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ドイツは法治国家。で、時効は?
ドイツの州立裁判所で、70数年前にNSDAP(国家社会主義ドイツ労働者党)の親衛隊員として政府要人の警護任務についていた94歳の老人が実刑判決を受けたそうです。 ドイツも先進国の一角をしめる法治国家と思いますが、時効はどうなっているのでしょうか? 1870年当時の普仏戦争当時の職業軍人でも犯罪容疑者として書類送検(被疑者死亡のままの書類送検)がされたりするのでしょうか? ドイツ連邦共和国に於ける刑法の時効に関してお詳しい法律専門家の方より、アドバイスいただければありがたいです。
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ドイツは「悪質な殺人」や「計画殺人」について、時効を廃止しています。 ユダヤ人大量虐殺などのナチス関連犯罪は「悪質な殺人」「悪質な殺人ほう助」「計画殺人」「計画殺人ほう助」として、70年経った今でも、厳しく裁いています。 なので「ナチスの施設で経理係として働いていた94歳のドイツ人男性が、殺人罪ほう助の罪で禁固4年の実刑判決を受ける」などの事例が発生しています。 >1870年当時の普仏戦争当時の職業軍人でも犯罪容疑者として書類送検(被疑者死亡のままの書類送検)がされたりするのでしょうか? あくまでも「ユダヤ人大量虐殺」を「殺人」や「殺人ほう助」として扱っているだけです。 なお「主な先進国は、殺人などの凶悪犯罪に時効を認めていない」です。 アメリカ:一般殺人に関しても時効なし イギリス:時効という概念がない ドイツ:一般殺人には時効あり。凶悪殺人、計画殺人には時効なし フランス:時効はあるが、捜査当局の裁量により自由に時効停止できるので、運用により実質的に時効なしにできる イタリア:時効はあるが、終身刑に値する重犯罪は時効を認めていない 日本:2010年4月27日に公布・施行された改正刑事訴訟法により殺人の時効を廃止 >ドイツも先進国の一角をしめる法治国家と思いますが、時効はどうなっているのでしょうか? 「先進国だからこそ、殺人などの重犯罪は、時効が認められない」のです。 殺人に関しては「日本は6年前まで、時効がある、後進国」だったのです。6年前に「やっと先進国の仲間入り」をしたのです。 たぶん、質問者さんは「時効がある国の方が先進国だ」と勘違いなさっていると思いますが、実際は「時効がない方が先進国」なのです。
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- mpascal
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ドイツは憲法でさえ頻繁に見直しをして修正している国です。戦後70年も改正されていない憲法を使い続けて解釈改憲なんてことをやっている日本は、法治国家としては後進国でしょう。
お礼
質問はドイツの刑法など法体系における時効の考え方です。
- chie65536(@chie65535)
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>NSDAPだけは例外扱いするってことは、「法の下の平等」という法理は放棄されているのでしょうか? 違います。NSDAP(ナチス)だけを例外扱いしているのではありません。 「法の下の平等」の原則、法理に基づいて「凶悪殺人(ほう助含む)、計画殺人(ほう助含む)」を裁いているだけ、です。 「法の下の平等」に則り「70年前の計画的で凶悪な殺人」も「つい最近行なわれた計画的で凶悪な殺人」も、同じように「平等」に裁いているだけです。 「殺人がいつ行なわれたか?」で、刑罰に差があっては「不公平」です。 >ドイツ連邦共和国は法治国家ではない、ってこと? 違います。「殺人がいつ行なわれたか?」で「差別や区別」をしない、法治国家です。
お礼
なるほど。 NSDAPだけを特別扱いするものではないのですね。 極論すると、キリストを殺したとされるユダなんかも、今からドイツのある州の検察が捜査して「被疑者死亡のままの書類送検」なんて事ができるのですん。 過去はいずれ「水に流す」ことが普通の日本人からは理解しがたい法理ですね。 大変勉強になりました。 因みにドイツ語の辞書を引くと、時効=Alternという言葉が出てきますが、現代のドイツではこの言葉は法律用語としては理解されないのかもしれませんね。
- mpascal
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お礼
なるほど。 NSDAPだけは例外扱いするってことは、「法の下の平等」という法理は放棄されているのでしょうか? ドイツ連邦共和国は法治国家ではない、ってこと? どうもありがとうございました。
お礼
なるほど。 時効の考え(=つい最近までは日本人の常識)は、世界の常識ではないのですね。 1870年の普仏戦争で、フランス人の非戦闘員を計画的に殺害したなどの容疑が浮かべば、今からでも「被疑者死亡のままの書類送検」などを実施するわけですね。 検察審査会のようなものがあるのでしょうが、100年前、200年前の凶悪犯罪を審議しなくてはならないのは大変ですね。 どうもありがとうございました。