旅館の朝食でよく温泉卵って出てきますよね。あれの作り方というのは、熱すぎるお湯に入れないことです。卵というのはだいたい40度を過ぎたあたりからあの白身が白っぽくなっていきます。そして、卵というのはたんぱく質でできているので、要するに細胞と同じなわけです。
つまり、たんぱく質というのは40度くらいで変質し始めるので、要は体は発熱することでウイルスや細菌をやっつけようとしているのですね。ただし、熱を上げ過ぎると今度は自分が死んでしまうのでそのギリギリのところで勝負しているわけです。若い人なら見たことないかもしれませんが、昔の水銀の体温計には43度くらいまでしか目盛がついていなかったのはそういうわけです。もし人間が50度の体温を出したらその熱で体の細胞が死んじゃうからです。
だから、ウイルスや細胞を殺すために体温を上げているのにそれを薬などで無理やり下げると体内のウイルスや細菌の活動は活発になってしまいます。それをフォローするためにペニシリンのような他に細菌をやっつける薬なんかも一緒に飲むわけです。
しかし発熱をすると体がフル回転することになりますから、体力は消耗します。昔は部屋や布団の保温能力が低かったり、栄養状態が充分ではありませんでしから、体力が消耗するとそれで命を落とす危険があったので熱を下げることには意味がありました。しかし今は基本的にみんな体力はありますし、仮に体力が消耗したとしても最悪の場合点滴で命を繋ぐことができます。なので近年はあえて熱を下げずにむしろ熱を上げる方向に持っていったほうが治りが早いというのがトレンドになっていますね。
ただし、他の方も指摘していますが、脳やきんたまは熱に弱いので、そこは熱が上がらないように冷やしてあげる必要はあります。つまり、昔から伝わる「頭寒足熱」というのは実に医学的にも正しいのです。
熱を上げて汗をかくと、最も危険なのは脱水症状を起こすことです。特に体内の水分量が多い子供は体内の水分が多いということはそれだけ多くの水分を必要としているということですから、より危険なんですね。また汗をかきにくい高齢者も逆に喉の渇きを自覚しづらいので危険なわけです。
だから、「汗をかいて水分をちゃんととれ」ってのは実は正しいのですよ。そのテレビ番組を見てないから分からないけど、その説はむしろ「古い説」ですよ。話を聞きに行ったお医者さんが古いお医者さんだったのでしょうね。近年の医学界は10年経つと話が真逆になっていたり、常識の変遷が激しいです。腰痛なんか、もう最近は「休むな。むしろ早く動かした方が治りが早い」ってのが主流ですね。10年前は「そういう説もあるけど、まだなんともいえない」という感じでしたけど。
風邪をひいたときは、身体は暖かくして頭は冷やして、たまご酒(アルコールで血流の流れを良くしてアルコールの催眠作用で寝て身体を休めつつたまごのたんぱく質で栄養をフォロー)を飲んでみかん(ビタミンC)を食べて寝ろ、というのは実に正しいのです。
お礼
流行というのが医学にもあるんですね 今後、風邪をひいたら 血流をよくして、 頭・キンタマは熱くなりすぎないように 体全体は適度に暖める対策にしたいと思います