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推理の過程が楽しめる議論系ミステリーを教えて下さい
米澤穂信の「古典部シリーズ」にある短編「心あたりのある者は」が、すっごく面白かったです! これに類似した作品に、もっともっと触れてみたいと思っております。 正解へと着実に山を登るような推理小説といいますか、ゆっくりとパズルを解いていくような味わいのある作品をどうか紹介して下さい。 この短編は『思考のプロセス』が明らかにされつつも、それと同時に正解へ向かって登山をしているかのような展開が、普通とは少し違うところ。 普通のミステリーだと探偵が最後の最後で、完成された論理の構築物を提出し、真相が明らかになるという形式です。それはそれで魔法を見ているような驚きを味わえるので文句をつけるつもりは全くありません。 ですが私が求めているのはそうじゃなくて、作中の初っ端から、もしくは途中からでも構いませんが、謎解きの参加者が壁にぶつかっては改善を繰り返し、分析から新しい手掛かりを得て推理を一歩前に進めていく姿を見たいのです。 道化役のキャラがあまりに的外れな推理をかまして場を混乱させるのではなく、同じ場所で地団駄を踏み続けている訳でもなく、足を使った捜査でもなく。 頭を使った『ハイレベルな議論』の果てに山頂へ辿り着く達成感が描かれたミステリーが知りたいのです。……まあ、それはつまり『問題編と解決篇』の境目が、普通のミステリーよりもモヤッとしているのかもしれませんが(笑)。 宜しくお願いします。
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0能者ミナト。 ただの人間が知恵を絞り、妖怪を倒す物語。 推理小説ではありませんが。 驚異的な分析力と知識で思いもよらない方法を編み出します。
「猫柳十一弦シリーズ」(北山猛邦)はもう読まれましたか・・・? 第一作:猫柳十一弦の後悔 http://bookclub.kodansha.co.jp/kodansha-novels/1112/kitayamatakekuni/ 第二作:猫柳十一弦の失敗 http://wbonbon.blog26.fc2.com/blog-entry-2955.html http://ameblo.jp/ya9moku63-akazukinrimy/entry-11449392426.html 「事件が起こってから、関係者全員を一堂に集めて偉そうな解説をして謎を解くようでは名探偵とは言えない。真の名探偵とは、事件の発生を未然に防ぐことのできる探偵である。」と言う、ある意味、「推理小説のお約束」に敢然と挑戦する実験作です。(とは言いながら、殆どライトノベルの気軽さで読めますが。) ともかく、事件の発生を防がなければなりませんので、お話の展開は必然的に「殺人者はどんな殺人を犯そうとしているのか?」を検討する思考のプロセスが中心となります。こんなシチュエーションで短編ならともかく長編推理小説が書けるのか?と思いますが、さすがはミステリ界の奇才、北山の作品だけあって、この展開を生かすために、「探偵助手学部」と言う学部まで作ってしまって、名探偵(にはとても見えないが・・・)の指導者と、探偵助手のゼミの学生2名が、卒論に挑むかのようなノリで、お話を進めていきます。 第一作は、マイミス!でもランキングされた人気作ですが、まだ従来の推理小説のパターンを半分くらい引きずっています(したがって、死者が出る)。第二作は、コンセプトをもっと徹底的に追及した作品で、横溝正史ばりのおどろおどろしい殺人予告を受けて立った名探偵猫柳は、ついにすべての殺人トリックを、そのトリックが発動する前に見破って阻止することに成功しますが、その分どうしても推理小説としてのハラハラ感が希薄になる面があり、好き嫌いが分かれるようです。 シリーズは時系列ものになっています。ネタバレとかは無いですが、第一作から読んだ方が、登場人物の関係がよく分かって面白いと思います。
お礼
harihorereさん、こういうのを探しておりました! 『猫柳十一弦の後悔』 『猫柳十一弦の失敗』 こう言っちゃあなんですが、私は『建設的な議論』や『思考の過程』を主眼としているので、死体の有無は問題外です。……この発言自体が倫理的に問題かもしれませんけどね(笑)。 にしても探偵助手学部、ですか。……私、気になります!(パクリ)。 harihorereさんのオススメ通り、第一作目から読むことにしましょう。マジでありがとうございました!
- notnot
- ベストアンサー率47% (4900/10358)
ちょうどそういう物を集めたページがありました。「心あたりのある者は」も含まれています。 http://inomys.net/2008/02/20080224_1711275.html 私は最初の2つしか読んだことはない。
お礼
notnotさん、大変役に立つサイトを教えて下さってありがとうございます。 ●『九マイルは遠すぎる』テーマをまとめてみる このようなまとめサイトがあったとは露知らず。いやはや『調べる』というのは難しいものですね。 そして、この中に含まれていた「退職刑事」(都筑道夫)の『ジャケット背広スーツ』が収録されている第一巻、実は手元にあるのにも関わらず未読でありました。 答えはいつも目の前にあるということかもしれませんね。あるいは私が単にバカなだ……いえ、なんでもありません(泣)。 私は最初の二つどころか『心あたりのある者は』しか触れたことがないのでガックリ肩を落とす必要はないと思いますよ?(笑)。
アントニー・バークリー作『毒入りチョコレート事件』。 ヒラリー・ウォー作『冷えきった週末』。 ピーター・ラヴゼイ作『猟犬クラブ』。 マイ・シューヴァル&ぺール・ヴァルー作『笑う警官』。 番外で以下。 アイザック・アシモフ作『黒後家蜘蛛の会』。給仕役のヘンリーが会員の推理を基にこっそり百科事典にあたって名推理を披露。読者が途中でインターネット検索してしまうと謎の底が割れて興醒めしてしまうかも。
お礼
Fewhelltonさん、早速の回答ありがとうございます。 『冷えきった週末』は名作と聞いていたのですが、なぜか本屋では見つからずじまいで未読でした。今度、ネット通販を利用してでも読んでみようかと思います。 そしてネットで「黒後家蜘蛛の会贋作集」という、ファンの同人誌的なノベルゲームがあるほどの傑作『黒後家蜘蛛の会』。その原作第一巻は、逆に手元にありながらも未読でした。この作品って、今の私が求めているものに合致するかもしれなかったのですね。なぜか後悔の念が押し寄せてきます(笑)。 『笑う警官』……回答者がわざわざ作者名まで書いてくれているのに、佐々木譲の作品と勘違いしそうになりました(笑)。でも佐々木版『笑う警官』も、元々あった作品のオマージュらしいから、今の私にピッタリの可能性があるかもしれませんね。 『猟犬クラブ』……ネットで評価を読んでみた限りでは、議論をしているとか思考のプロセスが明らかだとかの記述が見当たらなかったのですが、これも私の求めているもののうちに入るのでしょうか? 不安にかられながらも読んでみます。 バークリー作の『毒入りチョコレート事件』。多重解決という趣向の極致で有名な古典ですね。一体どんな建設的な議論が交わされているのでしょう? 楽しみです。
お礼
phoenixevilさん、回答ありがとうございます。お礼が遅れてしまって申し訳ありません。 『0能者ミナト』 この作品の概要を調べてみても質問の内容に該当するのかどうか判断できませんでしたが、一風変わった「頭脳戦」ですね。