>みんなが持ってるお金を貯蓄に回したとしたら、景気は悪くなるのでしょうか?
みんなというのが問題です。
個人と企業と分けて考える必要があります。
日本全体の景気動向を見る際に、国内総生産(GDP)という数字が使われます。
この数字の約半分を個人消費と呼ばれる数値が占めています。
個人がセッセと貯蓄していても企業がそれ以上にお金を使えば景気はよくなります。
高度成長期というのがこのような時代でした。
近年は企業がお金を使わなくなりました。
この為に個人がお金を使わないと景気が悪くなるという影響が出ています。
>金融機関は集めたお金を投資に回してると思うのですが、それで潤うことはないのでしょうか?
潤った時代がありました。
現在は経済全体が潤うほどの投資がされていません。
企業が投資に使うあてもないのであれば従業員に給与として払え、と政府が圧力をかけましたが、思うように給与が増えていません。
お給料が増えませんので個人も物を買いません。
物を売っている商店も作っているメーカーも収入が増えません。
このような企業も収入が増えませんので、設備を増やしたり更新することをためらっています。
これでは景気はよくなりません。
日本の金融機関の投資というのが、この企業への貸付が大半です。
設備を増やすことも更新することもないので企業がお金を借りません。
結果として金融機関が投資する先が無いというのが現状です。
金融機関は企業に貸し付けないで余分になったお金を日銀に預けていました。
日銀に預けておけば金利が入りました。
今回日銀がこの金融機関が預け入れるお金の金利をマイナスにしました。
平たく言いますと日銀に預けると逆に金利が取られるということです。
これで金融機関があわてて企業に安く貸しますので借りて下さいということを始めました。
間接的ですが投資で潤うようにしようということです。
まだまだ効果が出て来ていません。
蛇足
物を海外へドンドン売ればいいではないか、ということになりますが、以前のように思うように買ってくれなくなりました。
これには、いろいろ原因がありますが、大きな理由として二つあります。
一つは中国が鉄鉱石や石炭、石油などの資源を以前のように大量に買わなくなりました。
中国へ資源を売っていた国の収入が減っているので、日本から物を買わなくなりました。
もう一つは石油の値段が大幅に下がりました。
石油を売っていた国の収入が減りますので、日本から物を買わなくなりました。
更に日本の株なども売り払ってお金を持っていってしまいました。
金融機関の投資にこの株式投資がありますが、これの値下がりで投資が回収できなくなってきています。
世界中のお金の動きが止まり始めています。
日本の政府や日銀の力だけでは、どうにもなりません。
お礼
銀行以外に預ければいいというご意見ですね。