ANo.5にstomachmanが書いた
>> 偏微分ってのは「xとyは独立変数だとみなして微分を行う」ということ
についてどうも異論が出ているようで、質問者氏が混乱しそうな気がしますんで、詳しく説明しておきます。
一般に、偏微分では「何を関数(従属変数)として扱い、何を(独立)変数として扱うか」を明確にしておかないと、色々混乱する場面が出てきますんで、式を手抜きしないで書くのが重要です。
ANo.10の「反例」(一体何に対する反例になってるのか、さっぱり分かりませんが)では、2変数関数
f(x,y)=(x^2)(y^2)
について、xとyの間に等式
x = y
で与えられた関係があってxとy互いに独立変数ではない場合において、常微分を計算する話です。
その時に、積の微分の公式
d((x^2)(y^2))/dy = (d(x^2)/dy)(y^2) + (x^2)(d(y^2)/dy)
を使わない。
その代わりに、まずxとyの関係式
x = y
を代入して、1変数関数にしてから微分しています。これはxを変数ではなく
x(y)=y
という関数として扱っているということ。すなわち
h(y) = f(x(y),y)
の常微分 dh/dy を計算したんですね。
これは、xとyの間の従属関係を先に代入して変数を1個にする、ということが出来る特殊な場合の話です。特殊というのは、この例ではx(y)=yが陽関数(xについて解けている関数)だから実際に代入できてhが具体的に得られるわけですが、たとえばxとyの関係が容易には解けない陰関数で与えられている場合だとそうは行かないからです。(その場合でも、積の微分の公式なら使えます。)
=========
ところで「x=y という制約条件下で
f(x,y)=(x^2)(y^2)
の極値を求む」という問題を未定乗数法でやる場合を考えますと、まずはx=yという等式制約条件を、関数
p(x,y)=x-y
を使って表します。そして「
p(x,y)=0
の制約下で
g(λ,x,y) = f(x,y) +λp(x,y)
の極値を求む」という問題に置き換えるんです。
これを解くには、
∂g/∂x = 0
∂g/∂y =0
p(x,y)=0
という連立方程式を解きます。
そこで、fをx, yでそれぞれ偏微分して
∂f/∂x = 2(y^2)x
∂f/∂y = 2(x^2)y
を得る。pをx, yで偏微分して
∂p/∂x = 1
∂p/∂y = -1
を計算する。これで、解くべき連立方程式が具体的に
2(y^2)x + λ = 0
2(x^2)y - λ = 0
x - y = 0
であると分かりましたので、これを解けば、x = 0, y = 0という結果が出ます。
さて以上の計算では、「(xとyが互いに独立ではないことは分かってるんだけど、そのことはまだ使わないで)まずfのxによる偏微分とyによる偏微分をそれぞれ計算する。xとyの関係は後で(連立方程式を解く段階で)使う」ということをやっている訳です。
また、制約条件 p(x,y)=0 についてもpをx, yで偏微分していますね。これを「p(x,y)=0だと分かってるんだからpは定数0であり、定数なら何で微分したって0だ」とやらかしたのでは話になりません。ここでも「p(x,y)=0であってxとyが互いに独立ではないことは分かってるんだけど、そのことはまだ使わないで、∂p/∂xと∂p/∂yを計算する」んです。
もちろん、(制約条件p(x,y)=0があろうとなかろうと、)f(x,y)のxによる偏微分 ∂f/∂xは「xとyとが互いに独立変数であるとみなしてdf/dxを計算したもの(=yは定数だとみなしてdf/dxを計算したもの)」に他なりません。
お礼
ありがとうございます。 そっか、間違えていました。助かりました!