- ベストアンサー
水栽培で挿し木ができるものとは?
- 挿し木ができるものは水栽培で根が出てくるものであり、一般的には水栽培での挿し木が可能です。
- しかし、すべての植物が水栽培で挿し木ができるわけではありませんので、具体的な植物については確認が必要です。
- 水栽培での挿し木には、観葉植物や多肉植物などが適しており、適切な条件下で行えば根が出てくることが期待できます。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
まず水栽培と挿し木を一緒に考える事自体が違うと思います。 水栽培と呼んでいるのはおそらく「水挿し」の事と思いますが(イチゴやレタスなど土を使わずに栽培することが水栽培で、後々土に植えて栽培する予定で発根を促すのに一時的に水に挿しておくのを水栽培とは呼ばない)、挿し木できるものが全て水挿しできるわけではありません。挿し木自体が出来ないものも結構あります。 水挿しが難しかったり根が全く出ないもので特に多いのは樹木の類でしょう。柳など容易に根が出てくるものもありますが(この種類は川の傍に良く生えるので川の氾濫後などに折れた枝が流された下流で殖える目的と思われます)、発根するには切り口にカルス形成が起きないと根が生えず、多くの木は水挿しだとカルス形成が起きづらいと感じます。また木の場合は発根するまでの期間が長いものが多く樹皮がツルツルではないものだと樹皮に雑菌が潜みやすくて種類によっては水が傷み易くて水挿しでは根が生えにくい様です。 柳以外では観葉植物のドラセナの幹が細い種類がスタンド花や大型のアレンジなどによく使われますが、オアシスから抜いて花瓶に生けておくと発根しやすく観葉植物用の土に植えて上手に育てれば鉢栽培が出来ます。水栽培で売られることも多いミリオンバンブーも竹の仲間ではなく、幹から葉を取り除いて竹の節の様な見た目を観賞する目的のドラセナの仲間です。 樹木の挿し木は土に挿すのが普通で、他に発根させる方法としては幹や枝の皮を狭い幅で一周剥ぎ取り濡れたミズゴケで覆ってビニールで更に覆って発根を促し、発根し充分根が育ったら根から下の所で切り離して苗木として植え付ける「取り木」と言う方法があります。 中には水挿し自体が出来ない物や一応発根は出来ても水差しや水栽培は不向きの物もありますし・・・。 不向きの物で一番よくないのは多肉植物です。乾燥を好むものが多く、土も水も無くても空気中の水分だけで長期間育つものがあるくらいで水が多いと蒸れたり腐りやすくなります。種類によっては根元だけを水に浸けると一応発根して水栽培が出来るものも有りますが、水が多すぎてブクブクに水太りしてしまい本来なら不健康な状態の見た目の物を「色や形がかわいい」と水栽培容器に入れて販売してあるのがインテリア系の花屋さんで見かけます・・・。容器内に閉じ込めてあるものも多く購入後に育って容器が狭くなってしまい、出した途端に弱ってしまったりなど割と高価な製品ですが短命になりやすいです。 私は以前花屋に勤務しており、生け花などに使う花材・枝物担当でした。木の枝の中には水に切り口を差しておくとかなりの間元気でいられるものも多いのですが、樹木では柳以外で水に枝を長期差していて根が出てきたものは有りませんでした。 水挿しで発根しやすいものは宿根草で茎の質が柔らかめの物が多いです。長く栽培していて茎が木質化するものもありますが、木質化した茎からは水挿しだと発根しにくい物も結構多く感じます。土に挿すと切り口がカルス形成できても水挿しだとできにくい物もあります。 個人的な経験では、土挿し可能なものが必ずしも水挿しでも発根しやすいとは限らないという事です。特に切り口からは発根せず、節からしか発根しない性質を持つものだと一本の挿し穂でも水に触れている節が少ないと出てくる根が少なく節が水に一つも触れていなければいつまでも発根しないというものもあります。個人的にこれは熱帯性などの蔓性の観葉植物に多いと感じます。 また、水挿しの場合はリスクもあり注意が必要です。水の中で育つ根と言うのは土の中で育つ根とは吸収の働き具合が違うので水挿しで発根したまま育てて水栽培状態でしばらく育ててしまうと、後にその株を土に植えても土に根が活着できずに弱って生育が悪く成ったり枯れたりしやすくなります。これは植え替え時に細根を痛めやすい事もあるでしょうが、水だけの環境と土内にある水分の環境では違いが多すぎる事からも来るようです。 植物の根は、伸びる過程で先端に刺激を受けると脇根が出やすい性質があります。自分で種子から育てる育苗時に、最初から定植まで同じ容器や植え替えが一回だけよりも、セルトレイなどに蒔いてビニールポットへ植え替えた後にもう1~2度苗を植える容器のサイズを変えた方が株の育ちが良いのは、容器から抜いた時に細根が少し傷む刺激で脇根が多く出て土内の養分がたくさん吸収できるからです。また、その際には土内に居る有用微細生物の存在が不可欠。でも水栽培だと根が枝分かれする刺激もなく数が少ない上に有用微細生物も普通は水の中にいません。プロの野菜の水栽培の場合はそれを補う技術や液肥の使用で補えていますが(常に弱い水流を起こしたり、水を光に当てないなどの工夫も重要だそうです)一般の人が同じように栽培するのは無理ですよね・・・。