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wais3の問診結果と将来の進路について
- 大学生の男性がメンタルクリニックに通い始めた理由と、受けたwais検査の結果を紹介します。
- 検査結果からわかる強みや弱み、先生のコメントなどを通じて、将来の進路についての不安と悩みを述べています。
- 自分の仕事に向く能力や就職の可能性について具体的なアドバイスを求めています。
質問者が選んだベストアンサー
心理士です。 WAIS-IIIは、大人用の知能検査で、日本でもっとも良く用いられているものです。 ただし、この結果だけで発達障害の診断はつきませんし、ASD、ADHDなど発達障害の種類によって特有のプロフィールもありませんので、誤解なさらないでください。 検査結果の説明については、本来であれば、検査を実施してくださった心理士の方からお聞きになるがベストです。 数値だけのデータですと、適切な解釈が難しいからです。 ここでは、数値的な結果について一般的な説明を書かせていただきます。 なお、お示しになった数値を確認してみますと、微妙に違っていると思われるところがありますので、再確認をお勧めします。 1.知的な水準 全検査IQの結果は、誤差を考慮しても「平均の下~平均」の高さです。 言語性IQは同様に、「平均」、また、動作性IQは「平均のした~平均」となります。 これらから、知能が低いということは考えられません。 ちなみに、言語性IQと、動作性IQは、最近の研究で理論的、実証的な根拠が弱いので、新しい検査では用いられなくなっています。 2.群指数(言語理解、知覚統合、作動記憶、処理速度) 言語理解は、ことばの意味や一般的な知識、社会的常識、ことばで考える力、ことばで説明する能力を測定しています。 知覚統合は、視覚的な情報の理解、処理、視覚的な情報をもとに考える力、応用力などを調べています。 作動記憶は、耳から入った情報を短時間保持し、その情報をもとに心理的な作業をする能力(たとえば、暗算をするなど)、注意力や集中力、計算能力などに関わっています。 処理速度は、作業の早さ、作業を段取りよく、あるいは、要領よく進める能力、視覚的な短期記憶、筆記技能、単純な作業でもやる気を持って取り組む力などを測っています。 質問者様の結果では、言語理解は最も高く、「平均」的な力をお持ちです。 次に高かった知覚統合や、処理速度は、「平均の下~平均」のレベルです。 もっとも低かった注意記憶は、「低い~平均」の水準です。 この4つの群指数の結果に差があるかどうかを統計的に検討しますと、言語理解が他の3つよりも有意に高くなっていました(統計的に見て、意味のある差が認められた、ということ)。 知覚統合、注意記憶、処理速度の3つの間には、有意差は認められませんでした。 これをまとめると、4つの群指数の間には、次のような関係が成り立ちます: 言語理解>処理速度≒知覚統合≒注意記憶(≒は、数値は異なるものの、有意差はないことを示します)。 つまり、質問者様の認知能力については、言語理解は得意であるものの、他の3つは苦手と考えられます。 この点は、メンタルクリニックの見解と異なりますが、平均の高さがあっても、有意に低かったものについては、「苦手」と考えて対処した方が良いと考えられます。 なお、知覚統合について、詳しく見ますと、視覚的な情報をそのまま理解するような課題は平均的な能力をお持ちなのですが、視覚的情報をもとに考えたり、応用したりするところは弱いと思われます。 >音は聞こえるが、 言葉の意味がわからない >言葉の聞き返しが多い >騒がしいところだと言葉が聞き取りにくい >会話が入ってこない これらの点は、作動記憶の弱さを反映していると思われます。 主治医の説明を聞き逃したというのも同様と考えられます。 話し手に意識して注意を向ける、講義などでは教室の最前列や2列目くらいに席を取る、そのときの課題や作業に関係のないものは周囲に置かないなど、注意が向きやすく、集中しやすくする配慮をなさると良いでしょう。 作動記憶が弱いと、話を聞きながらメモをとるのも難しいことが多いので、録音や撮影を許可してもらうとよいかも知れません。 最近、大学でも発達障害のある学生の方への支援や配慮が行われるようになっていますので、学生相談室や、指導教員の先生などにご相談になることをお勧めします。 質問者様としては、得意な言語能力を活かして、学業や日常生活をスムーズにすることをお考えになることをお勧めします。 また、苦手なところを訓練で改善することは、かなり難しいので、苦手なところは、なるべく負担をかけないで済むような方法を工夫したり、得意な言語能力でカバーするやり方を考えたりしてみてください。 以上、おおよそ、一般的なことを書かせていただきました。 詳しいことは、検査を実施してくださった心理士さんなり、大学に発達障害を支援してくれるところがあればそこにご相談になってください。 また、最近は、発達障害についての一般向けの本も出ています。 それらにいろいろな工夫も紹介されていますので、ご自身にあったものを試してご覧になってみてください。
お礼
各項目についての詳細な説明に加え、丁寧な回答ありがとうございました。 苦手なことは、できるだけ負担にならないようにすることが大切なのですね。 重要な話をする場では録音なども考慮に入れるという事は参考になりました。