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S45C軸への焼きばめについて
- S45C調質の動力伝達軸がスプロケットの焼きばめ段付部で切損しました。
- 安全率は1.8だったのでOKと判断したものの、S45C調質材に焼きばめは避けた方が良いのでしょうか?
- 設計条件はスプロケットの穴と軸の寸法、伝達トルク、曲げモーメントなどが含まれています。
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S45Cの線膨張係数を12x10^-6/℃と仮定するとmaxシメ代0.141mmにするには 60x12x10^-6xt(℃)=0.141から195+20≒220℃の程度の温度差が必要になる 一般に低温焼きなましで150~200℃で一時間保持だと焼きが戻るようですし 低温焼戻ぜい性=300~400℃という温度帯もあるようなので、温度の管理は 温度チョークとかでは難しい。冷やし嵌めという手もあるが・・(液体窒素) しかし、そもそも軸の伝達トルク:189Nmに対し妥当なシメ代だったのか? また焼きばめでは無く何故、キーによる締結あるいは、パワーロックなど の締結では行けないのか?焼きばめはコストが掛かるし温度の管理が難しい 最後に、焼きばめはどような手法、温度でやったのか把握されていますか? また今回の破損は、疲労での破壊か(破断面を見る)?脆性破壊なのか?
計算で確認をしてみます。 先ず、 S45C調質材;HB201~269、引張強さ;70.4kg/mm2(690N/mm2)以上 降伏点/耐力;50kg/mm2(490N/mm2)以上となる 次に、 軸の伝達トルク:189N・mと曲げモーメント:596N・mの組合せ応力は、 組合せ(相当)曲げモーメントが、1/2(596N・m+√189N・m×189N・m+596N・m×596N・m 610N・m = 62.2kg・mとなり、 曲げ応力は、62.2kg・m×1000mm/m÷(π×60mm×60mm×60mm÷32)= 2.93kg/mm2 です。 組合せ(相当)ねじりモーメントが、√189N・m×189N・m+596N・m×596N・m 625N・m = 63.8kg・mとなり、 ねじり応力は、63.8kg・m×1000mm/m÷(π×60mm×60mm×60mm÷16)= 1.5kg/mm2 です。 最後に、 形状係数は、(φ68mm÷φ60mm)が1.13であるが、(R2mm÷φ60mm)0.033なので、 2.5とします。 すると、 最大曲げ応力は、2.93kg/mm2×2.5 = 7.3kg/mm2 ・・・・ 安全率;6.8(繰返し荷重相当) 最大ねじり応力は、1.5kg/mm2×2.5 = 3.75kg/mm2 ・・・ 安全率;5.3(繰返し荷重相当) <曲げ応力×0.4 = ねじり応力として、> となり、破断する事はない範囲です。(R2mmを、R12mmすれば確実に安全です) スプロケットの焼きばめ時に、S45C調質シャフトが焼きなまし(焼鈍)状態に近くなり、 HB137~170、引張強さ;47kg/mm2(460N/mm2)程度 降伏点/耐力;27.5kg/mm2(270N/mm2)程度となる <参考に、S-N曲線図では、280MPa(2×10の6乗回)でフラットですが…> http://fatigue.jsms.jp/book/pdf1.pdf 掲載データでの数値。 安全率から判断すると、S45C調質シャフトが焼きなまし(焼鈍化)状態に近くなると、 安全率が、前述の約半分になり、破損してしまいます。 【結論】 破損部の硬度を測り、焼きなまし(焼鈍化)状態に近かければ、 『スプロケットの焼きばめ』は、中止すべきです。
形状係数に関しての資料が、 http://www.ai-link.jp/free/learning/kouza/04/answer/answer-p5.htm#top にありました。
疲労強度計算のプロセスをもっと詳しく教えて下さい。 ☆ 先ず、段付シャフト使用なら、応力集中を考慮する必要があります。 段付きシャフト用の形状係数図から、形状係数を導き出し、考慮に入れる。 2倍以上になるケースもあり、『疲労強度計算の結果、安全率は1.8』ではNGかも? ☆ 次に、段付シャフトに、曲げとねじモーメントが同時にかかるなら、 その組合せ応力を考慮する必要があります。 計算式は、専門書を参照 ☆ 最後に、疲労強度計算の結果で、S45C調質の疲れ限度(疲労限)は、 どんな仕様のS-N曲線図で、導き出したのですか? スプロケットが正転のみなら ⇒ 繰返し荷重 スプロケットが正逆転のみなら ⇒ 交番荷重 での疲れ限度(疲労限)で計算しましたか? 資料がないのなら、 S45C調質の降伏点(耐力)換算での安全率は、5ですか?10ですか? 等です。 内容に因っては、段付きシャフト部の工具R(アール)や表面仕上げで、 改良できるかも? また、スプロケットの焼きばめ時の熱で、シャフトが焼戻しされ、 硬度が落ち、その硬度と比例関係にある、許容応力が落ちて、破断をしたのでは? <硬度計で破損部周辺と、熱影響を受けない部分を測定し、比較したら確認可能> <S45C調質の引張強さから、硬度も導き出されます> 頑張って、調査して下さい!
伝達トルクの変動の見積もりがありませんね。 曲げモーメントも静的荷重だけですか?