>「H」と「H2」の違いは何ですか?
Hだけだと、原子、または原子の種類(元素)を表します。原子1個で分子と考える物質(ヘリウム、ネオンなど)や、単体のうち分子をつくらない物質(金属など)・分子がはっきりしない物質(赤リンなど)・分子の種類が複数あり特定しない場合(硫黄など)などは、この形で表します。(比を表す「組成式」というタイプの化学式ですが、単体だと比が存在しないため、元素記号と同じになります。)
H2は水素原子が2個結合した水素分子、水素分子から成る「水素」という常温常圧では気体の物質を表します。「分子式」というタイプの化学式です。
>化学式で、「H2」のように後ろに数字が付くやつと、「2H2O」のように最初に来るやつがあるのはなぜですか?
元素記号(原子記号)の後の数は、化学式中で原子の数(分子式等の場合)、または比(組成式の場合)を表します。無い場合は「1」と考えます。必ず右下に小さい数字で書きます。
「H2」は化学式ですが、「2H2O」はちょっと違います。化学式としてはH2O。その前に付された2(アルファベット大文字と同じサイズで書きます)は、「化学反応式」の中で物質が反応する数の比を表す「係数」というものです。化学反応式の中でなければ、化学式(物質を表す)の前に係数をつけることは通常ありません。(但し、物質どうしが一定の比で結合して結晶をつくる場合や、複雑な化合物の組成を表すときなどに「・」と併用して使う事はあります。高校2年以上のレベルです)
化学式→物質を表す
化学反応式→化学式を用いて化学反応を表す。
(係数)化学式+(係数)化学式→(係数)化学式+(係数)化学式
のような形になります。反応する比を表す(係数)は普通サイズの数字になります。また「1」は書きません。