電力自由化の背景は、日本の電気代が海外に比較して高いと言うところから発しています。日本は土地代が高く、公害規制も厳しいし、山が多く送電コストも高くつくなど、電力会社の主張はありますが、日本の輸出企業の競争力強化の観点から、国際水準並みの電気代を実現することが閣議決定されました。そして、この国際水準並みの電気代を実現するために、自由化が導入されたのです。いきなり、全ての電力を自由化すると混乱が生じるので、制度設計も含めて慎重に進める必要から、まず、大口の需要家(全体の3割に相当)を対象に、自由化が導入されました。大口の需要家は、以前は、その地域の電力会社からしか電力の供給を受けられなかったのですが、今は、安ければ電力会社以外の所から自由に供給を受けることが出来ます。つまり、安い所がお客様を獲得していけるシステムとすることで、電気代の低減を図ろうとしているわけです。2002年には、導入3年を迎え、その評価がなされることになっています。電力は、需要と供給が常にマッチングしていなければなりません。供給力が需要を上回っている内はいいのですが、これが接近してくると、カリフォルニアのようなことが起こってきます。自由化万能ではないこともよく検討しておく必要があると思います。