現在のTPPは、米国の企業連合が米国政府に持ちかけて戦略的に推進されてきたものなんだ。この企業群というのはお金を渡して政治支援を行い、常に政府へ企業利益になるための改革案を提示して働きかけを行なっているんだ。
またこのような働きかけを行う人をロビイストと呼ぶんだ。ロビイストたちはTPPに限らず毎日政治家へ自社企業や業界団体のお金儲けのための働きかけを行なっていて、その活動によってお金をもらって暮らしているんだ。
TPPは実質的には「年次改革要望書」を条約化するためのものなんだ。
「年次改革要望書」というのはアメリカからの日本改革案なんだ。これまでも日本は年次改革要望書に基づきいろいろな改革をしてきたんだ。でも一方で日本からの要望は何一つ実現されていないんだ。ここには目に見えない国家の力関係というものがあるんだ。
このような経緯からアメリカの企業の要望実現のために米国政府がその代表者として日本政府などへTPPという条約を持ちかけているんだ。これは年次改革要望書などで話し合いをするより、条約化してしまえば法律的な強い力を持つのでとても大きな日本の改革になるんだ。また日本政府だけではなく日本のマスメディアへも同じような働きかけが行われていて、結果として米国企業群の代弁者となってマスメディアで活躍している人などもいるんだ。
またアメリカがTPPなどを急ぎ足で推し進めていることには、少し前に起こった米国の経済危機が関係しているんだ。経済危機を切っ掛けに、このままでは米国企業がダメになって利益を稼げなくなってしまうという危機感があったんだ。だから1から取り決めや条文内容を作るのではなく、旧TPPという小さな国の間ですでに利用されていた条約をベースにして、それを書き換えるかたちでの米国企業群の利益の最大化を測って条約策定を行うことになったんだ。
このような経緯から米国主導の下に米国企業に大きな利益を稼がすためのルール・枠組み作りを行う必要があるということで、現在TPPという国際条約が進められているんだ。
お礼
有り難う御座いました。