「ユーロのおかげ」ってのが大きかったと思います。
ユーロが導入される前のドイツの通貨はマルクでした。それでユーロが導入されたわけですが、ユーロが発足したときにイタリアやスペインといったような国も参加したのです。
それがどうしたのかというと、本来ドイツの通貨(マルク)なら、ドイツの経済力を背景に強い通貨になります。つまりマルクという通貨は高い通貨になるはずです(実際、高かった)。マルク高だとどうなるのかというと、日本でいうところの円高ですから、輸出企業にはダメージとなります。ドイツも日本のような工業立国ですから輸出で好調になるためにはなるべく通貨は安いほうがいいのです。そうするとドイツ車が為替の関係で日本やアメリカで割安感が出てくるからです。
でもユーロだとイタリアだのスペインだのといった経済力が弱い国も一緒だから、そっちの影響でユーロは安くなる圧力がかかります。だから輸出という観点からするとスペインやイタリアが足を引っ張ってくれているおかげでユーロが割安になってドイツの輸出産業には追い風になるのです。
さらにユーロにはギリシャのような「こんな国をユーロに入れていいのか」って国まで入れたので、「いやー、ユーロってギリシャが入ったならちょっと危ないよね」ってみんなが考えて、結局安くなるのです。
こうなると日本でいうところの円安状態になりますから、輸出好調で好景気、となるわけです。
ユーロのギリシャ問題が発生したときに緊縮財政を求めるドイツのメルケル首相に対してギリシャ国民がやたらと噛みついたのは「お前らはユーロの割安で散々オイシイ思いをしておいて、問題発生したら俺たちの年金は削れってか」っていうのがあったからです。
アジアで例えると、日本と韓国とフィリピンや台湾なんかで単一通貨を導入したとすると、日本の通貨(円)は国際的な信用が高いので安定していますが、韓国やフィリピンなんかは通貨が安定していないわけです。単一通貨になれば韓国やフィリピンは自国の通貨危機に気を揉まなくていい安心が手に入り、世界から「日本は安定しているけれど、韓国やフィリピンは危ないからなあ」と通貨が安くなる圧力がかかるので、例えばそれで1ドル=180円くらいにでもなったら日本の輸出産業はウハウハですよね。だってもし1ドル=90円だったら180円の製品は2ドルですが、1ドル=180円なら1ドルの半額になっちゃいます。
1ドルが80円くらいだったとき、日経平均株価は8000円くらいでした。それがアベノミクスで1ドル120円くらいまで円安になったのですが、もし1ドルが120円になったら日経平均株価はドル換算だと12000円くらいあって然るべきなのです。それが8000円くらいだったら割安になるんだから「買い」じゃないですか。それでウワーッと株価も上がったのがアベノミクスです。
そういう感じの「自国の通貨が安くなる恩恵」を受けたってわけですね。
お礼
旧東ドイツの人は貧しい人が多いと聞きますね。やはり格差は広がるのですかね・・・