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原子炉の真下から核燃料を回収出来ない理由
- 原発事故で熔け落ちた燃料デブリの回収が困難とのニュースが流れています。
- 日本はトンネル掘削技術に長けているはずだし、原子炉直下まで横坑を掘り、そこから縦坑を掘り上げてデブリを回収させる全自動ロボットが作れるのでは?
- しかし、実際にそういう発案がテレビでもどこででも見られないのは、知識のある方なら「そんなの出来るわけがない」と一瞬でおわかりのことなのだろうと思います。破損容器内に溜まっている大量の汚染水や地下工事にかかる費用などが障害となっている可能性があります。
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チェルノブイリ原発事故で溶け落ちた燃料の塊が発見され、それが象の足に似ていることからまんま「象の足」と名付けられました。 一般的に人は7シーベルト/時の放射線を浴びると確実に死に至るといわれています。その象の足からは、315シーベルト/時が放射されています。つまり、近づくことが全く不能。「象の足」で検索して出てくる写真も、壁に鏡を立てかけて鏡ごしに撮ったものなのだそうです。そうじゃないと機械も壊れるそうで。 「そういうのを、ロボットでやればいいじゃないか」と思うかもしれませんが、強烈な放射線は特にICチップなんかを簡単に壊してしますのです。だからあのチェルノブイリのときは最初はロボットで爆発で飛び散った燃料棒を回収しようとしたのですがロボットが全部壊れて動かなくなったので、仕方なく兵士がスコップで掻き出すという極めてロシア的な解決方法を使いました。もちろん、参加した兵士は死んだことはいうまでもありません。 あの見つかった燃料デブリは水の中に浸かっています。そのため、放射線の放出が抑えられています。もしあの水が干上がったら途端に強烈な放射線が飛び交い、調査用のロボットも容赦なく故障することでしょう。 だから回収するとしたら、あの水ごとまるっと取り出さないといけないのです。容器ごと全部取り出すイメージです。それは到底不可能ですね。 また仮にそのデブリを何かの箱に収めたとしても、そいつそのものが強烈な放射線と崩壊熱を持っていますから水に漬けておかないといけないのです。それをどうやってやるかですね。 あと、どうやっても作業員が亡くなることは避けられないですね。全自動ロボットにはそこまでは不可能です。お掃除ロボットを見れば分かりますでしょ。 んで、ここからの大問題なのですが、デブリは膨大な崩壊熱を持っているんですよ。どういうことかというと、水はその熱で沸騰するはずだという事です。そもそもが原発って燃料棒で水を沸騰させてその蒸気でタービンを回すものですからね。 ところがあの映像では水は沸騰していないことが明らかです。ということは、どこかから地下水が流れ込んでいるということですね。そして水量が変わらないということは、どこかから流れ出ているということでもありますね。 地下水の流入を防げば、給水がストップして水の量が減り、またメルトダウンを起こす可能性があります。どこかからの流出を防げば、水量がどんどん溜まりいつかどこかから溢れます。 つまり打つ手がないのです。どうにも。そしてこれが少なくとも100年以上続くということでもあります。100年先、200年先の日本人もこの事故の後始末をやらされるってことなのです。
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- lumiheart
- ベストアンサー率47% (1156/2447)
お金の問題ですね 当然、この内訳に政治家へのマイナイとか中間搾取業者の取り分とかも含めて まぁ、20000~30000兆円くらいあればなんとかなるんじゃ? ロボットとかが放射能で動かなくなるとかの考え方もあるけど 必ずしも1秒以内で動作不能になる訳じゃあない 平均で60秒で動作不能になるとしたなら 60分x24時間=1440台のロボットを1分毎に交換しちゃえば24時間稼働可能 1台約1千万円のロボットを使い捨てにすると1日当たりで1400億円 放射能漏れの心配も同様の考え方で解決可能 何万枚か何億枚にも放射能防護シートを貼るだけ よーするにお金さえあれば解決可能 お金がないので解決できないだけですね どーすればお金を用意できるか? 原発自身に用意させるしかないでしょう <原発再稼働させてお金を作る 停止中の原発は発電所でなく電力消費所 <無駄に石油を燃やしてるだけ
お礼
