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中国で発電所の石炭需要が減少?
http://www.recordchina.co.jp/a101319.html こちらの記事で疑問があります。 建設や鉄鋼での石炭需要の減少はわかりますが、発電所での石炭需要の減少とはなにがおきているのでしょうか?石炭発電所は石油に比べ燃料費が安く、ふつう多少の景気動向程度で発電を止めたりはしないと思うのですが。老朽化した石炭発電所の廃止が増えているのでしょうか? もう一つ、中国で輸入石炭に国内石炭が押されているというのは、どういうことでしょうか?中国の安い人件費をもってしても外国産の石炭の方が安いのでしょうか?
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中国の電力事情と日本とは大きく違います。 日本の感覚のままで経済理論に頼っただけでは混乱されるかと思います。 最大の違いが国土面積です。 発電する場所と消費する場所の距離が半端ではありません。 中国の感覚で日本を見れば日本の電力は地産地消です。 中国の発電所は燃料源として石炭を使用した火力発電に大きく依存しています。 これは歴史的に国内で手に入る安価な石炭に依存してきたことに由来します。 発電所は輸送に手間と人手がかからない産炭地に隣接して建設されました。 一方、電力の大規模消費者である製造業や商業は沿岸地方に発達して集積されています。 原材料や部品の輸入、製品の輸出には港湾に隣接した沿岸部の方が有利です。 経済効率を考えれば輸送費がかかる石炭よりも、発電所を大型化して長距離の大容量送電網を整備して電気を送ってやれば良いわけです。 発電所を大型化すれば、単に熱効率の点からも同一発電量に対して消費する石炭の量は減少します。 中国政府はこれをやりました。 更に、大気汚染対策に費用がかかる石炭よりも石油や天然ガス、原子力などによる発電所の建設も進めました。 結果として統計上の発電向け石炭の需要は減少します。 尚、どこの後進国も技術導入は最先端のものを導入します。 中国は遅れているから設備もオンボロだろうと侮ると誤解が起きますので注意して下さい。 中国は十年以上前から石炭輸入国です。 経済が急激に拡大した結果国内の産炭量だけではまかないきれなくなって現在は輸入に依存しています。 広州での価格相場は国内産が1トンあたり651元であるのに対して輸入品は605元と値段差があります。 現在は関税などで、差は縮小ないし逆転したりしています。 単に輸送費がどうのこうのというよりも産炭業の構造に中国特有の問題が内在しています。 中国の炭坑の数は約1.6万ケ所あると言われています。 かつての日本と比べても桁違いの数です。 この大半が中小規模の炭坑です。上位100社をあつめても全体の46%程度とされています。 炭坑は地方政府などと呼ばれる地方官庁の役人にとっては最も好ましい投資対象であるという中国独特の政治風土も裏にあります。 劣悪な採炭環境で年中人身事故を起こしています。 当然品質は劣悪です。 統計上石炭とカウントされても膨大な灰が残るような代物です。 もともと、海外で生産される硬い無煙炭とは違い柔らかい褐炭などと呼ばれる石炭が大部分を占めている石炭ですのでこれに泥や石が混じれば、品質にうるさい鉄鋼業者やセメント業者は使いたがりません。 燃焼するといわゆる大気汚染物質と呼ばれるものを大量に放出します。 鉄鋼産業が使用する高品質のコークスには不向きです。 鉄鋼産業ではコークス向けの硬い海外炭を好んで輸入して使います。 詳細は下記のサイトをご参照願います 中国の電力事情と発電計画 (14-02-03-02) - ATOMICA - www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=14-02-03... 中国における石炭需給動向と見通し 及びその影響調査 - 石油天然ガス . www.jogmec.go.jp/content/300199591.pdf コラム 拡大する中国の石炭輸入 eneken.ieej.or.jp/data/3287.pdf 多少古い記事ですが中国が石炭輸入国に変わって行った様子がよくわかります。 中国における炭鉱事故の現状と対策(中) www.asiam.co.jp/derivatives/0711/20071107deri_kimura_cl_02.p... 蛇足 中国は共産主義国家です、自由主義経済に基づいた理論だけでは通用しない国だとご理解願います。 経済現象には必ず政治的意図や結果が含まれています。 統計数字もどこまで信用していいのか分からない部分も多々あります。
- Mokuzo100nenn
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>発電所での石炭需要の減少とはなにがおきているのでしょうか? 鉄鋼や建設の不況によって経済が縮小し、産業界全体の電力消費が減少しているのに加えて、脱硫装置の義務付けなどクリーンな発電に向かって設備投資が必要になるので、相対的にLNG発電などの比率が増えていると考えられます。 >中国で輸入石炭に国内石炭が押されているというのは、どういうことでしょうか? 石炭の様に重量当たりの価格が安い物資は、採掘費用よりも運搬費用の比重が多いものです。 中国大陸の内陸部から効率的でない鉄道で沿岸部の産業都市に運搬される国内炭よりも、世界一コストが安い大型の石炭運搬船でオーストラリアから中国の沿岸部の産業都市に直接運搬される海外炭の方が安いという可能性はあるとおもいます。 日本でも、賃金がまだそれほど高くない時代に国内炭は輸送費で負けてしまった歴史があります。
お礼
>相対的にLNG発電などの比率が増えている それはわかるのですが、相対的ではなく絶対的に発電における石炭の消費量が減っているのが疑問点です。 ご回答ありがとうございました。
- titelist1
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中国で構内爆発事故が相次ぎ多数の作業員が死亡しました。安全対策を政府から義務付けられたので、安くは採掘できなくなったのでしょう。オーストラリアでは露天掘りです。人件費が上がり、安全対策すると中国でもこれには勝てません。
お礼
ご回答ありがとうございました。
お礼
うーん資料を見る限り石炭の絶対的な消費量そのものは西部発電所建設で増えそうな気がするんですがどうして石炭の消費量が減るんですかねえ? 統計があてにならないから意味がないといわれてしまうとそれまでなんでしょうが。 ご回答ありがとうございました。