一般に
y=logf(x) (1)
の微分は
y'=f'(x)/f(x) (2)
です。これは対数微分でよく使われる式で教科書に証明が出ています。簡単に復習すると
(1)より
f(x)=e^y
両辺をxで微分して
f'(x)=y'e^y=y'f(x)
これから
y'=f'(x)/f(x)
問題は
y=logf(x), f(x)=|tan(x/2)|
| |のある関数は機械的に計算してはいけません。いきなり
f'(x)=|d(tan(x/2)/dx|
とするのは間違いです。
f(x)=|tan(x/2)|はグラフを書いてみればわかるように
-π<x<0 : f(x)=-tan(x/2) : f'(x)=-(1/2)/cos^2(x/2)
0<x<π : f(x)=tan(x/2) : f'(x)=(1/2)/cos^2(x/2)
です。x=0では折れ曲がりがあって
lim(x→-0)f'(x)=-1/2
lim(x→+0)f'(x)'=1/2
f'(x)は不連続となります。-π<x<πの外側では周期関数としてこの繰り返しになります。
しかし(2)で与えたy'を-π<x<0 , 0<x<πに分けて計算すると符号が打ち消しあっていずれも
y'=f'(x)/f(x)=(1/2)/[tan(x/2)cos^2(x/2)]=(1/2)/[sin(x/2)cos(x/2)]=1/sin(x)
となります。
y''=-cos(x)/sin^2(x)