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プロのピアニストはどうしてあんなに暗譜できるの?
プロのピアニストは 何十曲、あるいは 100曲超える曲を暗譜していますよね。 どうして、あんなことができるのでしょうか。 コンサートの前には何曲か演目を集中して練習するでしょうが、毎日、すべての曲(100曲とか)は練習できないでしょう。 どうして、あんなに覚えられるのでしょう。 長い曲もたくさんあるのに。 私はしばらく弾かないと 弾けなくなってしまいます。
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いろいろな理由があり、一般の方には想像のつかないこと、誤解されていることもあるかもしれません。 まずプロのピアニストの場合は、子供のころから弾いているということが大きいです。こういう人たちは大体みな3~5歳で弾き始めています。十代のころには、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパンなどの古典の作曲家の代表的な曲は大体学習してしまいますし、難曲といわれるような曲も弾き始めます。プロになった時にレパートリーの中心になるような曲はかなり早い時期に叩き込まれているということが大きいでしょう。それと、多くのピアニストは、若いころに暗譜した曲は指が覚えていると言いますが、それはその通りだと思います。何年もの間一度も弾き直していなくても、覚えている曲があります。指が覚えているので、多少忘れるようなことがあっても、短期間で暗譜し直すことは容易です。 暗譜をしたあと、どのくらいの回数繰り返し暗譜で演奏したかということにも左右されます。暗譜したあとすぐに弾くのをやめてしまえば、忘れるのも早いです。一定期間、暗譜演奏をなるべく多くの回数反復しておけば、そのあとは半年、1年ぐらい全く弾かなかったとしても、かなりの程度覚えています。技術的な難曲などの場合は、マスターするまでに反復練習する回数が非常に多いので、暗譜しようと思っていなくてもいつの間にか頭にこびりついてしまい、忘れたくても忘れられるようなものではありません。プロの場合、暗譜したのちに一定期間コンサートで繰り返し演奏し、記憶が定着したものが確実なレパートリーになるといえます。 それから大事なのは、「楽譜を読む技術」です。音符を一つ一つバラバラに覚えるのは効率が悪く、記憶も維持されにくいです。ですので、音楽理論、特に作曲理論を知っていて楽譜を読むのとそうでないのとでは、格段に違いが出ます。和音の連結のしかたや音の進行にはある程度決まった法則がありますので、和声や対位法などの原理がわかっていれば、たとえ未知の楽曲であっても、なぜ音がそのように組み合わされ組み立てられているか、その仕組みはすぐにわかります。楽式(曲の形式)の知識も非常に重要です。楽譜を分析的に読み解けると、たくさんある音符も、全体としての関連性がすぐに把握でき、一つのまとまりとして記憶できるので早いのです。日本の音大の演奏科の学生はそういう理論の学習を嫌う傾向がありますが、一流のプロになる人はやはりそういうところもちゃんとやっています。そして、暗譜の作業は、ピアノを弾きながらやるとは限りません。楽譜のみをじっくり読み込んで覚えるという作業もあります。バレンボイムなどは、まず楽譜だけで完全に暗譜してからでなければピアノには触らない、と話していた記憶があります。 先ほど、手が覚えている、ということを書きましたが、それは指や手、腕の動きなど、フィジカルな感覚としての記憶ということです。手のポジションの変わり目、同じポジション内でひとまとまりにつかむ音符のグループ、跳躍の幅などで、作曲理論上の音符のグループ化とは別です。こういう奏法上の処理が感覚として記憶できていないと、そこから暗譜がほころびることがあります。夜など、部屋の電気を消して真っ暗闇で弾いてみたとき、正確に弾けなかったり音が外れたりするようなな個所があったら、フィジカルな感覚がまだものになっていないということがわかります。 具体的な音の響きとしての聴覚的記憶は特に重要です。ただ、楽譜を読むことと指を動かすことだけでも大変なので、自分で出している音を自分の耳で聞けるようになるにはかなりの年月が必要です。「聞こえている」と「聞いている」の違いが大きいです。積極的に聞けていないと、指の動きと実際の響きとを密接に関連して覚えることができません。 全く違う視点もあります。それは、楽譜をグラフィックとして視覚的に記憶するという感覚です。写真で撮影するように、楽譜全体の音符の散らばりを模様として脳裏に焼き付けるということで、特に、指揮者のように、複雑なオーケストラのスコアを暗譜するときなどはこういう方法がかなり助けになります。 ここまで挙げたことは、どれも長い年月の鍛錬ののちに可能になりますが、すべての方法が無意識的に総合されている状態にまでなれば、読譜、暗譜のスピードが上がると同時に忘れにくくなります。 なお、レパートリーが何十曲、何百曲と言うとき、必ずしもその全部を常に暗譜で完全に弾けるということではありません。国際的に活躍するプロのピアニストなどは、一般的にコンサートの予定は2~3年先まで決まっています。コンサート・ツアーに出るときは、2種類くらいのプログラムを用意して繰り返しますので、短期間に数十曲~百曲弾くということはまず考えられません。もちろん、演奏歴の長い人の場合は、いつ何時でもすぐに弾ける曲の数が当然多くなると思います。しかし基本的には、過去に何度か弾いたことがあり、数日間で暗譜を再び確実な状態に戻せるので、その曲の演奏依頼はいつでも受けられるということです。コンサートの前にもう一度楽譜を読んで勉強し直す作業は必ずします。
