こんにちは。80年近く生きてきた身として書きます。
京都の人間が何時も食べる食材って?家でですか?
古くから(100年以上)住んでいる家ではハレとケをきっちり分けていますから理解し難いかもしれません。
まず京都の家庭料理は全般的に濃い味付けで薄味ではありません。(薄味は茶懐石のみ)
濃い口と薄口醤油、白味噌と八丁味噌をきちんと使い分けします。
みりんは多用しますが砂糖はすき焼きの時以外原則的に使いません。
来客時は「仕出し」を利用しますので口に合わないような家庭料理を客に出すこともありません。
商家では昼が正餐ですから暖かいご飯は昼。朝は茶漬けが多かったのです。
又、牛肉の消費量は戦前京都が全国一。
街にはいたるところに洋食屋がありますし円山公園では昭和初期にはすでに朝五時から
バターやジャムを塗った食パンと牛乳の店が毎日出ていたくらいですから京都人の食生活は千差万別。
で、話を戻し家でよく食べられていたものは
すぐきや柴漬け、きゅうりの糠付けなどの漬物類。
鞍馬の木の芽煮などの塩昆布類(縮緬山椒などは昭和50年頃から急にでまわったっもので、昔からあったものではありません)
西京味噌漬けのマナガツオやぐじ(アマダイ)、笹鰈の干物。海老豆、鯉コク。
キビナゴの酢味噌。
芋茎の煮物。
茄子とニシンの醤油煮。
棒ダラと小芋の含め煮、衣担ぎ(小型の小芋を蒸したもの)。
大阪と同じ船場汁。
使う御茶は焙じ茶が多い。
白味噌汁に生麩を入れたもの。
赤出汁なら浮き身はジュンサイと白身魚。
少し贅沢なら沖すき(魚介類のすき焼き)大和炊き(砂糖醤油の牛肉を焼きたっぷりの大根おろしに絡めて食べる、オイル焼とも云う)。
祭りには各家庭で鯖寿司、バラ寿司(散らし寿司)を作り知り合い縁者に配る。
こういった普段(ケ)の食べ物を出すような店は無いでしょうね。
強いて言えばマナガツオの西京漬けや芋棒(棒ダラと小芋の炊き合わせ)鯖寿司を出している店はあります。
京都の人間は結構新物好きなので外で食べるものは昔は洋食が多く、腰の強いうどんは好まれず(力餅などの食堂では潤びるような細いうどんが多い)蕎麦のほうも多い。
おばんざいという言葉は昭和50年頃から急に言い出された言葉で当時、代々京都に住んでいる人は聞いたことも無いというもの。
言い出した犯人は知っていますが此処では云いません。
おばんざいなどと謳っている店は敬遠したほうが良いと思いますよ。
其れと同じ京言葉は「おぞよ」または「おぞうよ」と云います。
で、街中で京料理、懐石と称している店の多くは(明治以前からある店は除く)
東京資本ですから念のため。(まあ昔から京都はそういう土地柄かも)
錦(錦市場とは云いません)の川魚屋やおかずを打っている店で美味そうなのを買い、御所辺りで食べるのは如何でしょうかね。
失礼しました。
お礼
ありがとうございます。白味噌に生麩 じゅんさい など 京都らしく感じます。錦は行ってみたいと思います。