米国特殊な選挙方式を理解するには、少し歴史を紐解く方が良いかもしれませんので、参考に回答してみます。
通常、米国大統領選挙は「選挙人団方式」と呼ばれます。
この制度が始まったのは、19世紀頃にさかのぼります。
米国は広大な土地を持つ国です。
東部と西部では、大体3時間位時差が発生するような国なのです。
そんな国で、情報伝達手段が未発達だった当時に考え出されたのが「選挙人団方式」です。
各州では、どの候補に投票するかをあらかじめ表明している代表者を用意します。
これを「選挙人」と呼び、人口に応じて各州は何人の「選挙人」を首都に送れるかが決まっています。(複数人いるので選挙人団と言います)
一般の人は、「自分の州は、A候補を支持していることを選挙人団に伝えに行ってもらおう」という意志を決定するための一票を投じます。
そうして選ばれた選挙人団は、決められた日に首都に行って一票を投じることになります。
そして、各大統領候補はこの「選挙人」によって選ばれることになります。
※ほとんどの州では、その州で一番得票率が高かった候補者に投票するよう決められますが、州によっては得票率によって分配するところもあります。前者が「総取り方式」後者は「比例割当方式」と言われます。
こうした方式になったのは、先に述べたように米国の広大な領土と情報伝達が未発達だった事に端をを発します。
まぁ、簡単に「各州ごとに人口に応じた代表者を大統領選挙に送れる。州に住む一般投票者は、どの候補者に入れるかを決めるための選挙をする。その選挙結果を受けて代表者は首都に行って一票を投票する。その代表者の票の数を、各大統領候補者は競い合う」
ってかんじに理解すればいいかと思います。
さて,党大会と総理大臣選挙の違いですが,これはそのまま大統領選のプロセスを追った方が早いので,以下にまとめてみます。
・前提条件
米国大統領選挙に投票できる人は、米国国籍を所有しかつ選挙人登録をしていることが条件となります。
被選挙権は、両親が米国人である35歳以上の人で米国に14年以上住んでいる事が条件となります。
プロセス1
まず、各政党で大統領候補になるための選挙があります。
これは国政選挙ではなく、あくまでも各政党内の手続きです。
まぁ、日本で言えば自民党や民主党の総裁(代表)選挙みないなものと考えればいいかと思います。
選挙人登録すれば、一般市民も参加出来ます。
この時、大統領になりたい人が立候補します。
そして各党の党大会が開かれ、そこで選ばれることになります。
この選挙は、選挙権があれば党員でなくても参加することが出来ます。
但し、有権者は直接候補者を選ぶのではなくて、その候補者支持を表明した代表者を選ぶことになります。
この代表者の事を代議員と呼びます。
そして、各州には人口に応じて代議員の数が決まっています。
各州の有権者は、どの候補を支持する代議員を選ぶかを決めるのです。
その代議員はかならず各州の選挙結果と同じ候補者に投票しなければなりません。
また、そのほかに各州の選挙結果に左右されない党の幹部や政治家なんかの票も加え、その総数を競うことになります。
※因みに、党員でなくとも出来ると書きましたが、極端な話共和党員が民主党の予備選に参加したりその逆も出来ます。
プロセス2
予備選で各党の候補者が出そろうと、各候補者は副大統領候補も決めた上で大統領選挙本戦に臨むことになります。
大統領選挙本選は、有権者は直接候補者の名前を選びます。
そして、各州でどの大統領候補を大統領とするかを決定します。
プロセス3
各州は、選挙の結果を受けて、あらかじめ人口ごとに割り振られた選挙人を出します。
彼らは、選挙の結果に応じて各候補者に投票します。
つまり、各州ごとに誰を大統領にするかが決まるのです。
そして、大統領候補者は、その選挙人の数を競うことになります。
と、米国選挙は結構まわりくどいシステムになってます。
まぁ、イメージとしては国民が直接大統領を選ぶというよりは、各州ごとに誰を大統領にするかを選ぶという事ですね。
そして、人口比率に応じた投票権を各州はもっていて、住民の意思によってその投票権を行使する。
で、ほとんどの州は住民の意志で白黒出た方に全ての票を入れるけど、州によっては得票率によって入れる票を決めるところもある。
・・って感じでしょうか。
ではでは、参考になれば幸いです
お礼
回答ありがとうございました。 簡潔でわかりやすいです。