色々読ませて頂きました。しかし憶測やイデオロギーが強く出てしまい当初の首都移転提案の主旨が皆さんの中で変わってきてしまったようです。
この提案は現在経済企画庁長官の堺屋太一氏が入閣以前民間の評論家として発言されたのが最初です。90年頃だったと思います。
氏の発言の主旨は,
1)に、国政権限の地方移転(地方分権)と,規制緩和から始まります。権限の移転は何度も議論されましたが官僚の反対が強く少しも進展しませんでした。
氏は移転を機会に同時に規制緩和を行い、省庁の縮小、官僚の削減を図るべきと提案したのです。
来年から始まる省庁の統合案と現在の規制緩和政策ははこの議論から変形してきたものです。
2)に、東京の人口の過密化はスラム化を進行させる可能性と,生活用水の確保と汚水処理及び廃棄物の集中発生は予断を許さない状況になっていました。
以上の案件はそれぞれがあまりの大量であるため処理費用が将来天文学的に増加するであろうと危惧され、また東京及びその周辺の環境の著しい悪化が予想されました。1200万を超える人口の生活用水を確保するにはかなり遠隔地からの導入が必要で常に渇水に悩むことになります。
3)に、現状の多大なロス発生に、通勤のラッシュがあります。サラリーマンを始として多量の人口が通勤,通学に時間と労力と費用を消費しています。都心から官庁関係者とその訪問者を乖離することにより交通ラッシュの削減を図ると言うものです。
4)は、東京大震災の予想です。
この時期、東海大地震の予想が議論されていました。
氏は,一極集中のシステムを分散し、行政,国防,通信,流通の各拠点が同一地点にあることの危険を提示しました,
大体以上が首都機能移転の当初の論点だったと思います。規制緩和と権限委譲により許認可は各地方自治体が行い,新首都は小さい政府による行政機関とし東京の環境破壊を防止し都民の生活環境の向上及び一極集中の是正が主たる目的だったと思います。
東京の移転ではなく,国政、国会と政府,官僚機関の移転です。これにより国家公務員とその家族は移転を余儀なくされますが企業の移転は伴いません。
皆さんの意見を読んで随分かけ離れていることに驚きました。
今,マスコミは,必ず部分だけ取り上げてセンセーショナルに言いたてます。
又,自らのイデオロギーと合わないことは報道しないか行政の反対意見のみ取り上げる傾向にあります。
過去の歴史を見てもメデイアは常に大衆をミスリードしています。
その中から正確な情報を見分ける技術を身につけ,行政も、マスコミのミスリードも批判していくことが我々の今日的課題だと思います。
もう1度この堺屋氏の提案を考えて見ませんか
補足
大変興味深く読ませていただきました。 bazarakmさん、本当にありがとうございます。 政治に関しては、確かに私はマスコミ情報でしか情報を仕入れていないですし、本来目的からずれた視点で討論していることを認識しました。 bazarakmさんはかなりお詳しいようですので、更なる質問をさせていただいてよろしいでしょうか? 答えていただける範囲で結構ですので。 (※ もちろん他の方のご意見もお待ちしております) 1】 国政・国会・政府・官僚機関の移転により、東京都23区の人口は何割程度にまで減少すると予想されますか? 個人的推測で構いません。 どうも政治の素人の私から見ますと、それ以外にも、多くの企業本社とその社員・家族が新首都に移転してしまって東京はガラガラになり、新首都には新たな東京と全く同じだけの社会構造ができるだけに思えて仕方がないのです。 新首都の場所によっては、生活用水の確保は現在よりも容易になることだけは理解できます。 2】 メディア報道の偏った情報の中から正確な情報を見分ける技術を身につけるには、どのような手段がありますでしょうか? 政治を職としている人ならわかるでしょうが、他業種の一般人に出来る見極めの目を養う方法を。 各テレビキー局と強い関係の新聞記事はその思想や方針を新聞記事に見いだすことが出来ます。では、日本経済新聞はいかがでしょうか? それでさえ、中立的な報道ではないのでしょうか? --- もし、以上のような個別討論をしているよりも、この本をまず読んだ方がよい、というものがありましたら、それをご紹介いただければ、尚助かります。