欧州車は比較的高周波の振動遮断がイマイチなので(あれほど石畳があってナゼだ?って感じですが)、日本の道では気になさる方が多い様です。
これはフィアットが元来大衆車メーカだから、ではありません。ドイツの超有名2大高級車メーカでも、高周波の遮断がヘタクソなのには変わりありません。この辺りはトヨタさんなどカンペキと言える仕上がりを見せますが、しかしスポーティな車型でもあれとは・・・・。
などと前振りが長くなりましたが、さて問題のゴトゴトです。
フィアットクーペはワタシ自身チョイ乗りはした事があるのですが、それほど気になった振動はありませんでした(とてもよいスポーツカーだと思います)・・・・ゴトゴト・・・・?想像の域を出ませんが、これは多分、ハラに響いたりヒザがワナワナしたりする5~8Hzの振動ではなく、10Hz以上の周波数であると仮定しましょう。
この振動特性を改善する方法は色々ありますが、最もカンタンで、しかも気に入らない場合すぐ元に戻せる作戦を考えました。
基本的には『タイヤの交換』です。
10Hz以上の振動としますと、一番近いのは12~15Hzにあるばね下共振点です。とりあえず、ばね下共振点での振動がボディに伝わるのを防ぐ、ばね下共振点の減衰力を上げる、とゆぅ2点を狙います。
1.タイヤを、ハイトの大きいモノに変えましょう。
偏平率が大きくなると、タイヤの縦ばねレートが下がります。するとばね下の振動が車体に伝わりにくくなります(極論しますと、タイヤが柔らかくなると、ばね下=ホイールだけが勝手に上下に動く感じです。これでタイヤが固いと、タイヤがポンポンはね、ばね上=車体がゆすられます)。
いわゆる世間で言うところのインチ・アップの逆をやるワケですが、ここで問題なのは、ホイール径はブレーキサイズとの兼ね合いがありますのでなかなか小さく出来ない可能性があるとゆぅ点です。
ホイールサイズのダウンが出来ないとこの作戦は失敗ですが、それなら同一サイズでも、ケブラを使っているタイヤをチョイスしましょう。この種のタイヤは非常に高価ですが、高周波の遮断にはバカに出来ない効果があります。
尚、実際のタイヤやホイールのサイズは、タイヤショップで御相談されれば問題ありません。
2.減衰のよいタイヤに変えましょう。
タイヤは、同じサイズでも性能が一緒ではありません。グリップする/しないは勿論、縦ばねレートや減衰力が違います。
ワタシの経験では、どのモデルでも比較的減衰がよいのはブリジストン製のタイヤです(ヨコハマ製は縦ばね自体が高い、トーヨー製は減衰力が小さい、など、それぞれのタイヤメーカで特徴があります)。
以上の対策で、ある程度ゴトゴトした固さは落ち着くと思います。
ただ、この対策ではあらかじめ覚悟?しなければならない点が2つあります。
★インチダウンは、そのままタイヤ性能の低下を表わします。
ブレーキやコーナリング性能は、それなりに低下します。
★偏平率が上がり、しかも減衰のよいブリジストン製のタイヤとしますと、操舵応答性はニブい方向に変化します。
・・・・以上、乗心地をよくしたら操縦性が低下する、とゆぅ、全く当たり前の性能低下が見られるワケです。
フィアット・クーペはなかなか侮れないイタリアンな魅力のスポーツカーです。結局のところ、折角スポーツカーにお乗りになっていて、性能低下に敢えて目をつぶってまで乗心地を改善したいかどぅか?とゆぅ判断になりますね~。
ムチャクチャおカネをかけられるなら、ダンパーとリンク・ブシュの特性違いを沢山作って、乗心地と操縦性の妥協点を探る事も可能ではありますが・・・・。
お礼
詳しい回答、ほんとうにありがとうございます。タイヤは今、イタリア製の PILLERI社のものがついています。 タイヤを変えてみようとお店に行きましたが、「これ以上のタイヤはないという タイヤがついてますよ」と言われました。 そんなにいいタイヤがついていたなんて…知らなかった! 車はとても気に入ってます。走りもバランス良くターボラグもそんなに感じません。 何よりも、日本車にはない魅力があることが最大のポイントだと思ってます。 結局、そのわりには日本車のやわらかさになじんでいたので 固いセッティングに自分が慣れていないということなんですよね。 回答、ほんとにありがとうございました。 ものすごく参考になりました!!検討したいと思います。