不動産登記は,平成17年の法改正に伴って手続きが少し変わったものの,
それでも基本になる民法が改正されたわけでもないために,
ポイントさえ解っていれば,従来の知識でもほぼ対応できます。
古参の司法書士の多くは主に不動産登記手続代理を主たる業務にしており,
新人司法書士もできればそうしたいと考えていたりします。
現実は,古参とのパイの取り合いになることと,また本人申請も増えてきているために,新規参入はなかなか難しかったりします。
それに対して登記手続の双璧である商業・法人登記については,
たとえば株式会社の監査役の任期が2年から3年へ,そして4年に変わる等,
商法時代でもいろいろと変わることがあったため,
商業・法人登記手続を苦手とする司法書士もいました。
その後,会社法や一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の施行に伴い,
この分野ではより高度な判断を要求されることになってきたために,
その傾向はより強くなっているのではないかと思われます。
なお商業・法人登記の管轄登記所を調べると(特に地方法務局で顕著ですが),
一部の登記所(本局や支局)に管轄が集中してきているのは,
法務局においてもこの高度な判断のできる登記官の量的確保が難しいために
このような配置になってしまったもののようです。
裁判関係では,認定司法書士になれば簡裁代理権があるものの,
控訴されると司法書士では代理できなくなることから,
安易に受託できるものではないという状況もあるために,
あまり積極的に行われてはいないのではないかと思われます。
過払金の返還請求も落ち着いてしまっているようですし。
そういったことから,最近の司法書士は,
成年後見,相続財産管理業務分野への進出を始めていたりしますが,
それが司法書士の業務として一般認識されるのはまだ先のことでしょう。
まあそんなこともあって,結果としては,
ご質問の理解でほぼ合っていると言えるのではないかと思います。
お礼
なるほど!司法書士は企業法務のプロとも言えるかもしれませんね。 そう言えば、数年前ある司法書士が会社法を熟知していればメシの種に困らないって言っているのを思いだしました。