また、水挿しだと基本室内管理になりますが、どうしても光が少なすぎ(屋外の半日陰の一日分よりも光量が格段に少ない)徒長しがちなのも屋外に戻した後の生育不良の原因になりやすく、屋外での水栽培は水の温度が暖かくなりすぎたりすぐ水が汚れる(ボウフラなども発生しやすい)など、土挿しから比べると水挿し発根の苗は屋外育苗への移行に手間がかかり難しいと感じます。 水挿しの場合はできれば発根が確認出来たらすぐか、少なくとも根に脇根が生えてくる前に育苗容器に半分くらい土を詰め、発根した挿し穂を真ん中にそっと据えて指で動かない様に支えながら土でそっと埋めてあげて下さい。水やりもジョウロで水の粒が小さい細かな穴のハス口を使用し優しくゆっくりたっぷりと水を与えて下さい。雑に扱うと根が折れたり傷みすぎたりで弱ったり枯れる原因になります。あとは、半日陰になり直接は強い雨風に当たらない場所(植木の根元など)に置いて1週間ほど養生させた後に好む環境の所に(出来れば強い風雨は避ける)置いて育苗管理すると良いです。 個人的には出来る限りは土に挿した方がカルス形成が正常にできてリスクも少なく発根後の育ちが格段に違うと感じます。 まず挿し穂の作り方。挿し穂にする茎は出来れば一日はたっぷりの水に入れてしっかりと水揚げしておきます。挿し穂は適度な長さに切ったら(長い茎を切る場合、節3~4つくらいで切り分け。)葉から水分が多く蒸散しない様に大きい葉なら半分に切っておきます。切り口を切れ味の良いナイフで切り戻し(カルスが出来ず節から発根の物は節から下1センチ以内で切る)、土挿しの場合は切り口を傷つけないように必ず土は先に充分水やりしておき、水が引いたら清潔な棒を差して挿し穴を作ってから(できれば斜めの方が良い)挿し穂の切り口をその穴にそっと入れ、土を被せてジョウロの目の細かいハス口で水をたっぷり与えて挿した部分がしっかりと馴染むように。発根までは挿し穂が動かない様に管理なさって下さい。 土挿しは出来れば斜めにした方が良いのは挿し穂がもし強い風や雨に当たってしまっても動きにくいからで、たくさん挿せる利点も。でも土挿し後に伸びる茎が上にまっすぐ伸びていく性質のものは斜めでは無くても良いですが、できれば隣の挿し穂と触れ合う程度の密植で風が強く当たらない場所が望ましいです。私はビニールトンネルの中に育苗箱を入れて必要ならビニールの上に遮光シートを張っていました。悪天候の時はビニールを閉めて風雨を避けて保温、天気が良い時は適宜開けて光や空気に触れるようにすると生育が順調でした。 土挿しは必ずしも活着率が良いとは限りません。なので念のために最終的に必要な株数が確実に確保できるように考え多めに挿し木します。種類にもよりますが挿し木の時点で必要数の5割増しか2倍の数は挿します。でもその時によって残る数は違いたくさん挿しても発根したのが予定数未満の時もありますが・・・。 確実に多めに発根させたい場合は、メネデールやハイフレッシュ、ルートンなど発根促進できる資材や薬剤を使う事も。 水挿しでの発根はミントなどよほど性質の強いもので無いと育苗が順調には出来にくいので、あえて土挿し主体で多めに挿して発根させて育て育苗しもし余剰が出ればご近所の花好きの方に差し上げたりインターネットの植物交換掲示板などで何かの種類と交換してもらったり(育ちやすいもので今まで未知だった種類が得られ助かっています)、希望の物が無いなら輸送費と少額の手数料だけでお譲りしたりで(郵便局の第四種で送ると格安。)苗が余れば余ったなり何かと役に立てています。 水挿しが出来ないと思われている物でも実際には水挿しや水栽培が簡単で発根がとても良いものも有ります。 私の経験ですが昔クンシランの葉に縞模様の入る物を母にプレゼントしました。それから数日後遊びに来ていた一歳の甥っ子が葉を持って土から引っこ抜いてしまい、慌てて埋め戻しましたが少し経つと葉が萎れてきて掘ってみると根が付け根から傷んで全て腐ってしまっていました・・・。 当時とても高価でしたし贈った物がすぐ枯れてしまうのが残念だったので腐った根を全て綺麗に取り除き、シャワーの冷水をかけて根があった部分を洗い、口の細いガラスの花瓶に株を差して「水栽培」してみました。すると根元近くの元は葉があった付け根部分から、まるでタケノコの根元の様にぼつぼつと根が生えてきました。メネデール入りの水を数日ごとに取り換え根がある程度の長さになるまで育ててからクンシラン用の土に植え替え支柱で支えた後は順調に育ち、30年以上経った今では数株に殖えながらも当時の根っこ部分が生きています。宿根草で茎からの挿し木は出来ないと言われている物でも根っこに近い部分を水挿ししすると発根するものも稀にありますよ。
その他の回答 (1)
- E-1077
- ベストアンサー率25% (3258/12620)
薔薇に関してのみなら無理ですね。 台木にしたくて野茨を挿し木にしましたが、しばらく植えるまで間があったのでバケツに水を入れて指しておきましたが、根は出ませんでした。
お礼
野茨に関しては挿し木はできても水の中で根が出てこないということですね。泥との違いは何なのか知りたいと思いました。
お礼
専門家としての豊富なご経験を惜しみもなくご披露いただき大変ありがたく思いました。ご丁寧な説明があるので何も知らなかった私でもすぐできることがたくさんありそうです。