職場では、これまで技術士二次試験のための指導などを行ってきましたが、問題についての
批判を行い始めると、出題者の思うつぼなのです。
また、私は『行政マンの視点でも考えるクセをつけておくことが重要』とは書きましたが、
『行政マンの視点としても適切な問題』であるか、どうかについては一言も述べていません。
試験の内容でいいますと、たとえば昨年までの試験では、『技術的体験論文』がありましたが、
あれは一般的な学会投稿論文とはまったく構成も内容も異なっていて、『論文』というよりは
『創作文』と考えた方が良いものでした。技術的課題の設定とそのアプローチ法がその内容で
あり、一般論文のように新たに得られた科学的知見について記述するものではありませんでした。
さらに『特筆すべき技術内容』をいかにうまく取り込み、説明できるかどうかがポイントと
なっていましたが、冷静に考えますと、毎年何千名もの二次試験合格者がいずれも技術的に
画期的発明や発見を得ていたとはとうてい考えられないことです。
先に書きましたように、技術士二次試験は『ふるい落とすための試験』なのです。
その視点でアプローチしない限り、合格はとうてい得られません。
私は、いくつもの学会に所属し、その都度読みこなすことはもちろん、投稿や発表も普通に
行ってきましたが、知識だけを追求するのでしたら、あなたもそれぞれの学会に論文投稿する
だけで良いでしょう。しかし、技術士二次試験の択一問題対応でアップアップしている
のでしたら、専門分野でのスキルアップはとうてい望めそうもありませんよ。
今年の問題でいうなら、ISO14000に係る問題は、それを実行している職場なら容易に解ける
問題です。職場で取り組んでいないとしても、これほど環境問題が叫ばれているのですから、
個人レベルで一度は確認しておくべき項目だと思います。
ところで、公共事業に係る問題は、要するにいかに『開眼』できるかどうかが勝負です。
一見脈絡のないような、断片的知識のように思えるかもしれませんが、そうではなくて、
水平的につながっている普遍的なものがあるのです。それがわかれば、ほとんどの問題は
苦慮しないで回答できるはずです。
繰り返しやることが苦痛でしたら、一回でマスターすればよいのです
要領よくマスターでき、見事試験突破することを願っております。
お礼
開眼すればできるようになるのでしょうか。とにかく、今年不合格でしたら来年トライしてみます。論文は自信がありますので、落ちているとすれば択一です。ありがとうございました。
補足
あるサイトで択一の解答予想(正確に自信のある回答ではないそうですが。)で自己採点した結果14/15で合格でした。わたくしは、自分が不合格になりそうなので不平を申し上げているのではありません。自分の合格・不合格にかかわらず、建設一般の択一試験では、建設技術者がもっているべき一般常識的な知識の確認でいいと思います。ふるい落としは論文で行うべきであって、択一でふるい落しにかかるとはとは、採点者の労務軽減が目的であると推定します。国家の大事な将来を担う人材を決定する大事な試験に、詰め込み知識の多さで技術者レベルを判定しようとする技術士会およびそれを許している文部科学省に「日本の将来の技術大国目指すにあたり、あるべき試験の姿」をもっと真剣に考えてほしいと思います。