- ベストアンサー
マイク・タイソンの評価は?
- マイク・タイソンはヘビー級史上最強の王者として有名ですが、私は彼を評価していません。
- タイソンは荒っぽいボクシングスタイルで知られており、カネに溺れたり問題行動を起こすなどの面もあります。
- 彼の強さは一時的なものであり、キャリア全体を通じて安定していたわけではありません。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
どこを基準に評価するか、ですよね。 タイソンが世界王者になるまでは、間違いなくキング・オブ・キングスに相当するボクサーであったと思います(王者になる前ですから矛盾がありますが)。 ただ、前にアメリカのドキュメント番組でタイソンのデビュー前からの生い立ちなどを紹介するものを見たことがありますが、そこでも番組のコンセプトはあくまで”王座戴冠まで”。何しろ、ドン・キングが画面に登場するのは、オープニングのわずか数秒のみ。残りはすべてグリーンボーイ時代の圧倒的なKO勝利シーンと、名トレーナーであるカス・ダマトのインタビューだけ。アメリカでのタイソンの評価も、あくまでも上り詰めるまでの評価を引きずっているだけだと。 もちろん、ドン・キングと契約したからこそタイソンはボクサーとして”名声”は得たはずです(プロモーターの任務は、契約した選手を勝たせるマッチメーク。勝てそうにない選手と当てて盛り上げる、というのはプロモーターとしては最低。その意味でドン・キングは世界最高のプロモーターの1人であることは間違いない。結果的にマネジメントしたボクサーの評価を下げていないところを見ると、明らかなかませ犬とは戦わせていない絶妙な見識はあったのでしょう)。 ダマトが地球上で最も嫌う2人のうち1人のドン・キング。ただダマトにとって唯一幸運だったのは、タイソンの凋落を目にすることなく天に召されたことでしょうか。その意味では、間違いなくダマト存命時までのタイソンはナチュラルボクサーだったのでしょう。 件の薬物問題も、実際は王座を得て名誉・財力を得たことで、自らの不遇時代も振り返り、その喪失を恐れて故意に狂乱状態に持って行くための手段、という見方も現在ではされています。そして、薬物投与を行うほとんどのプロスポーツ選手がほぼ同じような理由で薬物渦に身をゆだねています。 ※同じヘビー級王者でも、同様の悩みを別方向で解決させようと試みた選手はいます。かのモハメド・アリです。今や世界中のボクサーが小賢しくマネをする”相手への挑発的言動”は、後の回想でも語っていましたが相手への恐怖心が高いほど苛烈になったと。ただ、結果としてあの時代だからこそだったのか。仮にアリが今の時代にいたらタイソン同様クスリに走ったかどうか、それはさすがに今は考えようがありませんが。 喩えがかなり異なりますが、同じ恐怖心でも滑稽さ覚悟で、土俵上で制限時間いっぱい時に自らを打ち付けたり奇声を上げたりして必死に恐怖に打ち勝とうとした、元小結高見盛の思想とは真逆ですね。ただ日本の大相撲の場合、その失いたくない名誉・財力を守るために古今より連綿と行われているとされるのが、かの八百長問題だったのですが。薬で名誉を得ることとカネで得ること…どちらも問題ですが。 個人的に薬物とかプロモーターとか奇行とか、そういうイメージすべてを排除して純粋にマイク・タイソンというボクサーを評価するなら、 「階級間違えたよね?」 肉体をもう一絞りしてクルーザー級、さらに絞ってライトヘビー級やスーパーミドル級まで落としても、タイソンの体格的にはパンチ力もスピードも耐久力も、さほど落ちはしなかったのではと思います。結局、ヘビー級の中でどう見ても1周り小さな体格が、余計な恐怖心を生み出してクスリに頼る精神状態に陥った、とも言えますから。若い頃ならともかく、ヘビー級の猛者が集う階級でタイソンのパンチ1発で沈められるケースは確かに減っていましたし。しかし当時はまだ中量級以下にスポットが当たらない時代。今の時代にミドル級まで絞ったタイソンが出てきたら、パッキャオもメイウェザーJrも、階級を上げてこなかったかも知れませんね。個人的にはタイソンはヘビー級に出てくるべきではなかった、と思った選手です。
その他の回答 (2)
- bulu130
- ベストアンサー率46% (6/13)
確かに質問者様が言うように、メンタル面では問題が大ありでしたが、ボクサーとしては全盛期は優れていたと思います。ヘビー級同士の戦いで自分よりも大きくて重いボクサーをも倒すダイナマイトパンチ、華麗なフットワークに闘争心むき出しのファイトは明らかにみている者を魅了していました。 見ているものに印象深いボクサーという意味では評価しますが、やはり貧乏から這い上がってきたというアメリカンドリームとしては末路がお粗末ですね。勝ちを重ねるうちに探究心を忘れ、いつでも勝てるという大ぶりになり、結果スタミナを消耗して本来のボクシングができなくなり敗戦する。それでも自分を顧みずに自分を評価してくれるものをファミリーとして、助言をしてくれる外野の声をシャットアウトする。それを見て学んだボクサーもいると思います。 必ずしもみんなに愛されたボクサーではなかったのですが、全盛期は足も使えるハードパンチャーとして評価しますね。
お礼
