南極の氷を取り出すと、積み上がった氷の様子から地球の環境の変化というのがわかるのだそうです。その研究によると、地球の気候はここ1000年くらいはむしろ平穏といってもいいほどで、それ以前は結構短期でも気温の上がり下がりが激しかったことが分かったそうです。
世界で天気予報が初めて行われたのが、クリミア戦争でした。嵐でフランス軍の軍艦が沈没したのです。日本では幕末の頃になります。日本で本格的な天気予報が始められたのが、日露戦争です。あの有名な「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」は当日の天気予報の一文だったのです。
本格的な天気データが集められるようになったのは、世界でも第二次大戦後になってからです。つまり天気に関するデータというのはせいぜいがここ半世紀、あるいは200年くらい前までなのです。ですから、「どっちが異常だったのか。あるいはそもそも正常はどういうものなのか」ということに関してはまだ判断できるほどのデータ量を人類は持ち合わせていないのです。
ところで天気に関してはこんな面白い話がありまして、日本人は世界に観たる筆まめな民族なのですが、昔からいろんな人がマメに日記を残していたのです。その記録を見ると当時の気象などがわかるそうなのですよ。人によっては「西風が強かった」なんて記録をつけた人もいましたのでね。
これによって、あの元寇のときの神風と呼ばれた台風の進路も大まかにわかるのだそうです。北九州に神風が吹いた次の日に京都の天気が荒れていた日記の記録が残っているそうですよ。
偏西風はときどき突然蛇行するときがあることが知られていますが、その原因はまったくわかっていないそうです。「中国で蝶が飛ぶと、その影響が積み重なってアメリカで竜巻が発生する」という話をバタフライ効果といいますが(日本でいうと風が吹けば桶屋が儲かるですね)、気象の世界はそのような複雑な要因が絡み合うのでまだまだ未知の世界が多いということですね。そもそもからいえば、「なにをきっかけにして風は吹くのか」ということさえわかっていないのですし、熱力学の法則からいうと台風がどうして発生するのかどうしても説明ができないそうですよ。
お礼
>気象の世界はそのような複雑な要因が絡み合うのでまだまだ未知の世界が多いということですね。 なるほどよくわかりました。 ご回答ありがとうございました。