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虫の習性
虫が光に近寄るとよく言われますが、LEDには近寄らないという話も聞きます。 本当でしょうか。わたくし自身は信じていないのですが、私の知っている2つの マンションを比較するとそのような兆候がうかがえます。2つとも共用廊下で片側屋外の開放廊下ですが、蛍光灯で電球色でカバー付きの照明器具(やや薄暗い)には虫が多いのですがもう1つのマンションはLEDで昼白色で逆三角形の裸蛍光管の照明器具(かなり明るい)には虫はあまり見かけません。前者は元、沼地であった(10年前)と聞いておりますが立地条件の違いによるものでしょうか。教えて頂ければ幸いです。
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昆虫は、人間が見る事が出来る可視光線だけではなく、波長が380nm~320nm辺りの紫外線も見る事が出来ます。 一方、可視光線に関しては人間(720nm~380nm)と比べて見る事が出来る波長域が少しだけ狭く、概ね570nm~450nm辺りの可視光線を見る事が出来ます。[下記参考URLに掲載されている「光を利用した害虫防除のための手引き」pdfファイルの12枚目 p.9を参照のこと] (紫外線の場合も可視光線の場合も、見る事が出来る波長域は昆虫の種類によってある程度異なります) そして、光が昆虫を引き寄せる強さは波長によって差があり、可視光線でも昆虫を引き寄せる効果はあるものの、その強さは紫外線と比べて弱いのです。 下記参考URLに掲載されている「光を利用した害虫防除のための手引き」pdfファイルの15枚目 p.12には、 >多くの昆虫にとって330~370 nm の紫外領域の波長が、最も誘引性が高いことが明らかになっている。例えば、セイヨウミツバチでは、最も走光性の感度の高い紫外域のピークを100%とした場合、30%程度の2 つのピークが、青色域と緑色域に確認されている と書かれていますから、もし紫外線を全く含まない様な光源の場合には、光の強度が同じ紫外線だけを出す光源と比べてミツバチを引き寄せる力が30%以下しかないという事になります。 蛍光灯はその内部で空中放電を発生させ、放電によって生じた電子の流れを内部に封入した水銀の蒸気に当てて紫外線を発生させ、その紫外線のエネルギーをガラス管の内側に塗布した蛍光剤に吸収させて、可視光線に変換する事で人間の目にも見える可視光線を放っています。 元々の光が紫外線なので、蛍光塗料で吸収しきれなかった紫外線が管の外に漏れ出しています。 先述の通り、紫外線は虫を引き寄せる力が可視光線と比べて強いため、その紫外線を含んでいる蛍光灯の光に虫は引き寄せられる訳です。 また、白熱電球の場合は紫外線をあまり発しませんが、青色域の光や緑色域の光は発していますので、蛍光灯ほどではないものの、昆虫を引き寄せる力があります。 それで御質問のLED照明に関してですが、一般的な用途に使うための照明の場合、真っ赤とか真緑といった単色の光では駄目で、ある程度白色光に近い光を放つ事が求められます。 そのため市販のLED照明では白色光に近い光を放つ様にするための工夫がされているのですが、その工夫の仕方には幾つかの異なる方法があります。 例えば、近紫外線を放つLEDを使い、そこから発せられた紫外線を蛍光灯と同様に蛍光塗料によって白色に近い可視光線に変えるという方法があります。 また別の方法として、近紫外線の代わりに青色の可視光線を放つLEDを使い、そこから発せられた青色光の一部を蛍光塗料によって、赤や緑の光も混じった黄色味がかった光に変換し、元の青色光と合わせる事で白色に近い可視光線を得るという方法もあります。 他にも、赤い光を放つLED、緑色の光を放つLED、青い光を放つLEDという3種類のLEDを組み合わせて使う事で、異なる色の3種類の光を混ぜ合わせて白色の可視光線を得るという方法もあります。 これらの内、2番目に挙げた青色LEDと蛍光塗料の組み合わせでは、大元の光源である青色LEDが放つ青色光の波長は470nm前後であり、可視光線の中で多くの虫に見る事が出来る570nm~450nm前後の波長域にぎりぎりで収まってはいるものの、見える波長域の端の方では昆虫の目では感度が悪くなるため、昆虫を引き寄せる強さは弱くなるのではないかと推測されます。 