タイソンの全盛期の強さは、どんなに強調してもし過ぎることはないでしょう。大男たちが、支えのない木材を立てかけてそれにちょっと力を加えた時にそうなるように、あっさりと倒れていきました。 強さを評価する基準として、それまでのボクシングをどこまで変革したかという考え方もありえると思います。それを考えるとタイソンは、左ジャブではなく左フックから攻撃を開始するという型を提示したという点で革命的であったと思います。 ただ、このスタイルは、まず足が人並み外れて良くなければいけない、そして左フックが相手の動きを止めるほど強烈でなければいけないという点で使い手を選ぶ戦術だと思います。 余談ですが、この「後世への遺産が大きなボクサー」という点でヘビー級王者たちを評価すると、ジャック・デンプシーがいちばんということになるでしょうね。それまでの、後ろに体重をかけたスタイルを完全に過去のものにし、今やクラウチングスタイルをとらないボクサーはほとんどいないという状態ですから。 タイソンスタイルの使い手が、もし今後現れたら、遡って今より評価されるかもしれませんね。 回答ありがとうございました。
- sagetusai
- ベストアンサー率28% (77/267)
30代男性です。 マイク・タイソンがヘビー級史上最強かどうかは年代や個人の趣向もあるので一概には言えませんが マイク・タイソンという一人のヘビー級ボクサーとしてみれば非常に優れたボクサーだったと思います。 2mに迫る選手が多い中であの身長でスピード、パワーは見劣りしないどころか 他のボクサーを上回っていたと思います。 マイク・タイソンを語る中でカス・ダマトとドン・キングの話題が付きまといますが ボクシングという競技は、スポーツであり、格闘技でもあると思っていますが プロと名のつく競技である以上「ショービジネス」という面も切り離せないと思います。 その中でカス・ダマトのような優秀なボクサーを育てる事と プロモーション側両方に優れたプロモーターは稀で ドン・キングのようにプロモーション側に特化してしてしまっているとは思いますが 世界戦をどれだけ・どのような形で行えるかというショービジネスとしては ある意味成功を収めていると思えるんです。 確かにボクサー生活の晩年の乱行は残念な部分が多いですが 総合してみても相当強く、優れたボクサーだったと私は思っています。 ※ちなみに私が見てきた中でのヘビー級最高のボクサーは、レノックス・ルイスです。 今回、ドラッグによる発言はやっぱりと思う反面、一ボクシングファンとして 非常に残念ではありますが、マイク・タイソンは高く評価しています。
お礼
強いってなんだろう? アニメ版「はじめの一歩」のキャッチコピーですが、「強いってなんだろう」を考えたとき、その基準をどこに置くかで評価ががらっと変わるのがタイソンだと思うんですよね。 質問にも書きました「現役時代に叩きだした『強さ』の最大値」という意味では、歴史上1、2を争うのがタイソンだと思います。 逆に「ある程度安定して出し続けた出力」という意味では、残念ながらあまり評価はできない。早く全盛期を迎え、早く落ちていってしまったのがタイソンですね。 他にも考え方はあると思います。「その後のボクサーにどれほど影響を与えたか」。タイソンは、左のリードブローからではなく、フックから攻撃を組み立てることが可能だと示しました。その功績はありますが、この戦術は使い手を非常に選びます。残念ながら後続のボクサーがいません。そういう意味では中程度でしょうか。 他にも考え方はあると思うんですが、光の当て方で輝きが随分違う、それがタイソンかなと思います。 回答ありがとうございました。
お礼
仰るように、誤解を恐れず言ってしまえば「チャンピオンになるまでが一番強かった」それがタイソンかなと思います。 恐怖心を克服するためのドラッグというのは見方として非常に面白いと思います。勝負師として戦うことに対する恐怖は誰にでもあるはずで、それに打ち勝つことが敵に勝つことよりも先にくる、これはあるかもしれませんね。 全盛期には負けるところが想像できなかったボクサーといえば、パーネル・ウィテカーやナジーム・ハメドもそうだと思うんですが、それぞれタイソンとは全く違う方法論を採っています。ウィテカーは徹底して「負けないボクシング」を貫きました。ハメドはイレギュラーな動きで相手を混乱に陥れるという方法を取りました。 そういう考え方をとれば「タイソンがもしもっと軽い階級だったら」という仮説は面白いと思います。体重上限なしのヘビー級ではウィテカー式でもハメド式でもタイソンの体格では大男に捕まるのは目に見えています。 しかしタイソンは15歳の時にはもう既に筋肉の塊だったそうです。彼をもっと軽い階級にという発想はダマトをはじめとする周囲の考え方にはなかったでしょう。 仮にL・ヘビーやクルーザーでタイソンがデビューしても、連勝街道を疾走する限り、「ヘビー級へ」という声は必然的に上がったでしょうね。ホリフィールドがそうだったように。 タイソンは攻撃の端緒をジャブではなくフックからつけるというスタイルを確立しました。逆説的ですが、ジャブを打っても届かないという事実があったからこそ、突進してフック、というスタイルが出来上がったんだと思います。 そう考えると、ミドルあたりでデビューしていたらまた何か別のスタイルを作っていたかもしれないとは思いますね。 回答ありがとうございました。