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最小分解体 部分体
f(X)=(X^4+X^2-6)(X^3-7)∈Q[X]とする。(C[X]においては、f(X)は一次式に分解する。) f(X)のQ上の最小分解体Kとすると Kの部分体M_1 M_2 M_3があって3つは同型だが、どの2つも一致しないものを求めよ。 (それが条件を満たしていることを説明せよ) とあるのですが、わかる方いたら教えてください。
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問題の条件を満たす部分体の組は2通りあります。 具体的には、3つ組 Q(7^(1/3)), Q(ω・7^(1/3)), Q(ω^2・7^(1/3)) と Q(√2, 7^(1/3)), Q(√2, ω・7^(1/3)), Q(√2, ω^2・7^(1/3)) です。 以下では三つ組みQ(7^(1/3)), Q(ω・7^(1/3)), Q(ω^2・7^(1/3))について、問題の条件を満たすことを説明しましょう。 まず同型であること。 それぞれがQ上既約な多項式(X^3-7)の3つの根をQに添加して得られる単拡大だから、全てQ[T]/(T^3-7)に同型です。 (同型写像は、添加する7の3乗根→T から一意に定まる) どの2つも一致しないこと。2元目を添加すると真に拡大が起きることを言えばいい。 例えば、Q(7^(1/3))≠Q(ω・7^(1/3))を示したいとする。(他のペアも同様) 背理法を使う。 仮にQ(7^(1/3))=Q(ω・7^(1/3))だとすると、 Q(7^(1/3))=Q(7^(1/3), ω・7^(1/3))=Q(7^(1/3), ω) のはずだが、Q上左辺は3次拡大、右辺は6次拡大なので矛盾。よってQ(7^(1/3))≠Q(ω・7^(1/3)) よって、三つ組みQ(7^(1/3)), Q(ω・7^(1/3)), Q(ω^2・7^(1/3))はどの2つも一致しない、互いに同型な体。
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- sunflower-san
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補足です。これは、詳しく書くと大変なので大分端折っていますので、参考程度に。 この問題はガロア理論の言葉で言えば、これはガロア拡大K/Qのガロア群Gの、共役が3つある部分群(よって、正規でない部分群)を求め、対応する(それぞれの群によって固定される元全体のなす)部分体を求める問題です。Gの部分群と、KとQの間にある中間体はガロア対応と呼ばれる1:1対応で結ばれており、特にGの正規部分群はQのガロア拡大であるような中間体に対応します。 今回の問題では、Qのガロア拡大体 K=Q(ω, √2, 7^(1/3)) のガロア群は添加する3元への作用で決まるので、 σ:(ω, √2, 7^(1/3))→(ω^2, √2, 7^(1/3)) τ:(ω, √2, 7^(1/3))→(ω, -√2, 7^(1/3)) μ:(ω, √2, 7^(1/3))→(ω, √2, ω・7^(1/3)) が生成する位数12の非可換群 G=<σ,τ,μ;σ^2=τ^2=μ^3=1, στ=τσ, τμ=μτ, μσ=σμ^2> になります。 この正規でない位数2の部分群 H1=<σ>とその共役群 H2=<μσ>、H3=<μ^2σ>は それぞれ互いに同型な、指数2の部分体M1=Q(√2, 7^(1/3)), M2=Q(√2, ω^2・7^(1/3)), M3=Q(√2, ω・7^(1/3)) に対応します。(M1={x∈K, 全てのg∈H1についてg(x)=x}など) また、正規でない位数4の部分群 H1'=<σ,τ>とその共役群 H2'=<μσ,τ>、H3'=<μ^2σ,τ>は それぞれ互いに同型な、指数4の部分体M1'=Q(7^(1/3)), M2'=Q(ω^2・7^(1/3)), M3'=Q(ω・7^(1/3)) に対応します。 多少複雑な体の中間体の場合、ガロア群を調べた方が考え漏れがないと思います。
お礼
わざわざ補足まで丁寧にありがとうございます。
お礼
大変分かりやすい説明ありがとうございます。 非常に助かります。