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新字体、旧字体の違いとは?解説してください。
- 新字体、旧字体の違いについて解説します。
- 光の三原色は赤、緑、青ですが、新字体と旧字体の違いについて説明します。
- 新字体と旧字体の違いについて、メモ帳での表示差異についても紹介します。
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1990年に制定されたJIS X 0208において,「錆」(句点1-27-10)の字のつくりの下の部分が,「月」の形の異字体として制定され,正字体である「円」の文字は情報機器で使用する文書からは駆逐されました。 ところが,本来の字体である「円」の「錆」は新聞・雑誌を始めとする視覚情報で文字を伝達する媒体で標準的に使用され,当然ながら辞書には正字体として「円」の方が記載されています。 このため,2004年にJISが改定されて正字体である「円」の字形が標準字形に戻されました。ところが,この14年間は文字情報の電算処理が爆発的に進んだ革命的14年でもあり,JISという国家規格を律儀に守ろうとした製造業者によって,略字(全然略してませんが)がそれなりに普及していたという現実のために,大きな混乱が続いています。 どのくらいひどい混乱なのかと言うと,質問者さんの質問分は,私のパソコンではすべて「円」の方の文字で表示され,意味が通じません。 字形はフォントによって決まりますので,Office2000と同時にインストールされるフォントを使う限り略字が表示されてしまいます。また,印刷の際にはプリンターに内蔵されているフォントが使用されますので,画面で表示されている字形とは違った形で印刷されることがあります。JIS規格が改定されたとはいえ,まだかなりの期間この混乱は続くでしょう。 参考URLに挙げたJIS規格改定の告示によれば,これらの字形は「どちらも同じもの」で「変更を求めるものではない」そうなので,日本国の国策に従って,出てきた字を「さび」と読む(読ませる)のが愛国心あふれる正しい国民の姿ということなのでしょう。 なお,Windows VISTAまたはOffice 2007を使うと正字形が表示されるようです。
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- Postizos
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丹は赤ですからそれと区別するために生の声符を加えて青としたというのが字統の説明です。 康煕字典がだいたいの典拠としている説文解字(西暦100年製の字典)によれば 「木生火,從生丹」となっていて、なんかよくわからない説明ですが青の下部が丹であることは一致した解釈であると思われます。 http://www.zdic.net/z/27/sw/9752.htm http://www.zdic.net/z/15/sw/4E39.htm 木を青とするのは五行説による物です。 丹青で赤と青のコントラストを意味するというのは全くその通りだと思います。 広辞苑で「青丹」をひいてみたところ ——————————————————————————————— あお-に【青丹】アヲ:(「に」は土の意) 1)青黒い土。 岩緑青いわろくしょうの古名。 染料・画料として用いる。 常陸風土記「あらゆる土は、色、青き紺はなだのごとく、画に用ゐてうるはし。 俗くにひとーといひ、また、かきつにといふ」 2)濃い青に黄を加えた染色。 襲かさねの色目としては、表裏ともに青丹。 (桃華蘂葉)・あおに-うち【青丹打】・あおに-ごろも【青丹衣】・あおに-よし【青丹よし】 —————————————————————————————— とありました。 色見本は http://www.color-sample.com/colors/124/ 今の感覚では青緑だと思いますが。 しかし中国の辞典には「青丹=黒っぽい色だ」(赤色系の中での話だと思います)としか出ていないので、青丹は日本ローカルでの色名かと思います。 https://kotobank.jp/word/%E9%9D%92%E4%B8%B9-192610 ただ字統は「山海経、大荒西経に白丹青丹」と書かれているのが見えると言っていますが、いずれにせよ今は中国では使われていないと思います。 http://homepage3.nifty.com/kyousen/china/sengai/k_all.html
- Postizos
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主な回答はすでに出ているので蛇足なのですが。 青の“正字”が話題になっているので調べてみた結果興味をひかれたことを書いておきます。 青の字のもっとも古い形である金文の字形では「丹」を表す字の上に「生」を合わせた物で、丹は採掘用の井戸の中の石を表す象形。生は字統によれば青い色を表す形声だそうです。 丹は顔料で鉱物から取っていたので採掘するわけです。 http://images.gg-art.com/dictionary/jin.php?page=278 ↓(こちらの辞書には“会意”とありますが。) http://images.gg-art.com/dictionary/dcontent.php?word=%C7%E0&sub1.x=0&sub1.y=0 楷書としては他の方が言っているように下部は「月」で間違いないです。つまり手書き楷書では月と書くのが以前から正しいということになると思います。 http://sf.zdic.net/sf/ks/1124/899edfbab996263b213583d57fc8eda7.html http://jiten.nabunken.go.jp/easyflash/index.php また金文より少し新しい篆書では↓こちらの字典ではすでに月になっていますが、これは丹の中の点が横に打ってるか縦に打ってるかの違いでしかないわけです。 http://sf.zdic.net/sf/zs/1124/899edfbab996263b213583d57fc8eda7.html で下部が円の字の字体ですが、これは康煕字典の印刷書体(木版活字)のデザインです。下が円の錆や青はこれを踏襲しています。康煕字典が手書き書体と違う字体をデザインとして採用していた理由は木版を彫刻しやすい形にしたためですが、金文にさかのぼるなら丹だからというのも月と円を同じとするひとつの根拠としたのではないでしょうか。 http://www.zdic.net/z/27/kx/9752.htm 康煕字典の印刷書体デザインが現代の手書きの字体に影響を与えている例は「糸篇」などもあります。 http://kakijun.jp/main/itohen.html
お礼
とても興味深く読みました。ありがとうございました。 》 青の字…は「丹」を表す字の上に「生」を合わせた物で、… 》 生は字統によれば青い色を表す… この記述には驚きました。 頭頂が赤い丹頂鶴、赤と青という意味の丹青。でも、上の記述によれば「青」だけで「丹青」の意味を有していたとなりそうだから。
- SPS700
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旧字体では、下記のように活字体では下が「円」、筆記体では下が「月」でした。したがって詩自体では下が「月」に統一されました。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%AD%97%E4%BD%93 僕は旧字体の頃「月」を書いていた(=筆記体で書いていた)友達がいましたので、旧新通して同じ「月」だと思っていました。
お礼
有益な情報をありがとうございました。 》 旧字体の頃「月」を書いていた友達がいました 》 ので、旧新通して同じ「月」だと思っていました。 そうでしたかぁ、面白い、なるほどと思いました。
お礼
とても詳しい解説、興味深く読みました。ありがとうございました。 些細なことですが、 》 「錆」(句点1-27-10)の字のつくりの下の部分が,… その区点コードは「鯖」のものかと。何れにしても同じ理屈であることを確認しました。 単体の「青」は「月」の方が「標準字形」のまんまと理解しておきます。 》 参考URLに挙げたJIS規格改定の告示によれば,… 恐縮ですが、その「参考URL」を再掲願えないでしょうか?