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硫酸銅めっきに塩素を添加する理由と効果は?
- 硫酸銅めっきに塩素を添加することで、光沢とレベリング効果を高めることができます。
- 塩素の添加により、めっき面に均一な光沢が生まれ、凹凸や凸部分の差が軽減されます。
- ただし、塩素の量が適切でない場合は、光沢やレベリング効果が得られないだけでなく、めっきの品質にも影響が出る可能性があります。
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(1)の方がかなりきちんと説明されているので補足だけ.. めっき液中の塩素量は、かなり微量なところでコントロールされています。 ということで、使用する水の水質にも気を遣った方がよいかと.. イオン交換や純水を使用しているなら問題はないと思われます。また、塩素を補給する方法も同様です。専用の薬品、塩酸、etc..
通常、塩素や添加剤を入れないと電気が流れやすい高電流部分(陽極に近い箇所や、陰極の端、とがったものの先端など)にめっきが集中します。めっき面の微小な凸凹の凸の部分にめっきが集中し、めっき面がより凸凹になります。一般的に言うヤケの状態になります。 通常硫酸銅めっきでは50ppm程度の塩素を添加します。20ppmあたりから下になると、上のような理由から、ヤケが出やすくなります。 逆に80ppmあたりを超えるとレベリング作用が効きすぎて低電流部分(小穴の中など)でクモリが生じます。また、銅ボール陽極の場合には銅ボール上のブラックフィルムが電気を通しにくい白っぽい皮膜になり、電圧が上がり、最後にはドロップアウトします。 さらに塩素は添加剤の作用にも大きな影響を与えます。低濃度の場合、レベラー、キャリアーの効果を低下させます。高濃度の場合にはアディティブの効果を低下させ、CVS測定値も低下させます。 塩素濃度は分析が難しいですが、分光高度計があれば大体の数値がつかめます。添加剤メーカーに聞けば分析方法がわかると思います。分析しなくてもどれくらい補給すれば良いか相談してみたらよいでしょう。 塩素の抑制効果のメカニズムはよく知りませんが、イメージ的には吸着というイメージで良いと思います。低電流部のクモリはおっしゃられている通りです。ハルセルでも確認できると思います。通常条件とは別に低電流(0.2A・30分とか)でやられたら良いでしょう。 ブラックフィルムは銅イオン(1価、2価混合)、リンイオン、塩素イオンの混合物です。銅ボールがめっき液に溶け出す一歩手前といった状態です。添加剤もブラックフィルムに混在しています。ブラックフィルムについての実験資料があると思うので添加剤メーカーに聞いてみてください。
お礼
ご回答大変ありがとうございます。勉強になります。 塩素が高電流部に吸着して高電流部の析出を抑制する効果があるという理解でよろしいでしょうか。低電流部のクモリとは抑制効果が強すぎてムラ状態を意味するのでしょうか? 自分でも実験してみます。 ついでにになってしまいますが、ブラックフィルムってどのような物質なのでしょうか。(化学式、導電性、非導電性) 補足説明ありがとうございます。勉強になりました。