そして、青色光が蛍光塗料で変換された「赤や緑の光も混じった黄色味がかった光」はそのピーク波長が570nm前後であり、570nmから外れた波長の光の強度は570nmから外れるほど弱くなっています。 先述の「光を利用した害虫防除のための手引き」pdfファイルの12枚目 p.9の図を御覧になれば判ります様に、多くの虫では波長が550nm以上の光に対しては目の感度が悪くなります。 ピーク波長が570nm前後の黄色光はその範囲からは少し外れておりますので、昆虫の目にはあまり良くは見る事が出来ない光という事になります。 ただでさえ、可視光線は紫外線と比べて虫を引き寄せる力が弱いというのに、更に虫には見えづらい光なのですから、波長470nmの青色光の場合と同様に、昆虫を引き寄せる強さは弱くなるのではないかと推測されます。 従って、上記の様に青色LEDと蛍光塗料の組み合わせによって白色光に近い光を得るタイプのLED照明であれば、LEDの波長と使用する蛍光剤の種類や割合、厚み等の工夫次第では、虫を引き寄せる力をかなり弱くする事が可能な訳です。 つまり、LED照明の全てが昆虫を引き寄せないという訳ではなく、LED照明の中には昆虫を引き寄せる力が比較的弱いものも存在するという事なのです。 【参考URL】 農林水産技術会議 > 委託プロジェクト研究の情報サイト > 平成25年度 > 委託プロジェクト研究の成果(マニュアル等)はこちら > 光を利用した害虫防除のための手引き https://www.s.affrc.go.jp/docs/project/information/h25/pdf/narc_hikarigaichu_man.pdf LED照明推進協議会:JLEDS > LED照明ハンドブック【改訂版】 > 第一章 基礎編 http://www.led.or.jp/publication/handbook/pdf/ledHandbook_01_Kiso.pdf
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- tzd78886
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人間には同じに見えていても、他の動物にも同じとは限りません。人間でも「色覚異常」と言われている人たちがいますが、大多数と同じ色に見えていないというだけで、何が正常化ということは言えないのです。一般的には赤と灰色が区別しにくいなどといいますが、それ以外にも光の3原色でなく4原色で見えている人や3原色でも色の組み合わせが違う人もいるそうです。こういう人にとっては一般人が同じ色に見えている色でも、別々の色に見えるということになります。 話が長くなりましたが、照明というのは一般人が見て同じ色に見えているにすぎませんから、虫の種類によって蛍光灯とLEDが別々の色に見えるということは当然あり得ます。よく言われるのはモンシロチョウの翅で、人間には同じに見えても蝶には雄と雌が全く別の色に見えるそうです。
お礼
有り難うございます。参考にさせて頂きます。
- _backyarD
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その光が「虫の目に見えるかどうか」がポイントです。 人間が見ている光と虫が見ている光は違うようで、虫はどちらかというと「紫外線」に近い光を見ることができるようです。よく「UVカット」とかでカットされるUV(Ultra Violet: 紫外線)ですね。 で、蛍光灯や電球の光とLEDの違いに「紫外線に近い光を出す/出さない」があるようですね。LEDは紫外線をほとんど出さないので、虫にとっては「無いも同然」の扱いになるようです。 参考までに農林水産省のプロジェクトがまとめた資料のリンクを貼っておきます。「紫外線」で文中を検索してみると少しヒントがわかるかも。
お礼
本当に参考になります。有り難うございます。
お礼
本当にありがとうございました。 すっきりしました。