残念ながら高圧受電設備に取付られた避雷器では変電設備以降の低圧幹線への異常電圧混入は防げません。
通常は高圧受電柱に取付られたPASの二次側に避雷器は設置しますが、避雷器が雷害による異常電圧を検知すると商用電源を含めてA種接地に逃がします。
それによってPASのGRが動作してPASを開放します。
PASのGRの動作時間は0.何秒かに設定されているとは思いますが、問題は避雷器が異常電圧を検知してからどれだけの時間で高圧受電設備を接地できるかです。
通常は異常電圧がかかって1秒以内には内部のエレメントが放電してA種接地に逃がしますが、雷による異常電圧は変電設備の変圧器では変圧されません。
変圧器の巻線比は60:1であり、一次側の入力電圧は変圧されて二次側に出力されるのが変圧器ですが、雷はそのまま変圧器コイルを越えて二次側設備に混入します。
ここまで言えば理解できるかと思いますが、異常電圧がアースに逃げるまでの0.1秒やそこらの時間であっても、とっくに高圧受電設備における高低圧電気設備のほとんどには雷害による異常電圧がかかってます。
耐電圧の低いOA機器類等の中でも、大きな電力を使用しないような回路はほとんどが焼損します。
案外高圧機器類は雷が直撃しない限りは無事な事は多いですが、低圧幹線以降の電気設備は焼損する事が多いです。
そのために変電設備の変圧器二次側に設置する低圧用の避雷器もありますし、低圧幹線以降に取付する避雷器もありますが、完全確実に防ぐ手立ては皆無です。
受電設備に取付された避雷器では変電設備以降の異常電圧の侵入を未然に防ぐ事は不可能です。
それが現状です。
お礼
ご回答ありがとうございます。大変参考になりました。