VTRのテープには強磁性体の微粉末が塗布してあります。強磁性体というのは、磁石(A)に近づけたとき、自分も強い磁石(B)になります。このとき、磁石(A)を取り去っても通常Bは弱い磁石として磁性が残ります(残留磁気)。この性質を磁気ヒステリシス現象(磁気履歴)といい、残った磁石の強さを保磁力といいます。
VTRだけでなく、カセット、DAT、HDD,FD・・・等の磁気記録の原理は、高保磁力の磁性体の残留磁気なのです。。
この記録方式の場合、ディジタル記録は問題が少ないのですが、アナログ記録の場合
(1)与えた磁界と残留磁気が比例しない非線形性
(2)交流を記録すると周波数によって記録される強さが違う周波数特性
(3)磁気記録特有の「シャー」というノイズ(ヒス・ノイズ)
等の問題があります。
上記の3問題に対して、交流バイアス、プリエンファシス、ドルビーなどの対策があります。
VTRの場合は映像記録なので記録情報量の膨大さと再生品質が問題です。記録情報量の対策として、すでに他の方が解説されているヘリカルスキャン方式が考案され、一方、再生画像品質対策としては記録する信号を周波数変調(FM)する事で、(1)、(3)の問題を解決しています。
VTRではありませんが、高密度記録方式としては垂直磁気記録というのが、最新技術です。
下記URLから、磁気記録の各種ページへリンクできます。
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