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何回も弾けば覚えられますよ。 カラオケでも普通の歌でも、何回か聴いたら覚えますよね。 それといっしょですね。
お礼
ありがとうございます。 でも、カラオケの歌と同じレベルの話ではないんですよね。 私もカラオケの歌とかは早く覚えられるのですが、ピアノ ソナタとなると20分近く膨大な音符があるわけで・・・。 でも何千回も弾いていたら覚えられるかも・・・・指と耳が覚えられたら。
- Pianeys
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ただ何回も弾くだけでは覚えられません。 もちろん想像を絶する努力もされていると思いますが やはり特別な才能があるのでしょう。
お礼
特別な才能・・・・・なるほど。 これは、努力でどうこうできるものではないですね。
- show1968
- ベストアンサー率32% (532/1616)
私の個人的意見ですけど、 「脳じゃなくて、体が覚えてる」が大きいと思いますよ。 今、ムスメがソナチネアルバムのNo.7を練習してまして。 約30年前に私も習った曲なんで、練習に付き合ってます。 ほぼいきなりで弾けました。自分でもびっくりしましたよー。 上手とは言い難いですけどね。 指がおぼえてたとしか思えません。 全然練習してなかったんですよ。 プロだとこれがもっとハイレベルなんだろうなーと思いますね。
お礼
そうですね! 私も子供の時の発表会で弾いた ソナチネ9番、まだ暗譜しています。 でも、3年前に弾いていた ベートーヴェンのソナタ、この間、ひさしぶりに楽譜をだして弾こうとしたら弾けませんでした。 年も年だし・・・。 体(指)が覚えるほど弾き込んでいなかった、ということでしょうか。
- whaihansei
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頭の良さと訓練のたまものでしょう。 例えば、子供のそろばん。 すごい桁数の暗算をやってしまう子供たちが 多数いますね。 こういうのと同じではないでしょうか。 なお指揮者は総譜(全ての楽器の楽譜が書かれている譜面)を 暗譜していますね。 何も見ないで指揮している指揮者の姿をみたことがあるでしょう。 それに指揮者は大変「耳がよい」です(間違えたりするとすぐ バレます)。 もちろんコンサートの前に、おさらい、練習、リハーサルを行い ますが、この時は楽譜を前にします。 音楽TV番組等で報道されることがありますね。
お礼
やはり、膨大な積み重ねと努力でしょうか? ありがとうございました。
- seble
- ベストアンサー率27% (4041/14683)
音を覚えられる、というのが音楽の才能の目安の1つとされています。 覚えられない人は才能が無いという事で。
お礼
なるほど。
お礼
いつも、的確なご回答、ありがとうございます。 >それから大事なのは、「楽譜を読む技術」です。音符を一つ一つバラバラに覚えるのは効率が悪く、記憶も維持されにくいです。ですので、音楽理論、特に作曲理論を知っていて楽譜を読むのとそうでないのとでは、格段に違いが出ます。和音の連結のしかたや音の進行にはある程度決まった法則がありますので、和声や対位法などの原理がわかっていれば、たとえ未知の楽曲であっても、なぜ音がそのように組み合わされ組み立てられているか、その仕組みはすぐにわかります。楽式(曲の形式)の知識も・・・ この部分に関しては、まさに今、先生に教えられているところです。 子供のころ、日本で習っていた先生は教えてくれませんでした。 もっと、早く教えてもらっていれば・・・と思いました。 >100曲を超える・・・・と、私が書いたのは、ズバリ、バレンボイムのことでした。 たとえば、ピアニストによっては得意なコンポーザーとかいますね。 ショパンとか、Debussy とか。であれば、曲の構成に同じ様なところがあって、覚えやすいのかもしれないですね。 でも、バレンボイムは色々な作曲家の曲を、(ショパンもモーツァルトもベートーヴェンも)特に古典は網羅しているように思います。すごい! 私はまだ、音符をバラバラに読み取っている、と思います。 まだまだ、道のりは遠いです!! でも、がんばります。