原則的には民法478条が適用され、銀行が善意・無過失である限り、損害は預金者負担です。
しかし、平成18年に「偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律」(以下、預金者保護法)が制定され、現在では一定の場合には銀行は損害を補てんする義務を負っています。
キャッシュカードが盗難された場合に、預金者保護法で保護される要件は以下のいずれにも該当する場合です。
・個人口座であること(5条1項柱書、2条2項)
・現金自動支払機(ATM)による払い戻しであること(5条1項柱書、2条6項)
・銀行への速やかな通知(5条1項1号)
・銀行への事情説明(5条1項2号)
・捜査機関へ届け出たことの申し出(5条1項3号)
補てん対象額は、5条1項1号の通知日の30日前以後になされた払戻し額です(5条2項本文、6項)。
預金者が無過失の場合は全額が補てんされますが、軽過失の場合は補てんされる額は4分の3となり、重過失の場合は補てんされません(5条2項ただし書き)。
なお、これらの規定は強行規定です(8条)。
したがって、約款による免責規定は認められません。
また、上記のとおり、預金者保護法が適用されるのは、ATM使用による損害のみです。
したがって、通帳と印鑑による窓口での払戻しについては、預金者保護法の適用はなく、これまでどおり民法478条の適用場面となります。
しかし、全国銀行協会で自主ルールを作っており、通帳の盗難やインターネットバンキングの不正利用についても補償を行っています。
詳しくは下記URLをご参照ください。
以上が、盗難の場合の預金者保護法の概要です。
詳しくは、預金保護法をご確認ください。
お礼
回答ありがとうございます!! すごくわかりやすいです!! 詳しいところまでありがとうございました! 助かりました!