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ロール成形におけるテンション(張力)の役割について
塑性加工関連のカテゴリが見つからなかったので大量生産技術に投稿しました。 ロール成形(圧延含む)において成形時に、 材料にテンション(張力)をかけることは一般的に行われていますが、 テンションをかける目的・理由は何なのでしょうか? また、フォワードテンションとバックテンションの効果の違いは? テンションの強さを決定する際は何が基準になるのでしょうか? (まさかゼロから材料がちぎれるくらいまで力を変えて試しているとは思えないので) どなたかご存知の方がいましたら、ご教授願います。
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下記の件 ご質問のとおりです。 >幅方向の動き 真っ直ぐ成形できる、という理解で良いでしょうか? 熱・冷延コイルは、そのまま放置していると、どうしても蛇行します。 そのため、ロール成形機でテンション無く連続加工すると、素材の 蛇行状況に沿って、材料の位置が幅方向に振れるため まっすぐ加工できません。これを防止するためです。 >加工による進行方向の座屈 イメージが湧かないのですが、進行方向にあらわれるうねり・反りのことでしょうか? ロール成形で、平面を立体にしていきますが、幅方向は同時加工しないため どうしても、進行方向に対して均一な歪加工ができず、これによりうねりや 反り、波うちといった変形が生じます。この緩和を目的としています。
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成形するロールを中心にして、前方方向をフォワード 後方をバックテンションと理解しています。 しかし全く逆の事を言う人もいますので、注意が必要です。 成形または圧延するロールを A 、それよりも手前のロール(Aよりも先に成形するためのロール)B とすると、AとBの間にテンションを効かせる事をバックテンションと理解しています。 バックテンションをかける事で、Aロールの負荷を小さくし成形や圧延の能力 を高める作用があります。またAとB間を最小にして、Bで発生した加工熱を利用してAの成形を ”行ない易くする”と言った考え方も有ります。 テンションのかけ方は、現場作業する人が一番良くご存知かと思いますが、 材料や成形程度によって、かなり強烈にかける場合もあれば、軽く触れる程度にかける場合も有ります。 特に測定器で測定しているようには有りません。 私の知る範囲では、学術的にも解明されていない内容のため、個々の考え方も色々あると思います。 実験装置であれば、条件を大きく振ってその傾向を見るのも一手段と思います。 ロール成形は塑性加工であるため、各成形段での塑性変形応力が徐々に加わる為、成形段数が増すと複雑な塑性応力が蓄積した状態になります。 しかし、実際の作業ではこの様な複雑な応力の事など分かりませんので、傾向を見るために、条件を大きく振って確認する事を一般的には行ないます。 例えば、強く圧下してみるor浮かせてみる など よってお金に余裕があれば、しっかりとした装置の方が良いと思います。 又は、部分的にパワーをかけられる構造が良いと思います。
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ご回答ありがとうございました。 加工熱を利用するというアイディアは思い付きませんでした。 加工熱=焼き付きというイメージがあったので・・・。 面白い考え方ですね。 テンションのかけ方については、やはりカン・コツ・経験的な部分が必要ということでしょうか。 今、ロール成形実験用の設備を準備中なのですが、仕様面で事前に必要なテンションを把握しておくことを求められています。 しかし社内では前例の無いタイプのロール成形で、尚且つ自分はロール成形は初めてなものでノウハウ的なものが無いので参っていたのです。 強烈にかける場合も考えたら、テンションを付与する装置(実験開発レベルで)はそれなりにしっかりとしたものを考えるべきでしょうか?(特にフォワードテンション)
後方聴力と前方張力をかけると圧延圧力が低下します 圧延圧力が低下するとロールの太さやハウジングの大きさなどが小さくできますし,ロールのたわみも小さくなるので寸法精度の向上にも寄与することと思います (材料が一軸圧縮だけでなく引っ張りを受けるのでトレスカの降伏条件式等から圧縮応力が低くても大きな塑性変形をすることになります) この辺はカルマンの圧延方程式というので解析されていますがはっきり言って私には解りません (^^) 手元に 養賢堂 新編塑性加工学 大矢根守哉監修 と言う本がありそこに載っています
お礼
なるほど、設備仕様の面でも張力は効果があるのですね。 ということはロール成形ではかなり気を使わなければならない要素なのですね。 大変勉強になりました、ありがとうございます。
進行方向に張力をかけることによって、幅方向の動き(一般にローリングといいますが)を防止する効果や、加工による進行方向の座屈防止効果などがあります。 加工の力のかかり方によって、適正なテンションの加える方向や力は異なります。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >幅方向の動き 真っ直ぐ成形できる、という理解で良いでしょうか? >加工による進行方向の座屈 イメージが湧かないのですが、進行方向にあらわれるうねり・反りのことでしょうか?
お礼
テンションの役目というものについてだいぶ理解できました。 あとは実践して前後テンションのバランスや強さを決めていくのでしょうね。 度々ご回答ありがとうございました。