近くの温度で焼きなますことは多い。焼きが入っていればついでに軟化される、余りに急冷すればついでに焼入れしてしまう、不均一にやれば新たに残留応力を発生してしまう・・・ 組織の話も考えなくてよいということです。残留応力が焼入れでの変化に由来していることもあるが、関係ない機械的変形が原因となることもあります。 冷間加工(伸線)で真直にして、次に充分な焼なましをしているなら、それ以前の残留応力は抜けていると考えられるが、不完全な温度、時間なら残ってます。
使用材料:ANSI-SAE1018でしょうか?JIS S17C相当くらいですか。 一般には転位が拡散するにはある程度保持時間が必要です。秒単位での処理 と言うのは厳しいかもしれません。 CCT(連続冷却)カーブのノーズ部を通るような冷却曲線を描くように冷却速度 を調整するのが理想です。下記のS45Cの例からは処理できる可能性もある ように思います。 熱処理温度を~850℃位まで上げてその効果を確認してみてください。
お礼
SAE1018はMnが多い以外は17C相当と考えています。 だんだん回答いただいているレベルが上がってきて理解できなくなりつつありますが。CCTでオーステナイトが析出するような急冷は応力が残り、フェライト、パーライトをとおるようにすれば応力が減らせる可能性があると考えればよいということですね。ありがとうございます。
お問い合わせは、「応力除去焼なまし」に相当すると思います。 一般的な条件は、以下のように書いてあります。 >加熱温度は鋼の再結晶温度(約450℃)以上、A1変態点以下の温度 >です。通常は550~650℃が多く用いられています。冷却は徐冷 >(炉冷)が良いが、450℃以下は空冷でも効果的です。 2番目の参考URLによれば、保持時間は30mmあたり1hということですから、 φ3.6では、6分(360S)程度は温度を保持する必要があるようにも思います。 保持時間とともに心配なのが冷却速度です。焼なましはゆっくり冷却するの が原則。 >臨界区域(約550℃)位まで炉冷したら、炉から取り出し後が空冷で良 >いのです。ただし、残留応力を嫌う場合は、400℃位まで徐冷すると良 >い。 空冷20Sという条件がとても短いという印象を受けます。炉冷で400℃近傍 まで時間をかけて冷却できればいいと思いますが、そんな時間をかけること 難しそうですね。 一般論の範囲を超えて、線材に対する高速熱処理の特別な条件が必要な状況 に思えます。専門家から適切な回答がつくことを期待します。
- 参考URL:
- http://homepage3.nifty.com/nekkenkougyou/NetuY.HTML http://www.tobu.or.jp/yasashii/book/gj08.htm
お礼
回答ありがとうございます。連続炉で、亜鉛メッキ、コイル巻き取りまでつながっており、徐冷時間が固定されてしまっている事情があります。徐冷時間を確保するために、保温材でなんとかできないか相談してみます。空冷20Sなどという保持時間が短い場合の鋼材の影響が書かれている文献は、みつけられませんでした。
技術の森にも過去の質問例があります 融点(絶対温度の60%)と有りますが諸説あるようです50%との 文献も拝見しました 鉄の融点を1500℃(仮定)とすると 1773K の 50%は 886.5K=613.5℃ (60%だと790℃位) ですから、あながち実施された処理は正しい判断をされています >熱処理条件:460℃で20S保持、そのあと空冷20S後、水冷。 ↑ ”S”の単位は秒ですか それから、スポット溶接は部材に熱・電磁力・力の要素が加えられるので 材料には更なるストレスが発生しています 適切な溶接冶具かどうかの見極めもお願いします 連続処理に於ける冷却時間の制限が有るのですね 高周波焼き入れの時の経験ですがSAE1541調質後表面焼き入れ HRC50~55180℃1.5h~2h焼鈍炉冷です この処理はちなみに低温焼き鈍しと言うそうです 冶金専門家に言わせると結晶粒度が変わるよと聞きました ゆっくり冷すほど結晶が大きく育つそうです、結晶粒度と結晶粒界に 残存するオーステナイトが組織の性質を決めるそうです 残留オーステナイトは良くないそうです、冶金屋さんが近くに 居られれば、もっと良いアドバイスが得られると思います お力に成れず残念です
お礼
冷却時間が取れればよいのですが、試作はともかく量産段階では対応してもらえそうにありません。790℃は目安になりました。ありがとうございます。
補足
単位は秒です。バッチ炉ではなく連続炉で亜鉛メッキ、コイルの巻取りまでつながっているため保持時間が固定され対応してもらえません。スポットの治具に関しては、全く同じ溶接方法でも、他のメーカー線材ではよじれがでないものもあります。790℃でよじれの改善の可能性はあるでしょうか。冷却時間が短いために、脆化や、引張強度、伸び値はどのように変わる可能性があると推測されますか。トライしたくても、浅学の為説得できません。お知恵をお貸しください。
補足
冷間加工→熱処理→メッキ工程の順で流れていきます。メッキは500℃以下の処理なので、鋼材に与える影響はないと考えてください。全く同じ溶接条件、治具でよじれの出方に大小あるのをなんとか小さい方向でコントロールできないかと考えています。 鋼材にとって、A3変態点(800℃チョイ下?)はどんな温度なんでしょうか。回答(4)の最後のデータ(応力除去処理時間でしょうか)をみると加速度的に処理時間が短くなっていますが、組織そのものが別になる温度と考えればよいのでしょうか。教えてください。