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「知的」という言葉はいつ頃から使われ始めたのか?
「知的」という言葉はいつ頃から使われ始めたのでしょうか? 梅棹忠夫「知的生産の技術」のブーム以降、頻繁にみるようになったと思うのですが、いかがでしょうか?
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知識に関するさま。また知識。知性的であるさま。理知的。という意味での「知的」または「智的」という言葉は少なくとも百年以上昔から広く使われているものです。以下の2つは「日本国語大辞典」の用例です。 現代一般の趨向が然うして智的にばかり走るから、情の方は鈍いかというに、強ち然でも無い。(小栗風葉 「青春」 1905-06) 智的な奴なら、そこは自制力を持ってるだらう。(谷崎潤一郎 「蓼食う虫」 1928-29) ご質問の梅棹忠夫氏の「知的生産の技術」は岩波新書として初版が発行されたのは1969年7月21日(これは奇しくもアポロ11号が月面に着陸した日!)ですが、同新書の「まえがき」によれば、そもそものきっかけは1965年4月から岩波書店の雑誌「図書」に「知的生産の技術について」という題で連載された記事だそうです。 この「まえがき」にもあるように連載の第1回が高等学校の国語の教科書に載せられたこともあって、連載終了後も反響があり、「知的生産」という考え方や言葉が(同新書の「はじめに」によれば「知的生産」という言葉そのものが「わたしのつくったことば」だそうですが)梅棹氏の著作によって世に広く知られるようになったことは確かでしょう。(回答者も高校の国語の教科書で読んだ記憶があります) ただし国会図書館の目録などで検索してみると、題名に「知的」という言葉を含む「知的○○」という図書は、それ以前から複数出ています。興味深いのは「知的生活」という同じ題名で違う著者による別々の書籍が、1941年と42年に相次いで別の出版社から発行されていることです。「知的○○」という表現が昭和10年代当時の流行だったのかもしれないと思いますが、この両書の内容を読んでいないので詳しいことはわかりません。
お礼
ありがとうございました。 谷崎の「蓼食う虫」の中の「智的」は印象深かかったですね。「智的」という表記が「知的」になったのはいつごろからなのかとまた疑問が湧いてまいりました。「智」は仁義礼智の四徳を想起させますね。