ご回答ありがとうございます。 おっしゃるとおり、お金の問題は大きいですね。 「ロボットにやらせようとしてもメカが放射線に耐えられない」とご回答を下さった方もいらっしゃいますが、それも、研究費が無尽蔵なら、放射線に耐えうる方法も開発できるのかもしれませんね。
- SPROCKETER
- ベストアンサー率26% (2131/8006)
チェルノブイリ原発事故では液体窒素で冷却して核反応を止めた上で、手袋を付けた兵士が溶けて固まった炉心を抱えて運んでいましたが、被爆して死亡しているでしょうね。極低温まで冷却すれば核反応は止まるそうですが、その為には水を抜かなければなりませんし、大量の液体窒素を生産して投入するインフラ設備が必要です。 理論的には極低温まで冷却すれば核反応はほとんど止められるわけですが、それが出来る技術を持つのは米国やロシアぐらいなのでしょうね。水を抜きながら液体窒素を注入するのは至難の業ですから無理だと思います。 もちろん、炉心がある箇所全体を液体窒素で凍結して、氷を破砕しながら炉心を取り出すという方法は可能でしょうが、チェルノブイリ原発事故の資料を調べてみる必要があると思いますね。
お礼
ご回答ありがとうございます。 そうですね。一般に言われている処理方法は結構な無理がありますね。 そこで、洋画か「アンビリーバボー」か何かで見た直下からの金庫破りみたいな手をロボットでやれないのかと思うも、「実際にはそういう発案がないのはこの手段にも何か無理があるからであるはず」と、何が障害となってそういう手段も執れないのかをお尋ねさせて頂きました。
- mpascal
- ベストアンサー率21% (1136/5195)
デブリがどんな性質を持っているかが判らない。原子炉燃料を含んで居るので、取扱を間違えると再臨界を起こしてします等、手探りで進めていくしか無い。
お礼
ご回答ありがとうございます。 ははぁ、原発を開発した段階で万一の場合のためにデブリの性質自体も考慮に入れてあっただろうと思っていたのですが、それさえやっていなかったのですね。 それでは確かに遠い道のりになりそうですね…
- dragon-man
- ベストアンサー率19% (2714/13698)
仮にそういうロボットが作れたとして、掘削中に高濃度の放射能と放射性物質が拡散します。それを塞ぐ方法がありません。あったとしてもその工事ロボットや基部も高い放射能に汚染されます。それを回収する方法がありません。そんなことが出来るならもう誰かが考えています。
お礼
ご回答ありがとうございます。 そうなんですよね。誰も発案しないのは障害があるからなのはわかっていたのですが、どの部分が一番ネックになるのかがわからずに質問させて頂きました。
- terminator_5
- ベストアンサー率37% (182/487)
既に検討はされていますが、立坑が格納容器に達した瞬間から汚染が地下トンネル空間全体に拡大することを防ぐ技術が要求レベルに到底達しないとのことです。 https://www.jiban.or.jp/hairo/wp-content/uploads/2017/02/d274e72a6cf91013f82bac00c8de9bfd.pdf
お礼
ご回答ありがとうございます。 そうだったのですか!発案自体はあったのですね。 遮蔽技術が進歩すると良いのですが… 興味深い情報をどうもありがとうございました。
必要な費用と、前例がないので手探りに成る不確定さを考えると...。 誰も責任を負いたくないし、発案もGOサインも出さないかなと。
お礼
ご回答ありがとうございます。 確かに、特にこういった責任の重いもので前例がないものについては、公に発案するのってなかなか難しいですね…
- 9133313
- ベストアンサー率19% (266/1349)
デブリ自体が強力な放射能を放つ物質です。 例えば、現在、直径10cmの穴の奥にデブリがあったとします。 放射能が放出される量は、直径10cm分に限定されています。 そこへ、直径10mの横穴をつなげたとします。 放射能が放出される量は、直径10m分の汚染物質が放出されてしまいます。 放射能を中和、遮断する技術が無いのです。
お礼
ご回答ありがとうございます。 えっ!汚染物質は、スペースが広くなる分希薄になるのではなく、その分丸々増えてしまうのですか! しかも、それを遮蔽する技術もないとは想像していませんでした。 それでは、地下水がどうのとかいうレベルではないですね…
お礼
ご回答ありがとうございます。 そうだったのですか。水が沸騰していないのは、そういう理由だったのですね! 何かのニュースかドキュメンタリーで、核燃料を撮影しようとしたらカメラが放射線に耐えられずに途中までしか映像を送れなかったというのを見たことがありますが、あれは映像信号に限ったことではないのですね。 大変理解しやすいご解説をどうもありがとうございました。