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命題についての疑問
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いろいろモンダイがあるご質問なんで、ちょっと詳しくやってみようかな。 [1] 何はともあれ、「真か偽かのどっちか一方に決まっている」というものが命題であることはお分かりのようです。その上で S:「虎穴に入らざれば、虎児を得ず」…(1) を論理式だと解釈しようという話ですね。 まず、「何か虎穴に入ったり、虎児を得たりする主体が居るはずじゃないか」とお考えになった。でもその主体が定まっていないんで、それを変数xで表す事にして、 「xが虎穴に入らざれば、xが虎児を得ず」 をお考えである。(Sのどこを探しても「人」なんか出て来ない。実際、この文では、虎児を得ようと虎穴に入るのが狼でもロボットでもいい。そういうのも含めて、xと書く事にします。) そして、 p(x) : 「xが虎穴に入る」 …(2) q(x) : 「xが虎児を得る」 …(3) が「述語」だと仮定する。 p(x)が「述語」だというのは「xに特定のモノ(対象)aを代入したp(a)が命題になる」という意味です。q(x)も同様。 また「仮定する」ってのはどういうことかというと、(2)、(3)が述語になっているかどうか、そしてそれぞれが一体どういう意味であるのかは、論理の知った事ではない。あくまでも言語の側の問題です。なので、ひとまず述語だと仮定しないことには話が止まってしまうから仮定したんです。 そして、「xが虎穴に入らざれば、xが虎児を得ず」を r(x) : not p(x) ⇒ not q(x) …(4) と書いてみると、(p(x), q(x)が述語であるから)r(x)は述語である。なので、全称化した ∀x( r(x) ) …(5) は命題である。また、xが特定のモノを表す定数aを代入した r(a) …(6) も命題である。さらに、 ∃x(r(x)) …(7) も命題である。(もちろん、これら(5), (6), (7)の意味する所はそれぞれ異なります。) では、一体どれがSなのか? …というのがご質問である。 これに対する論理学における正確な答はこうです: 「述語r(x)と命題Sとは、無関係。なぜならr(x)をどういじくってもSにはならんから。」 つまり、もし T : 「何者であろうと、その者が虎穴に入らざれば、その者は虎児を得ず」 という命題の話なら(5)が該当し、 U : 「鉄人28号が虎穴に入らざれば、鉄人28号は虎児を得ず」 という命題の話なら(6)が該当し、 V : 「ある者があって、その者が虎穴に入らざれば、その者は虎児を得ず」 という命題の話なら(7)が該当する。しかしながら、どれもSとは形式的に違うから、論理学としては別ものと言うほかない、ってことです。 「いーや、それはおかしい。SとTは同じ意味じゃないか!」と、もし思われるのであれば(普通はそう思うでしょう)だったら、SをTに書き換えた上で記号化をお考えになれば良かったのです。SとTが同じだ、という判断は言語の側の問題ですから、それを先に解決した上で論理に持ち込めば良かった。 ですから、ご質問の誤りは、命題Sを命題Tに書き換えずに述語r(x)に書き換えちゃったところにある。 [2] ところで(5)は真でしょうか? (5)は命題なので真か偽のどちらかである。けれども、これだけでは(5)が真なのか偽なのかまでは分からない。…(★) ではSはどうか。Sを論理式で表すために p : 「虎穴に入る」 …(8) q : 「虎児を得る」 …(9) を考える。 (8), (9)が命題になっているかどうか、そしてそれぞれが一体どういう意味であるのかは、論理の知った事ではない。そこで、以下では(8),(9)がそれぞれ命題であると仮定する。 すると論理式 not p ⇒ not q …(10) も(仮定により)命題であり、これはSそのものです。 pかnot qの少なくとも一方が真であるときに(10)は真であり、さもなければ(10)は偽である。だから、(10)はp, qの真偽に応じて真でも偽でもありうる。どちらとも決まりません。…(★★) [3] それにもかかわらずSやTの文言を読んで「なるほどその通りだな」と(真だと)思えるのは、なぜでしょうか。 それは、この文に書かれていない様々な知識を勝手に組み合わせてお考えになったからです。 たとえば、 虎児が居る所は虎穴である 虎児を得るには、虎児が居る所に入ることが必要である という(書いてない)知識があれば、Sが真であることが証明できる。また あらゆる虎児について、ある虎穴が存在して、その虎児が居る所はその虎穴である あらゆる虎児について、その虎児を得るには、その虎児が居る所に入ることが必要である という(書いてない)知識があれば、Tが真であることが証明できる。 もちろん書いてないものを勝手に使うのは、論理では全く認められない反則です。なので、SやTを単に論理式に書き換えるだけでは(★)、(★★)までしか行き着けないんです。
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- Tacosan
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このままだと危険な可能性があるので ・(ある人 x が) 虎穴に入る: p(x) ・(ある人 x が) 虎児を得る: q(x) としときますね. そうすると「虎穴に入らずんば虎児を得ず」は ∀x[not p(x) → not q(x)] じゃないか, と #1 は言ってるんじゃないかな.
- MagicianKuma
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ことわざの意味合いからいうと、「(誰であれ)大きな利益を得るためには大きな危険を冒さなければならない。」でしょうから、p,qそれぞれを人が誰を指すかで真偽が決まる命題関数ととらえ、なおかつ「全ての人」あるいは「任意の人」とした全称量化した命題ではないでしょうか。
補足
つまり、p,q単体は命題関数であるのに対して、 合成命題のp→qという条件文にした時点で、 全てのpはqであるという全称肯定型の命題になってるということでしょうか? よろしくお願いします。
お礼
ご丁寧な、解説に感謝致します。 訓練されていないせいか、こういう疑問に 一人で対処できないので困っておりました。 よくよく、噛み砕いて続きに励みます。 ありがとうございました。