こんにちは、後期高齢者です。
干し鱈とご指摘のものは「真鱈」の干したものではありませんが良く混同されます。
この「すきみ鱈」は富山や新潟で家庭料理によく使われるものです。
スペインのバカラオは「真鱈」の塩漬を干したものです。(半端でないほどの塩の量)
3日ほど水を変えて塩分を味見しながら戻して煮込み料理に使います。
一方これと同じ「真鱈」を干したものは京都で正月料理に使われる「棒鱈」です。
バカラオは丸ごと一匹を干したものですが棒鱈は半身を「塩」を使わずに干したものです。
どちらも「真鱈」に違いはありません。
ネットの料理の解説でもすきみ鱈と真鱈の干したものを取り違えていることも多いようですね。又、海老薯と小芋を混同しています。(味、食感が全く異なる)
「棒鱈」(北海道産)をバカラオの代わりに御使いになる事は出来ると思います。
但し塩分含有量が異なるので塩分を含まない「棒鱈」を使う場合、同じように煮込んでも味覚で云う「コク」が異なってくることと思いますので塩分のコントロールさえ上手く出来ればそん色ない煮込みが出来ると考えます。
なを、棒鱈を戻すには非常に手間が掛かります。
毎日水を取り替えて1週間、(腐るので冷暗所で)最後に腹の黒い膜や汚れを丁寧に洗って取り、適宜な大きさに切って新しく水から煮ます。
柔らかくなったら、其の侭冷まし、水を替えて又1日置いてから料理に掛かります。
その点バカラオの方は3日程度で料理に使えるようになりますから手間は大分省けます。
京都では正月に欠かせない料理で海老芋(小芋ではありません)と酒、味醂、醤油(濃い口薄口を併用)で炊き合わせいたします。
京都の家庭料理(おぞうよと云います、おばんざいとは云いません。これは昭和50年頃から急に言われだした造語だろうと思います。言いだしっぺは知ってますが此処では云いません。)ですから味は濃いのが普通です。(京都の家庭料理は関東と遜色なく濃い味です。老舗の和食店でも味は濃い目です。薄味は茶懐石のみ)
芋棒を看板にしている平野家本家で食されると、見た目は濃い口醤油使用ゆえ色合いも濃く味も濃い事にお気づきになると思います。(其れが本来の味)
京都の古い家では砂糖はすき焼き以外には使いません。
さてその戻した棒鱈をスペイン料理のようにトマト等で煮込まれる時はご自分の味覚にあわせ塩を上手く御使いになるといいかと思います。(全体にまったりした塩味に煮含めるのは難しいかも。私なら先に適宜な塩水だけでを煮含めてから料理します)
代用で全く同じ物が出来るかは判りませんが、少なくとも塩加減さえ上手く行けば同じ干物の真鱈を水で戻して使うわけですから大丈夫だろうと考えます。
先ほど云ったように棒鱈を戻すには時間が掛かるのでこの点だけはくれぐれもご注意を。
入院なさるとの由、御大事になさって下さい。
お礼
入院していたのでお礼が遅くなりすみませんでした。無事手術成功して退院して来ました、ご心配ありがとうございます。 大変詳しいご回答をありがとうございます。 すきみ鱈と棒鱈は違うのですね。スペイン料理に使う場合のこと、詳しい戻し方も書いてくださいまして、大変勉強になりました。 退院後の楽しみにしていたので、早速、お料理にチャレンジしてみようと思っています! ご回答ありがとうございました。